日本のご皇室と英国王室(12)

セレブ御用達のプライベートホスピタルでの出産

「まるで魔法のようで本当に素晴らしいです。世界で最高の男性2人に囲まれて、とても幸せです」

 満面の笑みでそう語ったメーガン妃を見ながら、私はなんとなく冷めた気持ちになっていた。

 その9日後。秘密とされていたメーガン妃の出産場所が、アーチーくんの出生証明書から明らかになった。出産場所はロンドン中心部のポートランド病院だった。ヴィクトリア・ベッカムが出産した病院でもあり、出産費用は最低でも15000ポンド(約225万円)というセレブ御用達のプライベート・ホスピタルだ。

 出産場所を隠したのは「セレブ出産だ」と批判されるのを避けるためだったのだろう。私はもはや驚かなかった。

 2人のこうした振る舞いは、一般国民もよく思っていないようだ。





 20198月に発表されたYouGov社の世論調査によると、イギリス王室でもっとも人気があるのはエリザベス女王72%だった。ヘンリー王子が71%、ウィリアム王子が69%で続く。ヘンリー王子は依然上位3人に入っているものの、前年の調査では77%だったので6ポイント下落した。

 一方のメーガン妃は49%だった。前年は55%だったので、やはり6ポイント減だ。

 もちろん1年で6ポイント上下するのは誤差の範囲といえるかもしれない。しかしとくにメーガン妃の支持率は不人気とされるチャールズ皇太子48%)と同水準であり、メディアで大きく取り上げられている割には、イギリス国民がシビアな見方をしていることがよくわかる。



女王の「決断」

 ロイヤルファミリーは毎年クリスマスになるとエリザベス女王の私邸であるサンドリンガム・ハウスに集まり、一緒に休暇を過ごすのが慣習となっている。イブにプレゼントを交換しあい、クリスマス当日には揃って近くの教会を訪れる。そして午後にはテレビで放送される女王のクリスマス・メッセージを視聴するのだ。

 

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 2017年のクリスマス礼拝は、まだ結婚前にもかかわらずメーガン妃が参加したことから注目された。2018年のクリスマス礼拝も、不仲説がささやかれていたキャサリン妃とメーガン妃が揃って登場したことから大きなニュースとなった。王室ウォッチャーにとってまさに必見のイベントである。

 しかし2019年のクリスマス礼拝ヘンリー王子とメーガン妃の姿はなかった2人はカナダで6週間の休暇をとっていたのだ。

 イギリスではクリスマスに家族と過ごすことは非常に重要な意味を持つ。恋人たちのイベントというよりは家族のイベントという感覚が強く、日本でいうと正月のイメージに近い。その大切な日にわざわざ「休暇」で海外に行くというのは、女王を軽視しているようにしか思えない。私はなんとなく嫌な予感がした。

高まっていた王室とヘンリー王子夫妻の間の緊張感

 さらにその日の午後に女王のクリスマス・メッセージが放送されると、机の上にチャールズ皇太子夫妻とウィリアム王子一家の写真が飾られる一方で、ヘンリー王子とメーガン妃の写真は置かれていなかった2人とエリザベス女王との距離感はもはや明らかだった。翌年の18、突然発表されたように見えるヘンリー王子とメーガン妃の「主要な王族からの引退宣言」だが、実際にはそれ以前から緊張感は確実に高まっていたのだ。

 今回の発表を受け、イギリス市民の反応は割れていた。

 バッキンガム宮殿の前でBBCのインタビューに答えた白人男性は辛らつだった。

ヘンリー王子はメーガン・マークルに完全に支配されている。だから彼は彼女に言われたことをやっているだけだよ。公務を行う用意ができていないなら、2人の王族資格を剥奪すべきだ



ヘンリー王子夫妻の決断に理解を示す声も

 しかし2人の決断に理解を示す声も多く聞かれた。黒人の女性2人組はこう語る。

「メーガン妃のせいだ、彼女に責任があるという声をよく聞くけど、ヘンリー王子のことを過小評価しています。王子はもう大人だし、これは彼がずっと望んできたことだと思います。みんな2人に構わないで少し時間を与えるべきじゃないかしら」

 またインド・パキスタン系の男性も2人の決断を支持していた。



「メーガン妃にとってかなり抑圧的な状況だったので、こうした行動をとる理由は理解できます。2人のことを知っているわけではないけど、2人の発言に偽りはないように思う。もしかしたら王室の厳格さが時代遅れだということを示しているのかもしれない」

 しかしその10日後、エリザベス女王の下した決断は厳しいものだった。

 王室の発表によると、ヘンリー王子とメーガン妃は2020年の春以降に「殿下」「妃殿下」の称号を返上したうえで、一切の王室の公務から退くことになった。これにはヘンリー王子がこだわっていた軍関連の公務も含まれる。夫妻はエリザベス女王の正式な代理を務めることができなくなり、公務と引き換えに受けていた公的資金も受け取れなくなった。ただし女王の配慮により、個人的に支援する慈善団体などとの関係だけは今後も認められた。

 また2人は今後もウィンザーのフロッグモア・コテージをイギリスの家として維持し続けるものの、王室助成金から支出された改修費240万ポンド(約36000万円)は返済する意向を示したという。マスコミからの高額だという批判に配慮した形だ。





 北米とイギリスを行き来し、経済的に独立しながら公務を続けたいとしていた2だが、女王がこれを真っ向から否定した形となった。BBCの王室担当記者が「これ以上きっぱりとした区切りの付け方は考えにくい」と述べたほどだった。

 女王はこの厳しい決断に至った理由を自ら語っていない。

王室の将来を考えての決断

 しかし主要な王族から退いたあとの2人については様々な憶測が流れていた。「経済的に独立」するため、例えばメーガン妃が女優に復帰することや、ネットフリックスと独占契約して映画を製作すること、あるいは自分たちの爵位を使った「サセックス・ロイヤル」ブランドを商標登録し、衣類や書籍、教育関連サービスなどのビジネスに乗り出すなどの可能性が指摘されていた。

