世界自動車大戦争(38)

クロスオーバーEVを初披露

 新PFを採用するEV1つが、クロスオーバー車である。日産は、2022年までにクロスオーバーEVを発売する計画を公表済み。20191023日に報道関係者向けに公開が始まった「東京モーターショー2019」では、クロスオーバーEVコンセプト車「アリア」を初披露した(12)。アリアの車両寸法は全長4600×全幅1920×全高1630mmである。

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1 日産のコンセプトEVニッサンアリアコンセプト」東京モーターショー2019で初公開した。(撮影:日経Automotive[画像のクリックで拡大表示

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2 アリアはクロスオーバータイプのEV(撮影:日経Automotive[画像のクリックで拡大表示]

 アリアの特徴は、前後輪にモーターを1個ずつ搭載している点である(3)。量産EVの「リーフ」は前輪側に1個のモーターを備える。モーターを2個に増やして4輪駆動(4WDにすることで、「これまでにない走りを実現する」(日産副社長の中畔邦雄氏)と意気込む。

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3 アリアに適用する新EV専用プラットフォーム日産副社長の中畔邦雄氏が説明した。(撮影:日経Automotive
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 リチウムイオン電池は床下に敷き詰める。日産はこれまで電池パックの冷却方式として、自然空冷を採用してきた。アリアを含む新PF採用車は、水冷方式に切り替える可能性が高い。「電池の性能を安定化させたり劣化を抑制したりするためには、強制的に冷却する方が良い」(前出のEV開発担当者)と判断した。

(略)

https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/event/18/00088/102300003/?n_cid=nbpnxt_mled_fnxt

 

 

 

カルロス・ゴーンのワンマン経営のお陰で、今の日産はあまり羽振りがよくない。国内も北米も新車販売が振るわずに苦戦しているが、この2Motorの電気自動車は、その日産の苦境を打破するための「次世代車」の位置づけのようだ。

 

 

 

日産株一時4.5%安、3カ月ぶり下落率-営業益下方修正し配当も減額

Masatsugu Horie

201911139:33 JST

 

 

Photographer: Takaaki Iwabu/Bloomberg Nissan800x-1 s5nk

日産自動車の株価は13日、一時前日比4.5%安の682.7円と8月5日以来の日中下落率となった。前日に今期(2020年3月期)の業績見通しの下方修正したほか、中間配当の大幅減額や年間配当予想を撤回したことなどが嫌気された。

 

 

会見するマー常務(12日、横浜市の日産本社) 日産Nissan800x-1

Photographer: Takaaki Iwabu/Bloomberg

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の杉本浩一シニアアナリストは12日付のリポートで、中間期の減配や配当計画の取り下げは「当面ネガティブ視される可能性が高い」と指摘。

  SBI証券の遠藤功治シニアアナリストは12日の取材に7ー9月期の自動車部門は赤字であるものの赤字額は縮小しており、下期(10-3月期)の営業利益はわずかながら前期より増益予想で、「大底は打ったとの印象」はあると述べた。

  マッコーリー証券のジャネット・ルイスアナリストらは英文リポートで次期最高経営責任者(CEO)昇格が決まっている内田誠常務執行役員若い世代の経営陣が経営立て直しにつながる事業改革を実行することに期待しているとしながら、それには数年という時間が必要だろうとの見方を示した。

  日産は12日、今期(2020年3月期)の営業利益見通しを従来の2300億円から1500億円に下方修正。売上高と純利益の見通しも引き下げた。中間配当を昨年より18.5円引き下げ1株あたり10円とし、従来40円としていた年間配当予想を取り下げて未定とした。業績予想修正の要因として為替レートの円高傾向や今後の自動車需要の低迷傾向が継続すると想定されることなどを挙げていた。

 

 

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-13/Q0VR5IT1UM1201

(続く)