女々しいぞハリル、見たか西野采配を(45)

イングランド敗戦に無気力試合批判 理想の?2位通過

稲垣康介

2018年6月29日20時35分

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前半、激しくボールを奪い合うベルギーのデンベレ(右)とイングランドのバーディー=AP

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(28日、ベルギー1―0イングランド サッカー・ワールドカップ

 イングランドベルギーの試合中、元イングランド代表FWのガリー・リネカー氏がツイッターで苦言を呈した。「奇妙な、奇妙な試合だ。フットボールで何もかかっていない試合は基本的に練習にすぎない」

 前半は自陣でのパス回しが多く、双方の選手が勝利をめざして全身全霊を傾けていないと映ったようだ。

 イングランドは前の試合から先発を8人入れ替えた。後半、先制ゴールを決めるベルギーのヤヌザイ⑱=AFP時事は実に9人。両チームとも2戦全勝で1次リーグ突破が確定していたから、主力に休養を与えたい事情は理解できる。

 ただし、そのほかに疑念を抱かせる背景があった。

 すでに他の組は1次リーグを終え、決勝トーナメント(T)の相手を把握できた。両チームがいるG組で、1位突破なら次戦は日本で、勝てば次に戦うのはブラジルメキシコの勝者。2位通過なら次戦はコロンビアで、勝てば次はスウェーデンスイスの勝者。W杯5度優勝の王国ブラジルは避けたいと考えても不思議はない。英メディアは「2位通過狙い」の是非で前景気をあおった。

 前半は0―0。勝ち点、得失点差、総得点はすべて並んでいた。引き分けで終われば、次の判断材料は警告・退場数に基づき計算される「フェアプレーポイント」。この時点で警告数が少ないイングランドが1位突破となる状況だった。

 無気力試合と戦略との微妙な境界線。思い出すのは2012年ロンドン五輪の騒動だ。バドミントン女子ダブルスでサーブをわざとネットに引っかけるなど、故意に負けようとした4組が失格になった。1次リーグ突破が確定し、その試合で負けた方が決勝Tで強豪や自国同士の対戦を避けられた。そうだとしても、観客や視聴者を興ざめにする行為だった。

 緊迫感の乏しい空気を破ったのは後半6分、ベルギーヤヌザイが先制点を決めた。マルティネス監督が笑みすら浮かべないのが印象に残った。イングランドは今大会5得点のケーンを温存したまま敗れ、2位通過を受け入れたBBCは深夜のニュースで敗戦が「故意」なのか、「英断」なのかを取り上げた。

 英ITVの実況アナウンサーはこう締めた。「この敗戦がどのような痛みを伴うのかは、次週以降に分かる」。もし、コロンビアに敗れたら、イングランドのサウスゲート監督はベルギー戦の選手起用、采配を必ず蒸し返される。(稲垣康介

https://www.asahi.com/articles/ASL6Y35ZYL6YUTQP00V.html?iref=wc2018_kijishita_calendar_pickup2

 

馬韓国は、例によって、もっとひどい。

「韓国は美しく敗退、日本は醜くベスト16入り」……ドイツ撃破でどこか余裕の韓国人

連敗中は鬱屈とした雰囲気だったが、すっかり“いつもの調子”に

菅野 朋子

2018/06/29

 8年ぶり――。

 サッカーワールドカップ、6月28日のポーランド戦。日本は0-1で負けるも、フェアプレーの得点数でセネガルを上回り、南アフリカ大会以来となるベスト16を達成した。

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下馬評を覆してのグループリーグ突破だった ©JMPA

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「韓国は世界ランク1位に初めて勝ったアジアチームだ」

 前日、ドイツ相手に劇的な勝利をおさめ、興奮冷めやらぬ韓国でも、日本VSポーランド戦への関心は高かった。試合当日の午後からはポータルサイトNAVER」の検索語でも1~3位圏内に浮上。

 日本を応援する書き込みはポーランドを圧倒的に上回っていたが、「日本が初めて南米を破ったアジアチーム? 韓国は世界ランキング1位に初めて勝ったアジアチームだ」という、“おいおい、ちょいと調子に乗りすぎ?”的なものや、「ドイツ戦前までは日本だけでも(ベスト16に)勝ち上がってくれ、アジアの自尊心にかけて、日本がベスト16入れすれば韓国サッカー協会も目覚める。と思っていたけど、ドイツに勝ったから今は『日本脱落しろ』の雰囲気、なんて(笑)」というものも。

 それでも、日本を応援する内容が多く、「こうなったらアジア圏で唯一生き残ったから、ベスト16入りしないといけない。アジアの底力を見せろ」、「永遠のライバルであり敵である日本の勝利を予想する」、「ポーランドが2試合負けて最後に勝つスタイルだ。日本も緊張しないと」といった書き込みが見られた。

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©JMPA

時間稼ぎのためのパス回しに「島国らしい」

 ところが、試合終了後、負けているにもかかわらず時間稼ぎのために自陣でパス回しをした日本のゲーム内容には侃々諤々の議論が飛びかった。

「あんなふうに観衆と全世界のサッカーファンを欺瞞するプレーでベスト16入りしてなんの意味がある」、「島国らしい。もう一試合やろうと汲々としている」と後半最後にボールを回し続けた日本チームを批判する声もあれば、「体力を温存するのは当然のこと。なんでも無条件にベストを尽くせという“無概念”があるから韓国サッカーは発展しないんだ」、「日本は今回運がよかった。ただ、運も実力がなければ必ずどん底に落ちる。ともかく、ベスト16に進出したのだから精一杯闘ってくれ」というものもあった。