 その後、ヘンリー王子夫妻は「ロイヤル」の称号を使わないことを明らかにし、「サセックス・ロイヤル」の商標登録申請も取り下げた。ロイヤルファミリーとしての地位を利用したこうした展開への批判に配慮したものだろう。

 蟻の一穴という言葉があるように、どんな強固な組織であったとしても、小さな穴が原因で全体が崩壊するものだ。セレブ気取り、浪費ぶりが目についていたメーガン妃の振る舞いは、エリザベス女王が長年苦心して築き上げたイギリス王室にとって「蟻の一穴」となる可能性は大いにあった。女王は王室の将来を考え、2人を切り離すと決めたのではないだろうか。



https://bunshun.jp/articles/-/43570?page=5



 

 

何はともあれ、王室の人間に対する薫陶や教育と言うものは、誠に大切な事であるが、それほどうまくいってはいないようだ。特に次男坊王子や王女に対するものは、蔑(ないがし)ろにされがちであるが、長男王子ほど国を継ぐという自覚が乏しくふしだらになりやすいのではないのかな。だから尚更、次男坊への王族としての在り方や責任の自覚を身につける教育が必要となろう。

 

ヘンリー王子の場合は、父親が特にふしだらであったから尚更である。今回のヘンリー王子とメーガン妃の王室離脱は、その主原因がチャールズ皇太子に起因していることは、紛れもないことと推測されるのである。チャールズ皇太子の不倫が、ダイアナ妃の精神を蝕んだものであり、離婚の主原因となったのではないのかな。

 

このトラウマが、ヘンリー王子にも精神的に大いに影響を与えたものと思われる。

 

そのトラウマが、ヘンリーをして「レイチェル・メーガン・マークル」に走らせたものと思われる。

 

それがなければ、ヘンリーはメーガンとは会ってはいなかった筈だ、と小生には推測されるのである。まことにお気の毒だった、と言わざるを得ない。

 

ただヘンリー王子は、王室離脱と言う解決策に果敢にも取り組んだ、と言うよりも取り組まざるを得なかったのであり、本人としてはそれなりに勇敢に取り組んだものであろう。

 

その態度には非難さるべき筋合いは少しもないが、誠に残念なことと感ずるものではある。

 

その点、日本の秋篠宮眞子さまには、結婚を貫くために皇室を自ら離脱する勇気は持ち合わせているものであろうか。

 

小生は持ち合わせてはいない、と感じているものである。結局は廃嫡(廃妃)しかないのではないのかな。即ち、小室圭氏と結婚すのであれば、秋篠宮家から離脱して親子の縁を切り、ご皇室とは一切関係のない市井の人間となることである。当然お金の支給はない。だが、彼女にはそれほどの勇気はないものと推測される。

 

はたまた、結婚を認めたとされる秋篠宮さまに、眞子さまを廃嫡する勇気と正義を持ち合わせているものであろうか。

 

 

 

「精神が崩壊寸前だった」ヘンリー王子が王室離脱の理由を告白

202132111  コスモポリタン

 

 

 

昨年からLAで暮らしているヘンリー王子が、友人のジェームズ・コーデンが司会を務めるトーク番組『レイト×2ショー with ジェームズ・コーデン』に出演、インタビューに応じ、多岐にわたる質問に答えました。

LAに落ち着いてからまだ月日が浅いヘンリー王子にとって、市内にはまだ見たことがないものがたくさん。そこでジェームズは王子のために、オープントップバスでの市内ツアーと、イギリス風のティータイム(紅茶とクランペット)を用意。母国では許されなかったかたちでの観光を楽しんでもらったとのこと。

同時にジェームズは王子に、王室からの離脱や家族との関係、長男アーチーの最近の様子まで、様々なことについて尋ねました。そのなかで王子は、公務からの引退についてこう語っています。



「イギリスのマスコミがどんなものか、僕たちにはわかっていたんだ。それが僕のメンタルヘルスを崩壊に向かわせていた
「有害だと思っていた」
「だから、夫なら、そして父親なら誰でも取るであろう行動を取ったんだ。それが、自分の家族をここから離さなくてはならない、ということだった」


王子とメーガン妃は当初、「パートタイムで公務を行う」という“ハイブリッド”な働き方を希望していたそう。それが祖母のエリザベス女王に認められなかったことについては、次のように話した。



「僕らは一度も、(公務に)背を向けたことはないよ。どのような決断が下されようと、僕は今後も、責務から逃れることはない。常に(人々への)貢献を続けるよ」
「奉仕することが僕の人生。だから、世界のどこにいようと同じこと」



王子はさらに、「思いやりの気持ちを届け、人々を喜ばせ、どんな小さな形でも、できる限りの方法で世界を変えようとしている」と付け加えました。

2月中に撮影されたこのインタビューの放送は、王子にとってアメリカに移住して以来のTV主演。当然のことながらジェームズは、その他の話題についても質問しました。それはたとえば、王子は英国王室を描いたNetflixの大ヒットドラマ『ザ・クラウン』を観ているのか、など。

すると王子はドラマを観ていると明かし、こうコメント。



「ニュースだと思わせようとしていない。フィクションだからね。でも、大まかには事実には基づいている。もちろん、厳密には正確ではないけれど」
「ただ、(ロイヤルたちの)生活、家族や他の何より責務と奉仕を優先すべきというプレッシャーと、それが何をもたらすかについて、大体の見当はつくと思う」



さらに王子は、「家族や妻、自分自身について書かれている記事より、『ザ・クラウン』の方がずっと安心して見ていられるよ」とも語り、フィクションではなく「事実」として報道されるニュースには、本当に問題があると考えているらしき姿勢を見せました。

番組中の王子の出演シーンは、以下で視聴が可能。

王子はまた、息子を誇りに思う父親として、長男の最近の様子についても明らかにし、アーチーには「笑いが止まらない」とのこと。



「最も驚くべき個性の持ち主だよ。もう3つ、4つの言葉をつなげて話すようになったんだ。歌もうたっているよ」



さらに、王子によれば、アーチーが初めてしゃべった言葉は「クロコダイル(ワニ)」だそう。

王子はそのほか、祖父母のエリザベス女王&フィリップ殿下とZoomミーティングで話をした後、殿下がノートパソコンを閉じればビデオ通話を終了にできると思ったらしいことや、女王夫妻がひ孫のアーチーに贈ってくれたクリスマスプレゼントについても明らかに。

