女々しいぞハリル、代表監督不適格(28)

栄和人への告発状に対しては、日本レスリング協会は見解文書を発表している。それによると栄和人氏によるパワハラはなかったと、全面否定しているようだ。詳しくは下記を参照願う。栄和人と日本レスリング協会は、どうも一心同体のようだ。

 

 

日本レスリング協会伊調馨の告発状に「見解文書発表」

2018311410 スポーツ報知

http://www.hochi.co.jp/sports/etc/20180301-OHT1T50071.html

 

 

しかし公表されて「三者の弁護士3人による報告書」によると、確実に4点のパワハラがあったとされている。しかしパワハラと認定されていない項目についても、我々からすれば明確なパワハラと感じられるのだが。

 

 

伊調選手へのパワハラ報告書の概要

毎日新聞2018462354(最終更新 470028)

レスリングの伊調馨選手=喜屋武真之介撮影

 日本レスリング協会は6日、調査を委託した三者の弁護士3人による報告書を公表した。概要は次の通り。

 パワハラと認定した事実>

 ▽2010年2月の合宿で、女子強化委員長だった栄氏は東京へ練習拠点を移した伊調選手を部屋に呼び、「よく俺の前でレスリングできるな」と言った。弟子が離れていったことに対する逆恨みにも似た心情としか解釈できない。

 ▽伊調選手は、10年アジア大会(中国・広州)の選考基準を満たしたが、別の選手が代表になった。協会は伊調選手に十分な説明も行っておらず、伊調選手も納得していない。選考過程が不明確で、伊調選手を選考から排斥する行為と解釈すべきだ。

 ▽10年9月の世界選手権(モスクワ)の際、宿泊先で、栄氏が男子フリースタイルのコーチだった田南部氏に「伊調選手の指導をするな」と言った。栄氏は女子フリースタイルを統括する指導者として実績を重ね、男子チームに対しても事実上の影響力を持つ立場にあった。栄氏の優位な立場を背景としており、不適切な発言。

 ▽15年2月に行われた男女合同合宿中、協会の指示で別のコーチと2人で京都に指導に出向いた田南部氏に対し、栄氏が外出を叱責。さらに伊調選手の指導に話を移し、「目障りだ。出て行け」と罵倒した。栄氏は別のコーチには何も言わなかった。

 パワハラと認定しなかった事実>

 ▽16年8月のリオデジャネイロ五輪で、伊調選手は、他の2選手が栄氏と、別の飛行機のビジネスクラスリオデジャネイロに向かったと聞いた。伊調選手は、自費でプレミアムエコノミーに変更したに過ぎず、パワハラは認められない。

 ▽警視庁レスリングクラブで田南部氏の指導が伊調選手に集中しすぎているという不満を耳にした同クラブの監督が、伊調選手の所属先に「もう警視庁に練習に来ないでほしい」という話をした。伊調選手は部外者のため、問題ない。

 ▽16年9月に東京五輪に向けた強化体制として、栄氏が引き続き強化本部長となったが、田南部氏は男子コーチから外れた。コーチは再任されるものではなく、コーチ陣全体のバランスや構成、相性などを総合して選定するため、栄氏のパワハラとは言えない。

 <提言>

 ▽栄氏の倫理規定違反が認められることから、協会は、適切な処分を検討すべきだ。

 ▽協会の公益通報窓口は、登録選手や理事、コーチらには適用されない。制度を利用できるようにすべきだ。

 ▽選手とコーチの間にきめ細かでかつ柔軟なルールを作ることが望まれる。

 ▽協会役員について、レスリングと異なる分野の有識者を増員し、議論を活性化させることが望ましい。

https://mainichi.jp/articles/20180407/k00/00m/050/158000c

 

 

まあ栄和人氏は、至学館大学(もと中京女子大学レスリング部で、6人のオリンピック金メダリストを育てているのを見れば、それなりに優秀な指導者だったことには間違いがない。ずっと謙虚な指導者で居ればよかったものの、魔が差したと言うか図に乗ってしまったと言うか、伊調馨選手が更なる高みを目指したいと東京に練習拠点を移すと、パワハラが始まった訳だ。