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試合終盤のパス回しには、日本国内でも賛否両論が ©JMPA

 2002年の日韓W杯で華麗なプレーを見せた元韓国代表の安貞桓は、解説者として出演していた韓国MBC文化放送)で「韓国は美しく敗退し、日本は醜くベスト16入り」と皮肉った。また、韓国がグループリーグで2連敗した時に、「サムライの挑戦精神、韓国は日本を見習え」と書いた全国紙の中央日報は、「これがサムライ精神か。日本のボール回しに批判続出」と試合内容を批判した。

ミス連発の選手に「資格剥奪」「国外追放」の書き込み

 そんな韓国の日本批判にもどこか余裕が感じられるのもそのはず。

 韓国は最後に、これぞ“韓国闘魂”の真骨頂といわんばかりの試合を見せた。

 6月27日の韓国VSドイツ戦

 DF金英権選手が初ゴールを決めた瞬間、ソウル市内のそこここでは歓声が鳴り響いた。

 歓声があがらないわけがない。相手は前回大会の覇者であり、FIFAランキング1位の強豪ドイツ。韓国はそれまで初戦のスウェーデン0-1)、第2戦のメキシコ(1-2)と黒星を重ね、その負けっぷりへの苛立ちの矛先はミスを連続したDF張賢秀選手へと向かっていた。「資格剥奪」から「国外追放」「鞭打ちの刑」などの醜い書き込みはネットや青瓦台(大統領府)の請願掲示板にまで広がって、韓国は憂鬱な雰囲気に覆われていた。

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喜びを爆発させるソンフンミン(背番号7)ら韓国イレブン ©getty

 ドイツ戦前、知り合いの40代の会社員は、「ミスをした選手のプレーをみると、国家代表の技術があのレベルでいいのかと憤りも感じましたが、あくまでもスポーツ。SNSで個人攻撃がされているという事実が、ただでさえ負けて悔しいのにさらに嫌な気分にさせる」と話し、ドイツ戦については、「相手は世界一のドイツですよ。勝率は0.0000……くらい、勝てたら奇跡」と諦めきっていた。

 ドイツ戦当日の朝刊にも、「1% それでも信じてみる」(京郷新聞、6月27日)、「作戦名はミッションインポッシブル」(中央日報、同)など祈るような見出しが並んだが、まさかの大番狂わせが起きた。

「日本の躍進を見るのは正直つらかった」

 スポーツ紙記者の声は弾んでいた。

「ベスト16は逃しましたが、それでも、ドイツ戦での選手たちの戦いぶりは闘魂あふれる内容で、よくやったと讃えたい。国民もこういう試合が見たかったのだと思います。韓国では昨年夏に代表監督が交代し、W杯前の成績不振とこれまでの過程が日本と似ていましたから、韓国が負け続けていた時に日本が躍進しているのを見るのは正直つらかったし、羨ましかった。でも、韓国も有終の美を飾れたので、日本もアジア代表としてがんばってほしい(笑)」

 ドイツ戦で初ゴールを決めた金英権選手は、前回のブラジルW杯での不振や、今回のW杯アジア最終予選でのイラン戦で「観衆の歓声が大きくて、選手同士のコミュニケーションが難しかった」と発言し、ネットで大きく叩かれていた。それが一転、今大会の活躍ぶりに韓国では「『カバン権(クォン)』をあげよう」という声が上がっている。「カバン権」とは、「ある活躍や善い行いで、他の過ちについての非難を免ぜられる権利」という意味の造語で、例えば、軍隊にきちんと入隊した芸能人が除隊した時などによく使われる言葉だ。

 今大会でもっとも酷い個人攻撃を受けた張選手も、ドイツ戦で“お咎めなし”の雰囲気になるかと思いきや、こちらは試合後にも、「張のミスがなければベスト16に行けた」という恨み節がまだくすぶっている。29日に韓国に帰国した選手の記者会見時には、ファンから卵が投げられた一幕もあった。

棚ぼたのメキシコでも大騒ぎ

 それでも、サッカー史を塗り替える立役者となったと韓国メディアも一転、「私たちはきみたちが誇らしい」(東亜日報)、「韓国サッカーの奇跡 世界1位のドイツ破る」(中央日報)などと賛辞を送った。その一方では、驚きを込めて「本当に勝ちましたか」(朝鮮日報)、「脚本のない勝利」(ソウル新聞)というものも。

 こんな興奮は韓国だけではなく、棚ぼたのメキシコも大騒ぎだそうだ。メキシコはスウェーデンに0-3と負けて、ドイツが勝てばグループリーグ突破は夢と消えるはずだった。現地にいる韓国人は英雄扱いで街中で胴上げされ、駐メキシコ韓国大使館の参事官が現地職員にかつがれる姿などの動画がYouTubeにアップされ、アエロメヒコ航空では韓国人客を2割引にすると発表するなど韓国人気はうなぎ登りと、韓国でも話題になっている。

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メキシコシティのサポーターたちも歴史的ジャイアントキリングに大興奮 ©getty

 それにしても、スポーツは最後まで何が起こるか分からない。

 いよいよベスト8を賭けた戦いが始まる。

 次は勇姿を期待したい。

http://bunshun.jp/articles/-/7964?page=2

 

さて日本は73日の3:00より、ベルギーと決勝トーナメントを戦う。頑張ってほしい。

(終わり)