王子はアーチーが女王からクリスマスにもらったワッフルメーカーで、よく朝食用に、ベリーを添えシロップをかけた「素晴らしい、オーガニックの」ワッフルを、メーガン妃と一緒に作っているとのこと。

家族で幸せに暮らす様子がうかがえたことに、ほっとしているファンも多いかもしれません。

この翻訳は抄訳です。

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外部サイト

「ヘンリー王子」をもっと詳しく

 

 

https://news.livedoor.com/article/detail/19779717/

(続く)

日本のご皇室と英国王室(11)

それは、第一子のアーチ―君の誕生についての、ヘンリー夫妻は、どこで出産するか一切の情報を出さなかったことである。ロイヤルベビーは全てロンドンのセント・メアリー病院であったが、敢てイギリス王室の慣例を破った訳である。

 

しかも発表された内容にも、虚偽が含まれていたのであった。これでは王室や一般社会との関係が悪くなって当たり前であろう。

 

 

《第二子懐妊》アーチーくん出産直後…ヘンリー王子夫妻がメディアに伝えた「あるまじきウソ」

『ヘンリー王子とメーガン妃 英国王室 家族の真実』より #2

亀甲 博行

2021/02/20 source : 文春新書



 2021214日。バレンタインデー当日にメーガン妃の第二子懐妊が発表され、イギリス王室からも喜びの声が上がった。しかし、メーガン妃の“出産”については、王室離脱のきっかけの一つにもなったとされる諸問題がある。それは、第一子アーチーくん妊娠・出産時の“王室”らしからぬ行動の数々だ。

 ここでは亀甲博行氏の著書『ヘンリー王子とメーガン妃 英国王室 家族の真実』(文春新書)を引用し、第一子のアーチーくん出産当時、ヘンリー王子夫妻がとったさまざまな問題行動を紹介する。(全2回の2回目/前編を読む)



◇◇◇



出産をめぐってマスコミと不協和音

 20195月、私の帰任直前にヘンリー王子とメーガン妃の1子アーチーくんが誕生した。あのロイヤルウェディングから1年、メーガン妃の出産は多くの関心を集め、その人気ぶりを改めて印象付けた。

 しかし、ここでも従来のイギリス王室の慣習を破った。“メーガン流”を貫いた出産スタイルは、すでにこじれていたイギリスメディアとの関係をさらに悪化させることになった。

 近年、ロイヤルベビーが生まれる場所といえば、ロンドンのセント・メアリー病院だ。出産直後のキャサリン妃が赤ん坊を抱いて笑顔を見せている映像を記憶している人も多いのではないだろうか。あの場所である。キャサリン妃はジョージ王子、シャーロット王女、ルイ王子の3人をここで産んだ。ダイアナ元妃がウィリアム王子とヘンリー王子を産んだのもやはりセント・メアリー病院だった。

 

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この記事の画像(5枚)

 出産予定日の数週間前になると、病院前の道路では交通規制が始まり、やがて熱心な王室ファンが泊り込みを始める。病院周辺の様子をチェックしていれば、出産が近づいていることは一目瞭然だった。

 しかし今回は予定日が近づいても病院前に変化は起きなかった。どこで出産するのか、王室が一切情報を出さなかったのだ。

 40年来の王室ファンだというマーガレット・テイラーさんに取材してみたが、彼女にも情報が入っていなかった。

「何も情報がないんです。キャサリン妃3人の子供のお披露目を見てきたので、今回見られないのは残念です」

 本来なら出産予定日まであと10日ほどになれば、彼女たちは病院の前で場所取りを始める。しかし今回は情報がなく、どこに行けばいいのかわからないのだという。

キャサリン妃の努力を全否定するような行動

 実はヘンリー王子とメーガン妃は「出産をプライベートなものにしたい」と話していた。そのためイギリスメディアの間では、メーガン妃が病院ではなくウィンザー城の自宅で出産するのでは、という見方が広まりつつあった。この頃には新居であるフロッグモア・コテージをセレブ仕様にする改装も終わり、2人はウィンザーに移っていた。

 しかしメーガン妃がどこで出産するのかは最後まで公表されず、私たちもわからないままだった。

 さらにロイヤルベビーといえばおなじみの、退院する際に赤ん坊をお披露目するシーン設定されないことがわかった。

 ロイヤルベビーはただの赤ん坊ではない。将来のイギリス王室を支える一員、である。もちろん2人の子供は兄ウィリアム王子の子供と違って国王になる可能性は低いが、それにしても生まれた赤ん坊を少しでも早く見たいというのは国民の願いでもある。これに応じることはある意味、王室としての務めだろう。

 なぜメーガン妃が出産直後のお披露目を拒否したのかについて、王室から公式な説明はなかった。

 しかしイギリスメディアは関係者の話としてその理由を伝えた。フェミニストであるメーガン妃にとって、出産直後に髪をセットし病院の前でお披露目する行為は、女性に過度に負担を強いるものであり、信条に反するのだという。



 キャサリン妃は出産当日の朝に入院し、その日の夕方にはヒールを履き、フルメイクでカメラの前に赤ん坊と現れ、笑顔を見せていた。私の娘の出産時の妻のくたびれ具合からすると、信じられないほどの超人ぶりだと感じたのは事実だ。

 ただキャサリン妃ももちろん楽にこなしているわけではなく、あの笑顔のウラには相当な努力があったに違いない。王室の一員としての使命感だろう。まるでダイアナ元妃やキャサリン妃のこうした努力を全否定するようなメーガン妃の行動は、私にはどうしても理解できなかった。

誕生の報告はインスタグラムから

 そして出産当日。



 通常、ロイヤルベビーが誕生する際には「陣痛が始まり病院に入った」というタイミングと「誕生した」の2回、王室から発表が行われる。陣痛が始まったという情報を受けて各テレビ局が病院前での中継を始め、お祭り騒ぎとなる。

