世界自動車大戦争(22)

高齢者用の移動手段として、このような超小型EVが注目され始めている。例の「池袋高齢者暴走事故」などによって、更に一層話題に上がりつつあるが、このように衝突試験に合格しなければならないとなると、一寸ハードルは高くなる。それなりの価格となってしまうのではないのかな。

 

都市周辺での「チョイ乗り需要」などには好都合な乗り物とみなされているが、トヨタi-ROADの国内外での実証実験が行われていても、いまだに有効なモビリティとしては活躍していないと言う事は、何らかの不便があるのではないのかな。

 

都市部での高齢者(とは限らないが)など買い物用や中山間地域での高齢者用モビリティ、更には観光地などでの「チョイ乗り」モビリティ、そのためのシェアリングエコノミーの確立などなど、超小型モビリティとしてはいろいろと叫ばれているが、いまだに実用化には至っていないようだ。

 

トヨタは先にも紹介しておいたが、2014年前後にはi-ROADでモノター調査を行っている。東京都心ではi-ROADを使ったカーシェアリングサービスの実証実験も行っているし、フランスのグレノーブル市が201410月から3年計画で実施した大規模なカーシェアリングの実証実験にも参加しているが、その後なぜかこの手のモビリティについては、鳴かず飛ばずのようである。

(「次世代エコカー・本命は?(73~」(2015.03.11~)を参照のこと。 )

 

経産省補助金の支給なども検討されている様だが、抜本的な使い勝手の改革がないと、なかなか流行らないかも知れない。何と言っても、日本には「軽自動車」と言う理想的な(?)なモビリティが存在しているから、産官学揃って、どのようなモビリティが理想かと言った抜本的な検討が必要となろう。

 

 

超小型EV購入に補助金、それでも普及は難しいワケ

「多様なモビリティ」が求められるも軽自動車にはかなわない?

2019.11.13(水) 桃田 健史


トヨタ東京モーターショー2019で公開した2人乗りの小型EV2020年末に発売する(筆者撮影、以下同)

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(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

 119日、一部メディアで「超小型EV(電気自動車)について、経済産業省が購入時の補助金支給を検討」という報道があった。これを受けて、ネット上では「超小型電気自動車が来年(2020年)あたりから、一気に普及するのではないか?」という論調の記事が出回り始めている。

 超小型EVとは、軽自動車と自動二輪車の中間の車両規格として、国土交通省10年ほど前から検討してきた超小型モビリティを指している。

 今回報道されているように、話の出元が国土交通省ではなく経済産業省となっているのにはわけがある。経済産業省は今年(2019年)8月、「多様なモビリティ普及推進会議として、超小型モビリティ、電動くるまいす、電動アシスト自転車など、小型の電動移動体に関して産学官による協議を始めた。ここでの話し合いが、今回報道があった購入補助金支給に直接結びついていると考えるのが妥当だ。 そうした取材や議論を振り返ると、結局これまでのところ、国と民間では超小型モビリティに対する考え方、思惑が噛み合わなかった印象がある。

 国としては、超小型モビリティの活躍の場を、観光地での回遊、都市周辺での“買い物難民対策”、そして中山間地域での高齢者向けなどに設定して、成功事例を見出そうと実証試験を行ってきた。だが結果は、持続可能なビジネスという視点からは“はっきりとした成功”と呼べる事例はなかったと言わざるを得ない。

 一方、民間企業は、車両規定の規制緩和によってできるだけ安い価格で超小型モビリティを世に送り出し、並行してシェアリングエコノミーを活用するなど、新たなサービスモデルを構築しようと試みた。だが、そもそも国が描いた青写真における需要だけでは、民間企業がビジネスを成り立たせることが難しい。そのため多くの民間企業が超小型モビリティから撤退を余儀なくされた。




(続く)