 

これこそ身の程をわきまえない行動と言われても仕方がないものだが、一寸長いが伊調馨が練習拠点を移す決断となった出来事をみてみよう。

 

 

伊調馨と栄監督が袂を分かった「決定的な出来事」

きっかけは男子合宿への参加だった

 

2018.03.08 現代ビジネス編集部

 

女子レスリン五輪4連覇伊調馨選手に対する、栄和人監督による「パワハラ」があったとする報道が世間を賑わせている。その発端は、男子レスリングに衝撃を受けた伊調の「変化」と「決心」にあった。伊調の過去の発言、揺れるレスリング協会の関係者らへの取材から騒動を読み解く。

留学後の一大決心

女子初のオリンピック4連覇を達成し、国民栄誉賞を受賞した伊調馨ALSOK)。オリンピック金メダリスト6を育て上げた栄和日本レスリング協会強化本部長、至学館大学レスリング部監督)。輝かしい師弟関係の対立に注目が集まっている。いったい何が起きていたのか。

全国女子中学選手権3連覇を達成した“スーパー中学生”伊調を、栄が八戸の実家へ出向いてスカウトしたのが、二人の師弟関係のスタートだ。

中京女子大学附属高校(現・至学館大学附属高校)に入学、栄のもとで練習に励んだ伊調は才能をさらに伸ばし、高校2年生になったばかりの20014月、世界選手権2連覇中の山本聖子を破り、クイーンズカップ優勝を飾った。

「世界チャンピオンの坂本(現・小原)日登美先輩をはじめ、世界で活躍する選手たちといっしょに練習でき、スパーリングパートナーはいくらでもいる。練習は厳しく、監督が納得しなければ日付が変わっても終わらない」

 

厳しくも充実した練習内容を妹から聞いた姉・千春は、東洋大学を辞めて中京女子大に再入学するほどだった。

伊調馨2学年上の吉田沙保里が同じ階級でつぶし合うことを避け、かつ、女子レスリングの採用が決まったアテネオリンピックに両者を出場させるため、身長が高く、手足も長い伊調の階級アップを決断したのも栄である。

伊調は栄の指示に従い63キロ級に変更すると、翌年のジャパンクイーンズカップで優勝を果たす。そこから伊調馨の快進撃が始まった。

2003年、ニューヨークで開催された世界選手権で連覇すると、本人曰く「イケイケでした!」と2004アテネオリンピックで金メダルを獲得。惜しくも銀メダルに終わった姉・千春とともに「北京でリベンジ! ふたりいっしょに金メダル!」の大目標を掲げ、二人三脚で夢に向かった。

2008年の北京オリンピックアテネと同じく、妹・馨は金メダル、姉・千春は銀メダル。

それでも、千春が「妹といっしょに輝かしいレスリングの道を歩んでこれたことを、私は誇りに思います。勝負が終わった後はメダルに色がついてしまいますが、私は自分のレスリング人生が最高だったと思っているので、このメダルは金色に輝いて見えます」と言えば、馨は「千春が笑顔で北京オリンピックの銀メダルをみんなに見せている姿を見て、よかったなと思いました。公約した『ふたりで金メダル』は果たせず悔しかったですけど、やっと終わったという感じでした」と語った。

北京オリンピック後、東京で開催された世界選手権を欠場した伊調姉妹はカナダへ留学。英語を学ぶ一方で、週2~3カルガリー大学の練習に参加した。

そこで目にしたのが、世界選手権やワールドカップで戦ったことがあるライバルたちが、試合とはかけ離れたところで、生涯スポーツとしてレスリングを楽しむ姿だった。そして、子どもたちがレスリングを心の底から愛し、無邪気に楽しむ姿に、姉妹はかつでの自分の姿を見出す。

帰国後、千春は地元・八戸で高校教員となったが、馨はある一大決心をした。

ここが、今回の「パワハラ問題」の源流であると指摘する関係者の声は多い。

(続く)