 今回陣痛の発表があったのは午後2時半ごろだった。そしてそのわずか30分後にヘンリー王子とメーガン妃の公式インスタグラムで、続いて王室から出産が発表された。

 

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 3260グラムの男子の誕生を受け、ヘンリー王子がウィンザーでイギリスメディアのインタビューに応じた。

「メーガンと私は元気な男の子を授かりました。かわいくて仕方ないです。これまで想像したことがないほどすばらしい経験でした」

 父親になった喜びを隠しきれない様子のヘンリー王子に、私は何ともほほえましい気持ちになった。この日はカメラの前に登場したのはヘンリー王子だけで、事前の情報通りメーガン妃と男の子のお披露目はなかった。

「ウソ」の発表

 一方で、意外な事実が明らかになった。

 普通、陣痛の発表から出産までは数時間かかる。キャサリン妃がルイ王子を出産した時も、陣痛の発表から出産までは3時間ほどあった。それが今回は30分である。それにしても早かったなと思っていたら、なんと陣痛の発表の9時間前には男の子がすでに誕生していたことがわかったつまり2人は「ウソ」を発表していたのである。

 イギリス王室とメディアの間には、ダイアナ元妃の事故死という悲劇があったためか、しっかりとした取材ルールが確立されている。王室が情報を公開する代わりに、メディアの側もロイヤルファミリーを追跡したり、我先にマイクを突き付けたりということをしない。お互いを尊重しあう非常にいい関係だと感じていたが、この「メディアにウソを伝える」というメーガン妃の行動は明らかに信頼関係を損ねるものだ

 また出産についての発表文には「現在夫妻たちはフロッグモア・コテージにいる」と書かれていた。一瞬自宅で生んだのかと思うが、よく読むとどこで出産したのか明言を避けていることがわかる。ロイヤルベビーが誕生するとバッキンガム宮殿の前に医師のサイン入りの証明書が掲示されるが、この証明書の医師の欄もわざわざ空欄にするという徹底ぶりだった。なぜ出産後も出産場所を隠さなければいけないのか、私にはまったく理解できなかった。





 出産の2日後、ようやく生まれた男の子のお披露目が行われた。場所はウィンザー城内の豪華絢爛な広間。撮影を許されたのはイギリスメディアの代表カメラだけで、私たちは現場に入ることもできなかった。

 これまでのお披露目では、母親が赤ん坊を抱いていた。キャサリン妃もダイアナ元妃もそうだ。しかし今回男の子を抱いていたのは母親のメーガン妃ではなく父親のヘンリー王子だった。王室の慣例を破ったのは、フェミニストとしてのメーガン妃のメッセージなのだろう。一瞬だけ男の子の顔が見えたが、帽子をかぶってすやすやと眠っていた。

「形式張った王族に育てたくない」という考え

 男の子は、アーチー・ハリソン・マウントバッテン=ウィンザーと名付けられた。マウントバッテン=ウィンザーというのは現在のイギリス王室にとっての名字である。



 一方のアーチーとハリソンというのは、イギリス王室にとってなじみのない名前だった。イギリス人スタッフは「ハリソンといえばハリソン・フォードだよね。なんかアメリカ人っぽいよねえ」とか、「ハリーの息子(ソン)だからハリソンにしたんじゃないか」などと冗談を言っていたが、BBCによるとやはりイギリス王室には珍しい名前であり、「形式張った王族に育てたくはないという意向を強く示すもの」だという。

 また「王子」という称号も与えられなかった。そのため、いとこであるルイ王子とは異なり、アーチーくん、と呼ばれることになる。



「形式張った王族に育てたくない」「王子の称号はいらない」という考えは、いかにも2人らしく素晴らしいと思う。しかしそれなら、なぜわざわざお披露目をイギリス王室が所有する建物の中でもっとも王室らしいウィンザー城の広間で、しかも一部のメディアだけに対して行なったのだろうか。病院前で大勢のメディアや一般市民にお披露目し、祝福の言葉を受けたダイアナ元妃やキャサリン妃の方が、よっぽど「庶民に近い王室」というメッセージが伝わってくる。


(続く)

日本のご皇室と英国王室(10)

「経緯」に対する批判への疑問

 

メディアの批判や国民の不満は、きちんとした手順を踏まずに、いきなりヘンリー王子夫妻がインスタで引退を発表してしまった点に集中した。

 

「あんなやり方では、王族が怒るのは無理もない」と。だからこそ、エリザベス女王をはじめ、王室は怒って厳しい判断を通告したのではないか、と。

 

しかし、報道によれば、あれほど急いでヘンリー夫妻がインスタで発表したのは、大衆タブロイド紙The Sun』にかぎつけられたからだという。それまで王族の中で極秘で話し合っていたのが、どこからか漏れてしまったのだ。実際、『The Sun』の記事発表のほうが、インスタ発表よりも時間差で早かったという。

 

このように「経緯」をやたら取り上げて怒るときは、本質から目をそらしている時だと、筆者は思う。

 

どのような経緯であれ、最後のとき、エリザベス女王を頂点とする王族は、ヘンリー王子に迫ったはずである。「そのような希望は受け入れられない。自由を望むなら、今後一切、王族としての活動は許されない。称号も使ってはいけない。それでもいいのか」と。

 

ここで大事なのは、最後の「それでもいいのか」である。相手に了承と確認を迫る行為である。事実、王族会議を行ったではないか。

 

つまり、たとえ誤算があったとしても、ヘンリー王子は自ら選択したはずだ。称号を捨て、王族としての仕事を捨てることを。それはヘンリー王子の人生そのものだった。

 

国内で、海外で、軍隊で、アフリカで、王族として奉仕活動をする人生を送ってきた。若い時はともかく、大人になってからの王子は、慈善活動に大変熱心だったし、自分が特権をもって生まれたことを、きちんと自覚していた。「生まれ持った特権を、一生かかって返していく」と言っていた。

 

