Ghosn,Gone with the Money(74)

まあルノー・日産連合のルノー側の究極の目標は、日産の子会社化即ち経営統合なのであるが、今のところは、ゴーンに過度に権限が集中していたことによる弊害を除去するために、3社の4人による合議制にするための組織を作ったようだが、

 

と言うのは聞こえは良いが、頭隠して尻隠さずの喩の通りで、能ある鷹ルノー・スナール)は爪経営統合を隠すと言う事か。ほとぼりが冷めた頃に、ザクっと来るのではないのかな。

 

この「アランイアンスオペレーティングボード」のトップは、ルノーの会長のスナールが就(つ)くと言う。強面(こわもて)のゴーンと異なり、優男のスナールの目くらましの振る舞いに騙されてはならないのである。

 

彼は、ミシュランではゴーン張りのコストカットを実行しているから、見てくれの優男ではない。ゴーン以上に強引さを持っているようだが、それを表に表さないところがゴーン以上に危険なのだ。だから今のところは下手に出ている。

 

日産の会長職なんぞには就かない、と公言している。その代り小声で、取締役会は牛耳るよ、と言っている。日産が取締役の議長に社外取締役を当てようと画策しているのを見て、自分はその下の副議長でよいと提案までしたのである。議長が社外取締役であれば、副議長でも取締役会を牛耳ることが出来ると判断したわけだ。

 

 

 

提携強化へ新組織設立 日産など3社連合首脳が共同会見

ゴーン前会長

木村聡史、栗林史子 20193121744

 

写真・図版共同記者会見に臨む仏ルノーのジャンドミニク・スナール会長(左)と、日産自動車の西川広人社長兼CEO(最高経営責任者)=12日午後4時34分、横浜市の日産本社

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 日産自動車、仏ルノー三菱自動車の3社は12日、3社連合を統括し、提携を強化するための新組織「アライアンス オペレーティング ボード」を設立すると発表した。3社の首脳らが午後4時半から横浜市の日産本社で共同記者会見を開いて説明した。

 新組織は、ルノージャンドミニク・スナール会長ティエリー・ボロレCEO最高経営責任者)、日産の西川(さいかわ)広人社長兼CEO三菱自益子修会長兼CEOがメンバーとなり、スナール氏が議長を務める。新機関の協議は毎月、パリか東京で開催される予定だ。

 記者会見には、新組織のメンバーとなる3社の首脳4人が臨んだ。日産前会長のカルロス・ゴーン被告が昨年11月に逮捕されて以降、3社の首脳がそろって会見するのは初めて。スナール氏は新組織について「アライアンス(連合)の再スタートと言える」と強調。西川氏も「アライアンスにとって大きな新しいステップ」になると述べ、「ゴーン後」の3社連合の統治体制をアピールした。

 新組織の設立に伴い、オランダにある統括会社「ルノー・日産BV」と「日産・三菱BV」は機能を停止させる方針。ゴーン前会長が日産・三菱BVから非公開の報酬約10億円を受け取っていたことが判明するなど、二つの統括会社をめぐる不透明な資金の流れが問題視されていた。

 会見に先立ち、3社は11日、アライアンスの「新たなスタート」に向けた9項目の覚書を結び、「ルノーの会長が日産の取締役会副議長に適した候補者であると想定される」と明記した。スナール氏は会見で後任の日産会長選びに触れ、「私は日産の会長になろうと思っていない。副議長には適していると思う」と述べた。

 スナール氏は4月8日に予定される日産の臨時株主総会で日産の取締役に選任される見通し。「日産の新しいガバナンス(企業統治)を尊重する。数週間後に日産の取締役になることを光栄に思う」とも語った。(木村聡史、栗林史子)

https://www.asahi.com/articles/ASM3D4QRJM3DULFA016.html?iref=comtop_8_01

 

 

まあそんなわけで、まんまとアライアンスボードのトップである議長の座を、ルノー・スナールは手に入れている。まあ資本関係からしてもこうなるのは自明の理だと思われるが、ルノーはいざ知らず、あくまでもスナールは下手に出ている。

 

一応百年に一度の大変革の時代なので、ルノーとしても日産との経営統合問題で悶着を起こしている暇はない、と漸く踏ん切りをつけたようだ。大変革の具体的な課題としては、CASEだ。

 

CASEとは、Connectedインターネットにつながる、Autonomous自動運転、Shared&Servicesカーシェア・ライドシェア・配車サービス、Electric電動化、と言う自動車を取り巻く大変革が迫っているから、悶着なんぞを起こしている暇はないと、我に返ったわけだ。

 

この話は2019.2.18NO.54で言及しているのでご承知のことと思うが、ルノーもいよいよその大変革を身近に感じ始めた様である。と言うよりも身近に感じているからこそ、こんななこと(経営統合問題)で時間を潰すことは、今は、できないと決断して方針転換したようだ。何としてもルノーの技術力では太刀打ちが出来ないのだ、日産の技術にも頼らざるを得ないからだ。その点日産は尚更しっかりした経営をしてゆかないと、ルノーと大変革の波に潰されてしまうよ。

(続く)