女々しいぞハリル、代表監督不適格(37)

監督に「NO」と言えば

 この会見後、慌てふためくように日大側は同日の17日、アメフト部の加藤直人部長名で談話を発表し、内田正人監督を含めた責任者たちが関学大を訪問してアメフト部、そして悪質タックルで大ケガを負った選手と保護者に謝罪することを明らかにした。

 ここでどのような姿勢を見せるかが非常に注目されるが、何らかの逃げ道を用意して弁明に終始する可能性は極めて高い。すでに内田監督を筆頭に日大アメフト部の責任者、日大側に対し、世間は厳しい目を向けている。悪質タックルを仕掛けた日大の当該守備選手が周囲に「『反則をやるなら(試合に)出してやる』と監督から言われた」と話していたことも明らかになっており、こうなってくると日大側がいくら否定しても内田監督は限りなく“クロ”とみなされ続けるだけだ。

 謝罪の場には自主的に退部の意向を表明しているとされる悪質タックルを仕掛けた日大の守備選手も同席しなければいけない。日大側の「乖離していた」という説明も、その謝罪の場に内田監督と当該守備選手が相手の関学大アメフト部の関係者と大ケガを負わされた選手の目の前で食い違いを見せるか否かでウソか本当かがハッキリする。

 ただ、いずれにしてもこの問題はとにかく根が深い。まずこうした蛮行が生じた背景として、日大アメフト部で絶大な権力を握っている内田監督には部員の誰もが絶対服従を強いられているという構図が挙げられる。同部の内部事情に詳しい関係者によれば「内田監督から指示を出され『NO』と言えば、その人物は部内での居場所がなくなるどころか、自分の将来にも悪影響が及ぶことになる」という。一体どういうことなのか。

 「内田監督からの指示や指導法に背けば『お前は、もう二度と試合では使わない』と言われ、冷遇される。それだけなら、まだいい。実はその後、さらに深刻な事態に直面する可能性が高まる。

 “内田ルート”によって大学を卒業してからの就職口も凍結されてしまうから、路頭に迷うことになってしまうのだ。だから選手たちは部で生き残るため、おかしいと思っても監督の指示には逆らえず言う通りにしなければいけなくなる。そういう構図は昔から日大アメフト部にはあった」

内田監督に嫌われるわけにはいかない

 日大アメフト部でレギュラーの座をつかみ、主力選手になれば将来も安泰。卒業後、内田監督の持つコネクションから社会人アメフトの強豪チームに入部した選手たちはこれまでも数多くいる。そして、たとえ主力選手になれなくても内田監督のお眼鏡にかなえば一流企業への就職口も紹介してもらえることが可能というのだ。

 「一流企業の人事担当者たちも内田さんのところでアメフトをやっていたのならば、主従関係の大切さも身をもって叩き込まれているから安心という意識を持っている。実際に日大アメフト部出身者で一流企業に就職したOBは星の数ほどいる。いろいろな大手企業に散らばっているから、内田さんが『今度ウチの○○がお前のところに入りたいと言っているから、よろしく頼む』と言えば“ツルの一声”でスンナリ入れるルートが各一流企業に構築されている」(前出の関係者)

 そういう背景があるとしたら、学生である部員たちは自分の将来のことも考えると「内田監督に嫌われるわけにはいかない」と思い込むようになるのも無理はない。むしろ同監督からの評価ポイントを上げるため、どのような指示に対しても率先して実行しようという意識も働くであろう。

 日大アメフト部のOBからは「もし内田監督から嫌われたり、自主退部したりしたら『○○は使い物にならないよ』と各一流企業の人事担当者に通達されてブラックリスト入りしてしまう危険性もある。だから部員は是が非でも監督にだけは逆らえない環境が整う」と指摘する声まで聞こえてくるから、開いた口が塞(ふさ)がらない。