それなのに、自分の名前も、今までの生活も、今までの仕事も――つまり今までの人生そのものを捨ててしまう、それがすべて「妻のため」? そんなことあるだろうか

 

母の死

 

ヘンリー王子の母親である、ダイアナ元妃については、ずっと暗殺説が絶えない。

 

120日、ヘンリー王子は離脱発表後に初めて演説した。英国民向けの内容だ。そして、王族を離れることに関する自分の無念の気持ちを表明した。

 

 

そこに、いきなりダイアナの名前が出てくる。「ダイアナの次男は結婚できましたよ」と。文脈的にはかなり唐突だ。それは筆者には、誰も気づかないほど婉曲的に、自分の王室離脱と母は関係がある、自分は母のことを忘れたことはいっとき足りともない――と言っているように思えた。

 

その後26日、王室離脱の表明後に初めての公の場「オルタナティブ投資サミット」に出席した。JPモルガン主催で、アメリカ・マイアミで開かれたものだ。基調演説で、大勢の富裕層たちを前に、母を事故で失った子供時代のトラウマについて赤裸々に語ったという(アメリカで、閉じられたイベントだから、よりオープンだったのだろうか)。

 

筆者は、ダイアナ元妃が亡くなってから、ずっと疑問に思っていることがある。

 

もしこれが暗殺だったとしたら、必ず家長の許可を得ているはずだ。どんな国家機関が策を練ろうとも、世継ぎの母親に関することで、家長の許可を得ないはずがない。

 

筆者の疑問は「もし仮に暗殺だったとしたら、家長の許可を得ているに決まっているとして、果たして元夫の許可は得ただろうか。離婚はしても、自分の子供の母親に関することなのだから」である。英王室というと、常にこの疑念が思い浮かんできた。

 

イギリスから遠く離れた、言語も文化も違うアジアの国の一市民がこう考えるのだから、当の息子たち――ウイリアム王子とヘンリー王子が考えないわけないと思うのだが。もしそうなら、なんという心の地獄だろうか。

 

ヘンリー王子は母の死後、長い間ずっと心を病んでいて、医学の助けが必要だったという病んだのは、母の死そのものだけではなく、母の死の原因ではないのか。だからこそ、結婚を機に、生まれ育った家を捨てたのではないのか。

 

おそらく、イギリス人でもわかっている人は多いのではないだろうか。決して口には出さないが。それとも、タブーすぎて口に出せないうちに、本当に考えなくなってしまったか。

 

皇族のいる国に育った筆者には、イギリス人の気持ちはわかるつもりである。彼らの「逃げ」を、指摘はしても批判する気には到底なれない(それでもこういう原稿を書くのは、フランス共和国の生活が長いからだろう)。

 

どうする、ヘンリー王子

 

一般の人々は、すべてを嫁のせいにして現実から逃避しているように見える。ヘンリー王子の離脱は、それほどショックだったのだろう。

 

しかし、筆者は当のヘンリー王子が気がかりだ。

 

はっきり言う。彼はこれから「失業者」である。

 

もちろん王子ではなくても、人々に奉仕はできる。母親のダイアナ元妃は、離婚して皇太子妃の称号を失って、いっそう慈善活動に力を注いでいた。メディアも世間も常に彼女から目を離さなかったから、ダイアナの慈善活動の効果は大変大きかったと思う。

 

でも、ダイアナは未来の英国王の母であった。そのようなステータスはヘンリー王子にはない。どうする、ハリーさん。

 

それに母親には、慈善活動をしたいという本人の強い意志があった。ハリーさん、あなたはどうなのでしょうか。心の底から慈善活動を続けたいと思っていますか。「客寄せパンダで良い、それで困っている人が助かるのなら」と開き直って、慈善活動を続ける覚悟はあるのですか。それほど、国や人々に奉仕することを、自分の生涯の仕事と思っていますか。それとも、今まで与えられてきたからやってきて、嫌ではなかったし、それしか知らない(できない)から続けてきただけですか。

 

王子はオバマ前大統領夫妻に大きな感銘と影響を受けたようだ。しかし、オバマ氏は実力と才能で大統領になった人だ。ヘンリーさんが対等に話し合える機会を得たのは、王子だったからだ。他の要人も、全員そうだ。

 

いくらハリーさん自身が愛すべき人物だったとしても、王子ではなくなった彼は「世界の要人とは格が違う」となる。

 

本人も、すべてを捨てる覚悟までは、まだ持てていなかったのではないか。誤算があったとしたら、王室側のきっぱりとした「NO」を受けて、十分に考える時間が持てなかったことかもしれない。

 

参考記事:ヘンリー王子はなぜメーガン・マークるさんを選んだのか。オバマ大統領夫妻との関係は。https://news.yahoo.co.jp/byline/saorii/20180521-00085471/

 

英王室の未来

 

筆者は、「パートタイム王族」を認めなかった英王室の決断は当然と思った。

 

でもそれは半面で、もう半面では反感をもたないでもなかった。

 

「あのサイテー息子の望みはすべて聞いたくせに。不倫カップルを皇太子夫妻として国民に押し付けたくせに。母の死に苦しんだかわいそうな孫に、なぜそんなに厳しいのか。

 

国王として厳しさが必要というのなら、筋を通して息子にも厳しくしろ。自分のおじエドワード8世がシンプソン夫人と結婚して王位を捨てたのと同じように、国民が認めたがらない好きな女性と結婚する代償に、息子に王位を捨てさせろ

 

ヘンリー王子は国に奉仕したいって言っているんだから、させればいいではないか。白黒じゃなくて、グレーの措置をとっても良いではないか」――と。

 

そう思うのは、ブレグジットで、連合王国がこれから解体の危機に瀕するのは目にみえているからでもある。実際に解体するかどうかはわからないが、大きな試練が待っているのは間違いない。

 

先行き不安なイギリス政治は、今後増々いまだに英国王を国家元首とするカナダやオーストラリア、ニュージーランド等との関係を緊密にしたいと願うだろう。それなら、ヘンリー王子を通じてカナダとつながりを保つことは、悪い戦略ではないように思うのだ。

