Ghosn,Gone with the Money(35)

日本側としても、犯罪者のカルロス・ゴーンがまだルノーの会長兼最高経営責任者(CEO)に居座っている以上、そんな話(ルノーと日産の経営統合、共同持ち株会社方式)は出来ないなんぞと突っぱねたようだ。”ようだ”とは、小生の推測ではあるが、きっとそんな形の会合であったのではないのかな。

日本側のあまりにも冷ややかな雰囲気に、フランス側もいささか度肝を抜かされたと言う感じではなかったのかな。

 

そんなわけで、フランス側もあわてて、「今のところ経営統合なんぞは考えていない」と、苦しい言い訳を発表しているが、山賊・海賊崩れのフランスのことである、日本側もこれで安心しているとは思わないが、もちろん安心して貰っては困るのである。

 

何と言ってもルノーと言うよりも、フランスのマクロンが、ルノーと日産の経営統合に、前のめりとなっているからである。

 

 

ルノー・日産統合の意向との報道、ルメール財務相が否定

Cara MoffatHelene Fouquet

20191212:35 JST

フランスのルメール経済・財務相は、ルノー日産自動車のアライアンスに変更を加える計画を検討している事実はないと述べた。日本経済新聞は、仏政府代表団が共同持ち株会社方式を軸に両社を経営統合する意向を日本政府関係者に伝えたと報じていた。

  ルメール財務相は仏紙ジュルナル・デュ・ディマンシュ(JDD)とのインタビューで、「ルノー・日産間の株式保有のリバランスや株式持ち合いの変更は検討されていない」と発言。仏政府として「堅実で安定した」ガバナンス(企業統治)を望むとの立場を繰り返した。



  ブルームバーグ・ニュースが事情に詳しい複数の関係者から得た情報によると、仏政府出身のルノーマルタン・ビアル取締役らが先週来日し、日本政府側と会合を持った20日付の日経新聞は情報源を示さずに、会合で統合計画が話し合われたと報道。ゴーン元会長の解任で空席となっている日産会長職をルノーが指名する意向も伝えたという。



  日産の広報担当者、ニコラス・マックスフィールド氏に20日に電子メールを送ったが、返答はなかった。

ルメール仏経済・財務相    ルメール経済財務相1000x-1   s5nk

写真:Christophe Morin / Bloomberg

原題:France Downplays Japanese Report on Renault-Nissan Integration(抜粋)

 

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-01-20/PLMWT36JTSE901?srnd=cojp-v2

 

 

 

ルメールの「ルノー・日産間の株式保有のリバランスや株式持ち合いの変更は検討されていない」と発言を、そのまま真実と信じてはいないとは思うが、フランスは日産の経営統合を進めるつもりだ。

 

フランスの大統領となっているマクロンは、「フロランジュ法」を使ってでも、日産をルノーの子会社にしようとしている張本人だからである。

 

フロランジュ法とは、社会党政権のオランド大統領が、2014.3.29に制定した「法律第2014-384号、二倍議決権制度 droit de vote double」と言う法律で、2012年にアルセロール・ミタルが、フロランジュにある高炉を閉鎖して、多数の従業員の首を切ったことでオランド政権が雇用維持のために作ったものである。

 

 

フロランジュ法 長期保有の株主、議決権2倍

2015/11/6 23:49
ニュースソース
日本経済新聞 電子版


 ▼フロランジュ法 フランス政府が2014に制定した法律。2つの柱からなり、1つは大企業に対して、工場など生産拠点を閉鎖する場合は事前に売却先を探すよう義務づけたこと。もう1つは、株式を2年以上持つ株主に、2倍の議決権を与えることだ。株主の3分の2が反対すれば、この「2倍ルール」の適用を免れる例外規定もつくった。仏政府はいずれも、国内の産業を守る目的があると説明する。

 鉄鋼大手アルセロール・ミタル2012年、フランス北東部フロランジュにある高炉を閉鎖すると発表した。多くの雇用が失われると懸念したオランド社会党政権は介入し、こうした事態が繰り返されないように新法をつくった。このため新法は「フロランジュ法」と呼ばれている。

 フランスには政府が大株主の企業が多く、2倍ルールは仏政府の影響力が増すことを意味する。ルノーエールフランスKLMは例外規定の適用を試みたが、仏政府は株式を買い増して阻止した。仏政府や創業家が大株主の場合は、2倍ルールが適用されている企業が多い。一方で目立った大株主がいない企業は、多くが1株1議決権を維持している。

https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM06H86_W5A101C1EA2000/

 

 

この法律の細かな解説は、この論考を参照されるとよい。

(続く)