2020年東京五輪のマラソンと競歩の会場が、2019.11.01に、札幌に変えられてしまったことも、この地球温暖化のせいである。まあ北海道と札幌市はてんやわんやの状態なのであろう。必ずしもマラソンなどに適した環境ではなさそうなので、札幌も大変ではないのかな。お察しいたします。
と言う事はさておき、このために常にCO2を排出しているクルマは、誠に肩身が狭いのである。そのため各国は、CO2を排出しない電気自動車・EVとEVと親和性のある自動運転の開発にシャカリキとなっている。
先ずは東京モーターショー・TMSの概略を俯瞰してみよう。外車はベンツとルノーのみなので、国産車中心となっていることには、致し方ないことである。
東京モーターショー2019 「ハコ型」車に感じた新しい未来
ピーター ライオン , OFFICIAL COLUMNIST 国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」
ビジネス 2019/10/24 19:30 OC記事鈴木 奈央
東京モーターショー2019で発表されたトヨタ「e-RACER」
東京モーターショーが大変身しようとしている。10年ほど前までは、ほとんどのカーメーカーは、スポーツカー、環境に優しいコンセプト、または海外メディアが興奮する折り紙やアニメにインスパイアされたぶっ飛んだ小型コンセプトカーを展示していた。
しかし、今や多くのメーカーは自動運転、電気自動車、人工知能を取り入れたクルマ、いやモビリティと言った方が正しく、それらを実際に体験できるアトラクション形式で表現するようになった。
プレスデイ初日に、トヨタの豊田章男社長が語った言葉は、まさに今回のショーの象徴的な意味を持っている。
「今回トヨタのブースには、来年販売するクルマは1台もありません。社会と街と繋がり、人に移動やサービスを提供するモビリティばかりです。こんな未来、ワクワクしませんか?」
こう言って、このモーターショーの新定義をしたような気がした。とはいうのも、ほとんどどのメーカーのブースに行くと、電気自動車(EV)、自動運転などの展示はされていた。
やはり、こんな大胆なコメントは豊田社長ならではの発言かと感じたのは僕だけではなく、英国の同僚も同様だった。実は英国の有力誌「カー」では先月、豊田社長に「全世界の自動車業界で最も影響力のある人物」賞を進呈している。
トヨタのブースは、その言葉通りの空間だった。社会と人をつなげる自動運転のEVの箱型コンセプトカーが数台あって、近未来の社会はこうなるのかと予測しているように見えた。でも、その箱型EVバスの隣に、ドライバーが実際に運転を楽しめるよう「e-RACER」のコンセプトを置いていたのが嬉しかった。トヨタはドライバーを忘れていないということだ。まるで映画「バットマン」の中から出てきたかのようなエッジーなスタイリングには近未来の匂いがあった。
別の会場に展示したトヨタの新型燃料電池車「ミライ」と新型ヤリス(元「ヴィッツ」)だけは販売計画がある。ロングノーズの普通っぽい高級車のように格好良く生まれ変わり、後輪駆動に変身したミライは来年の後半に登場するそうだし、世界の戦略車ヤリスは年内に発売される。
2011年に世界初の市販EV「リーフ」と発表した日産のブースは、「アリア」というスタイリッシュなSUVっぽいEVと、軽自動車サイズのEV「IMk」を披露。どちらも日産が得意とする準自動運転技術「プロパイロット」の次期バージョンを搭載していた。つまり、手放しの運転ができるということで、業界を驚かせている。
ホンダは、フランクフルトで発表した小型EV「ホンダe」の市販バージョンを発表したと同時に、世界初公開の新型フィットも展示した。ホンダのF1参戦60周年記念の展示も見応えがあった。
マツダもついに電気自動車に挑戦することを見せた。MX-30という新しいデザインランゲージを取り入れたSUVは近い将来販売するそうだ。
スバルは、よりアグレッシブな外観で登場した新型レヴォーグを発表し、それと同時に、WRXSTIのファイナル・エディションも披露。でも、これはスバルが30年前から同じエンジンを使ってきて、このEJ20型をリタイアさせる意味を持っている車種であり、WRXSTI自体はまだまだ続く。
三菱は、お得意のPHEVの技術を使って、小型ガスタービンのエンジンと組み合わせたMI-TECHのSUVコンセプトを披露した。ガスタービンを使うことによって、車のサイズをかなり軽量化・縮小できるということで、この新しい試みをしたそうだ。
ダイハツは、日本の折り紙とアニメ文化にインスパイアされた3台の小型コンセプトカーを展示。英国人の同僚が「この手の可愛い日本らしいクルマがなければ、東京モーターショーは寂しい」と言うのには全く同感する。
「ダイハツの『IcoIco』(行こう行こう)のパブリック・トランスポーターには「二ポテ」と言う小型ロボットがついており、そのロボットに「買い物に行きたい」とか「駅まで行きたい」とか言えば、同氏は車にその意思を伝えて連れて行ってくれる。孫という意味の二ポテを名付けて、孫の手を借りるという発想か?
僕にとっての今年のハイライトは、パナソニックが2030年を想定し、自動運転時代の車内空間をイメージしたデモカー「スペース・エル」だった。多くのカーメーカーは自動運転・電動化・AIをフィーチャーしたコンセプトを出したけど、そのほとんどが、ただ車輪のついた大きな箱だった。
でも、「スペース・エル」は究極の自動運転車ということで、ハンドルもなければ運転席もない。その代わりに、シックな家具のある茶の間で、座っていながらにして、窓や天井に搭載した巨大なディスプレーに映る音楽のコンサート、水族館、花火大会などを楽しめる。4K画像と22個のスピーカーから流れる極めて本物っぽい音響に驚いた。
ディスプレイの奥に現れたジンベイザメが自分に向かって泳いで来て、そのまま真上を通った時のスリルは忘れらない。その次に映ったベルリン交響楽団のコンサートはまるで会場にいるような感覚で、不思議なほどリラックスできた。冷房・暖房、またアロマセラピーのような香りも席から直接出るという快適さだ。これが近未来の自動運転車だとしたら、納得できる。
僕は正直に言って、自動運転にはそれほど関心がないけど、近未来にスペース・エルのような究極の移動手段があると、自分が運転するのとはまた違う行為として、かなり期待できると感じた。
今回の東京モーターショーをどう思うかとイタリア人の同僚に聞いてみたところ、「そうね、セクシーさをどこにも感じないね」と答えた。それは僕も否定できない。
でも、確かにセクシーさはないかもしれないけど、業界が急ピッチで開発を進めるEVや自動運転のクルマが支流になっているような気がする。今の東京モーターショーがiPhone 11だとしたら、次回はiPhone 13に進化していると思うと、どの程度の技術の進歩かを想像するだけで気絶しそうだ。
国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>
(https://forbesjapan.com/author/detail/520)
https://forbesjapan.com/articles/detail/30377/2/1/1
今回の東京モーターショー2019で紹介されているEVやPHEV、FCVなどを次の列挙してみよう。
ネット上での記事からそれら(しきもの)を抜き出しているので、間違ったものもあるかもしれないので、その節はジャンジャン訂正追加願いたい。
(続く)