 

ただ、女王を批判するのもいかがなものか、という気持ちがある。エリザベス女王は93歳。大変なお年である。

 

家長として非道な、極めて非人間的な決断をした可能性はあるかもしれないが、本人そのものは実直にまじめに働き、国民の期待を裏切るような真似など決してせず、浮気もせず夫に忠実で、ずっと国に奉仕してきた。

 

バカ息子たち(とわがまま娘)が好き勝手なことばかりして、女王を困らせてきたのだ。イギリス国民はそのことをよくわかっていて、だからこそ女王を敬愛してきたのだろう。

 

スコットランドは、ブレグジットに反対で、欧州連合EU)に残りたいがゆえに、二度目の独立投票を行って独立したがっている。そんな彼らも、エリザベス女王にだけは信頼と忠誠心がある(2014年の独立投票では「国家元首エリザベス女王で」という、穏やかな独立の前提だった)。彼らが「チャールズ国王」にそんな気持ちを抱くかは、はなはだ疑問である。

 

女王は93歳にして、長生きして英国解体をくい止めているという大仕事をしている。

 

英王室の未来は、不安だらけである。

 

チャールズ皇太子夫妻は、人気がない。筆者はイギリスに住んでいたことがあるが、女王の写真や、ウイリアム王子夫妻の写真をお店に飾っているところは沢山あったが、チャールズ皇太子夫妻の写真を飾っていたところは、一軒も見たことがない。

 

イリアム王子夫妻がいなかったら、英王室は完全に存亡の危機となっていただろう。

 

好きな人と結婚

 

なんでも「嫁のせい」にするのは、いかがなものかと思うが、確かに批判されることもメーガン妃はしている。

 

筆者が一番不愉快に感じたのは、王族の称号を商売の道具にして、お金儲けをしようとしたことだ。

 

彼らには、第三者がヘンリー夫妻の名前でお金儲けをする(例えば、二人の写真がついたマグカップを売る)のと、当の王族本人が率先して称号を使ってお金儲けをすることの違いが、まったくわかっていないようだ。

 

こんなことを、ヘンリー王子が思いつくはずがない。ある記事には「ヘンリー王子は、そういうことには無頓着である」と書かれていた。

 

一瞬、「この違いもわからないほど、ヘンリー王子はアホなのだろうか」とも思った。でも、ヘンリー王子は究極のおぼっちゃま育ちで、一般市民の考えでは計り知れないものがあるに違いない。

 

そう思わせたのは、かつて浩宮(現天皇陛下)が、イギリスのオックスフォード大学に留学された際の思い出話である。「初めてお金というものを持って、お店で買い物を致しました」と述べたのだ。

 

きっと、ヘンリー王子も似たような感じに違いない。「この違いを理解して」と言っても、相当難しいのではないか(ただそれでも王子が「王族が、そんなことしていいのだろうか」とは思わなかったのか、という思いは残るけれど)。

 

どの国でも、王族が一般市民と結婚するようになって久しい。世界はどんどん民主化されていき、身分制度がなくなり、確固たる貴族階級が無くなったのだから、当然なのだ。

 

筆者は、前掲の参考記事の最後に書いた。「英国民に国をあげて祝福されたとは言えない、自ら困難な結婚を選んだ王子。今まで十分、辛い思いをしてきたはずだ。どうか、幸せになってほしい」と。

 

ヘンリー王子が好きな人との結婚を貫いて、妻のおかげで家を捨て、今までの心の地獄、家族の闇から抜け出して生きる勇気がもてたのなら、これからの幸せを願うだけである。一人の人間として、自分の人生を生きてほしい。

 

兄のウイリアム王子は心から悲しいだろうが、彼にも妻がいる。どうか二組ともいつまでも夫婦仲良く、支え合ってほしいと願うばかりである。

 

それにしても――好きな人と結婚したいという、極めて人間らしい望みをもつだけで、これだけの大問題を引き起こす。日本の皇室もしかりである。

 

「好きな人と結婚もできないなんて、なんて非人間的なんだ。王室って大変だねえ」と、完全な他人事と、多くのフランス人は思っているに違いない。フランス人だけではない。欧州のほとんどの国、いえ世界のほとんどの国に、王室は存在しない。このような悩みは、世界のマイノリティなのだ・・・。

 

参考記事:令和時代の皇室について考えたいこと:少数派の自覚を持ち、国際社会と移民=新日本人に対して説明責任を  https://news.yahoo.co.jp/byline/saorii/20190509-00125214/

 

 

今井佐緒里欧州/EU・国際関係の研究者・執筆家・編集者

フランス・パリ在住。追求するテーマは異文明の出合い、EUが変えゆく世界、平等と自由。社会・文化・国際関係等を中心に執筆。ソルボンヌ大学(Paris 3)大学院国際関係・ヨーロッパ研究学院修士号取得。日本EU学会、日仏政治学会会員。編著に「ニッポンの評判 世界17カ国最新レポート」(新潮社)、欧州の章編著に「世界が感嘆する日本人~海外メディアが報じた大震災後のニッポン」「世界で広がる脱原発」(宝島社)、連載「マリアンヌ時評」(フランス・ニュースダイジェスト)等。フランス政府組織で通訳。早稲田大学哲学科卒。出版社の編集者出身。 仏英語翻訳。ご連絡 saorit2010あっとhotmail.fr

 

https://news.yahoo.co.jp/byline/saorii/20200220-00160447

 

 

 

もう一つヘンリー王子夫妻とメディアとの信用問題の事例を紹介しよう。

(続く)

日本のご皇室と英国王室(9)

同インタビューは英時間8日午後9時にITVで放送され、メーガン妃が王室に嫁いだ後、自由を失われたことで精神状態が悪化し「これ以上生きたくない」と思ったことや、アーチー君を妊娠中に王室メンバーから「生まれてくる赤ちゃんの肌の色」への懸念を示す発言があったことなどを激白していた。