 しかも内田監督は日大内部でも常務理事の人事を担当するなど重責を担っている。また日大保健体育事務局の「長」としてアメフトだけでなく日大の体育会全体を取りまとめる立場にもあり、大学内部では以前から「とにかく、あらゆるところに顔が利いて不祥事のモミ消しなど危ない根回しも容易にできるポジションにいる。それぐらい権力が集まっていたから本人も『自分こそが絶対に正しい』と勘違いするようになっていたところがあった」と内田監督に批判的な声が数多く出ていたのも事実だ。

   日大アメフト部は試合中の反則行為についてコメントしているが……(出典:日本大学アメリカンフットボール部フェニックスOfficialサイト)



名門「日大フェニックス」の名が泣いている

 日大アメフト部にはカリスマ指導者として知られる篠竹幹夫監督が徹底したスパルタ指導のもと、強豪へと上り詰めた歴史がある。「サムライスピリット」と呼ばれた独特な篠竹イズムを日大OB内田氏は同監督体制下のヘッドコーチとして体感し、2003年から指揮官に就任した。16年に一度は監督から勇退したが、自身が外れて同部が低迷したことで周囲の強い要望を受けて再び指揮を執っている。前出の同大OBはこう補足した。

 「昨今のスポーツ界はスパルタが時代錯誤と言われ、日大アメフト部内の指導法も見直されたが、その裏で内田監督は篠竹イズムを捨てずに受け継いでいたところもあった。試合前のミーティングで『相手を殺れ』とか『何が何でもぶっ壊せ』といった物騒な指示を飛ばしていたのは誰もが知っているところ。

 ただ、この言葉には“ルールの範囲で”という意味合いが込められていることを、言われた選手も自分で判断しなければいけない。今回の一件で指摘されているように、露骨な形で監督から『反則をやれ』と指示されたことが本当ならば……。やはり、あの日大アメフト部の監督第一主義になっている異常な環境下では選手も催眠術にかけられるかのごとく、実行せざるを得なくなってしまうのかもしれない」

 個人的には少なくとも内田監督が“首謀者”として全面的な関与を認めて謝罪し、指揮官から退任しなければ、この問題の終息にはつながらないと思う。当然、期間限定の対外試合禁止などチームにも活動自粛の処置が求められてくるだろう。栄光の名門・日大フェニックスの名が泣いている。

   日本大学からの回答書(一部)

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のール:
 国内プロ野球メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC2006年第1回から2017年第4回まで全大会)やサッカーW杯(1998年フランス、2002日韓共催2006年ドイツ、2010南アフリカ2016年ブラジル)、五輪(2004アテネ2008年北京、2017年リオ、2018年平昌)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。

http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1805/18/news073_4.html#l_yd_usukita3.jpg

 

 

 

このような状況の中では、現在当然、就職活動にも影響が出ていると言う。まあ、当然と言えば当然ではあるが。

 

 

日大生「就職活動に影響」「今は恥ずかしい」

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 アメリカンフットボールの危険なタックル問題で、日大側の記者会見から一夜が明けた24日、同大4年で弓道部の男子学生は「就職活動に影響が出ている」と漏らした。

 面接で自己PRとして弓道部の活動を紹介すると、「アメフトの問題は同じ体育会としてどう思うか」と質問されたという。

 リクルートスーツ姿で就職活動中の法学部4年の女子学生(21)も「今まで日大生であることを誇りに思っていたが、今は恥ずかしい」と肩を落とした。

 23日の日大の会見では、広報担当者が「(日大のブランド価値は)落ちません」「(会見を)見てても見てなくてもいい」などと発言するという異例の展開を見せ、荒れ模様になった。

http://www.yomiuri.co.jp/national/20180524-OYT1T50130.html

 

 

まあこの程度の影響であれば、そう大したことは無いものと思われるが、日大全体に関する管理能力や統治能力に関する悪い話が飛び交い出すと、大学自体に対する悪い評判から日大生に対する評判にも影響が及び、数ある大学の中で日大のランクが相対的に落ちてゆくことになりはしないかと危惧されるものである。

(続く)