9日の朝、モーガンは『Good Morning Britain』のお天気キャスター、アレックス・ベレスフォードとメーガン妃のことで口論になった。

ベレスフォードは「あなたがメーガン・マークルを嫌うのは分かっている。この番組で何度も明らかにしているからね。あなたとメーガンとは個人的に知り合いだったけど、彼女から縁を切られた。彼女が望むなら、その権利はある。それ以降は彼女が君について話したかな? 僕はそうは思わないが、あなたは彼女を中傷しているじゃないか」とモーガンを攻撃した。

するとモーガンは「これで終わりだ」と言って席を立ち、「私の悪口を言っても構わんが、私自身の番組で言うことは許さん!」と発言し、番組のセットから去った。

その後モーガンは席に戻ったが、ベレスフォードは「あなたのことをとても尊敬している」などと説明。2人が話し合いを行った後、モーガンはメーガン妃の父トーマス・マークルさんとビデオ通話を行うなどし、無事番組を終えた。

この日、英情報通信庁(オフコム)には41千件以上の苦情が寄せられ、2002年の設立以来3番目に多い苦情件数を記録したことで同庁はモーガンの発言を調査中だという。

ITVメンタルヘルスキャンペーン「Britain Get Talking」のパートナーであるメンタルヘルス慈善団体「Mind」は、モーガンの発言に「落胆させられた」と非難。モーガンは番組で「メーガンが自殺願望を感じていたかどうかは、私には関係ない」とコメントしていた。



一夜明けた英時間10日の朝、『Good Morning Britain』のオープニングではモーガン5年以上にわたって共演した司会者スザンナ・リードが彼へのトリビュートを伝え「全く違うものになるでしょうが、番組は続けていきます」と述べた。

一方でモーガンは番組開始時間に自身のSNSで、ウィンストン・チャーチル英元首相による言論の自由についての言葉を引用し、「メーガン妃の言葉は今も信じない。表現の自由のためなら死ぬことだってできる」と綴った。

SNSでは「ピアース、GMBはもう見ないよ。視聴率が下がるのを見ていよう。良い将来を祈ってる」、「お天気キャスターのために逃げるなんて、子供っぽい」「あなたの大ファンではなかったけど、何かにとりつかれたようだった。あの姿が恋しいよ!」と番組降板を惜しむコメントが多数寄せられた。

ちなみに英時間10日には「ピアース・モーガンを『GMB』に復帰させよう」と呼びかける署名活動が始まり、当日には7万人以上の署名が集まった。ちなみに「モーガンを『GMB』から降板させよう」との署名運動もあり、こちらには9万人以上が署名している。

画像は『Good Morning Britain 202139日付Twitter「‘I’ve been in situations where I haven’t called out racism based on how it’s been treated in the past.’」、2021310日付Twitter「‘Shows go on and so on we go.’」』『Piers Morgan 2021310日付TwitterOn Monday, I said I didn’t believe Meghan Markle in her Oprah interview.」』のスクリーンショット
TechinsightJapan編集部 寺前郁美)

https://news.nifty.com/article/entame/showbizw/12239-994378/



 

まあ、そんなこんなで、ヘンリー王子とメーガン妃夫妻は英国王室から離脱することとなってしまった訳であるが、そこら辺の事情も少し見てみたいものだ。

 

概略のいきさつはつぎの通り、であろう。

 

 

2020.01.08 ヘンリー王子とメーガン妃は、インスタグラムで突然、「王室離脱」を発表した。

      この発表はエリザベス女王も知らされていなかった、と言う。

 

2020.01.13  エリザベス女王の私邸サンドリンガム・ハウスで緊急家族会議(「ロイヤル・サミッ

       ト」)が開かれる。チャールズ皇太子・ウィリアム王子・ヘンリー王子で、メーガン

       は参加していない。

 

2020.01.18  エリザベス女王が声明を出す。
      「私と家族は、ハリー(ヘンリーの愛称)とメーガンの若い家族として新しい人生

       を築きたいと言う願いを全面的に支持します。」

       「サセックス公爵夫妻」と言う表現ではなかった。殿下・妃殿下も使わせない。

 

2020.01.19  ヘンリー王子は、沈痛な面持ちで「他に選択肢がなかった」と心境を吐露。

 

2020.02.19  「ハリー王子とメーガン妃は331に王室の公務から正式に退く」と報道官

       が発表する。

 

2020.03.31  ヘンリー王子とメーガン妃は、高位王族から退く。定住地は米国となる。

 

2021.02.xx  ヘンリー王子とメーガン妃は、正式に英王室から離脱した。

 

2021.03.07  米CBSテレビで、人気司会者のオプラ・ウィンフリーのヘンリー王子とメーガン

       妃の離脱後の初のインタビューが放送された。

 

2021.03.26  モナコ公アルベール2世(63)が「公共の電波で身内の恥ずかしい話をするな」

       と異例の苦言。

 

 

間違いがあればどんどんと指摘願うが、ヘンリー王子の王室離脱の理由は、おおむね次の2つであろう。

 

(1) 妻であるメーガン妃に対する人種差別やメディア・主にタブロイド紙のプライバシーの

  侵害や誹謗中傷が酷かったこと。

 

(2) 母である「ダイアナ妃」に対する王室の取り扱いに対する嫌気、即ち母の死に関する王室

  に関与の疑いが拭えなかったことである。

 

 

12才で愛する母を亡くしたヘンリー王子にとっては、母の死の原因を作ったチャールズ皇太子の立ち居振る舞いに対しては、言うに言われぬわだかまりを持ち続けていたことでしょう。

 

チャールズ皇太子のいる王室には、それほど未練はなかったはずだ、と推測される。

 

そのわだかまりが、メーガン妃に対する誹謗中傷で、ヘンリー王子の体内で沸騰してしまったものではないのかな。だからこそ結婚を機に、生まれ育った家を捨てたのであろう。

 

そんな論考も見受けられる。まあ、言ってみれば、ヘンリー王子のそれなりに清い(かどうかは知らないが)決断であった、ものと思われる。

 

これに対して秋篠宮眞子さまは、自ら皇室を離脱する決断ができるのか、はなはだ疑問である。

 

 

 

ハリー王子はなぜ王室を離脱するのか。本当に全部「嫁」メーガン妃のせいなのか。イギリスの未来は。

今井佐緒里 欧州/EU・国際関係の研究者・執筆家・編集者2020/2/20() 16:52

 

 

2月19日、ハリー王子とメーガン妃は、331日に王室の公務から正式に退くと、二人の報道官が明らかにした。引退に伴い、バッキンガム宮殿にある執務室も失うという。

 

結局、パートタイムの王族活動など許されなかった。

 

問題は原因である。なぜハリー王子は、イギリス王室の離脱を決意したのか。

 

既に山のように理由は言われている。

 

メーガン妃に対してのプライバシーの侵害がひどかった。内容も誹謗中傷の域に入るものだった。メディアだけではなく王室関係者も、メーガン妃に対する人種差別がひどかった。

 

メディア報道とパパラッチのせいで母親を亡くしたヘンリー王子は、これらが耐えられなかったのだ――と。

 

そして、王室とヘンリー王子の肩をもつ人々は言う。「あの女のせいで」。

 

確かにメーガン妃の言動は、伝統を重んじる王室ファンの眉をひそめさせるものがあった。

 

でもだからといって、全部「嫁」のせいなのか。

 

ヘンリー王子は、妻のために、今までの地位を捨てるというのか。

 

報道は妻であるメーガン妃のこと、今までのいざこざ、そして二人はどうやって生計を立てるか(つまりお金の話)の、ほぼ3点に絞られている。

 

しかし、筆者はイギリス人でもないし、会社員でもないフリーの執筆者なので、思ったことを自由に書きたいと思う。「そこまでして王族の地位を捨てるのは、必ずヘンリー王子の意志であるに違いない」と。

 

この原稿は、むしろ作家として個人の意見を述べたものであることを、ご了承の上お読み頂きたい。

(続く)

 

日本のご皇室と英国王室(8)

なぜ英著名司会者モーガン氏は朝の情報番組を去ったのか

2021年3月10日

Reuters

f:id:altairposeidon:20210405151008j:plainモーガン氏は英ITV番組を離れる前から他局より高額オファーを受けていた



 

英民放ITVの番組司会者ピアス・モーガン氏が、英王室サセックス公爵ハリー王子の妻メガン妃は信用できないと番組内で発言した後、降板することになった。この顛末(てんまつ)について、アモル・ラジャンBBCメディア担当編集長が解説する。



モーガン氏は、自殺も考えるほど精神的に追い詰められたというメガン妃の発言について、一言たりとも信じない(https://www.bbc.com/japanese/56342870と番組内で強く反発した。さらに、番組中でそれを批判されると、怒りもあらわにスタジオを一時退出した。英情報通信庁(オフコム)は、モーガン氏のメガン妃批判について4万1000件の苦情が寄せられたことを受け、調査に乗り出したと発表。その後、ITVモーガン氏の降板を明らかにした。

 

アモル・ラジャン、BBCメディア担当編集長

 

何が差別で何が差別でないか、社会的な対立が続いている。文化的な戦争とも言える。ピアス・モーガン氏が就いていた、ITVの朝の情報番組「グッド・モーニング・ブリテンGMB」の司会者という職が、その犠牲になった(以後、文中敬称略)。

 

 

著名司会者のモーガン自身が犠牲になったという意味ではない。ある意味で、彼はこの戦いで得をしてきた1人だ。

 

しかし、放送局のCEOとその局のスター司会者で、それぞれ公にしている立場がくっきり食い違った場合、しかもこれほど難しい問題について、これほど緊張感の高い時代に鮮明に食い違った場合、何かが、誰かが、譲らなくてはならない。

 

9日夜に、それが起きた。

 

9日朝の時点でITVのキャロリン・マコールCEOは、メガン妃が自らの心の健康について発言した、その内容の核心部分について、自分は信じていると態度をはっきり示した。さらにマコールCEOはこうも言った。ITVメンタルヘルス(心の健康)の問題を、きわめて重視していると。

 

ITVはおそらく、モーガンが公に発言を撤回するか、謝罪するものと予想していたのだろう。しかし、メガン妃の言い分を信じないと番組で公言したモーガンは、発言を撤回も謝罪もしようとしなかった。それゆえに、GMBを去ることになった。

 

<関連記事>

 

ここできわめて大事な文脈がある。モーガンは前にも、GMBを降板する寸前だったことがあるのだ。彼は近年、他の放送局から非常に高額なオファーを提示されている。朝の情報番組に連日求められる早朝スタートを、モーガンはきついと感じていたし、そもそも経済的に何も困ってはいない。自分が製作したいくつかの番組形式についてフォーマット権を持っているので、アメリカ各局から莫大な使用料の支払いを受けているし、いくつかコラムを執筆する英デイリー・メールのグループからは数百万ポンドの給料を得ている。

 

なので、もうかなり前から、彼は辞めたがっていたのだ

 

番組として、モーガン司会の「GMB」は視聴率を大きく伸ばした。しかし、メガン・マークルとハリー王子をめぐるこの問題で、「文化戦争」は最高潮に達してしまった。メガン妃への自分のそれまでの発言を番組中で批判されたモーガンが、番組の最中に怒ってスタジオを出て行った今朝の光景が、その証明となった。

 

究極的に、ITVの企業としての姿勢と、朝の番組のスターの個人的な見解は、あまりに異なっていた。その対立は、解消不能だった。

 

この対立は今後も、場所を変えて続くだろう。

 

イギリスで近く、出演者の個人的意見やキャラクターを中心に据えたニュース局が開始さえすれば。人権や環境などを重視する社会の意識変化に「目覚めて」いる、いわゆる「woke」な風潮を毛嫌いする、自分の嫌悪感を共有してくれるニュース放送局が、イギリスでも登場さえすれば。しかも、自分の友人が会長の。あるいは、 自分の旧友で元同僚のレベッカブルックスがトップにいる、動画配信サービス「News UK」のようなものがありさえすれば。まして、ブルックスのボスのルーパート・マードックは、モーガンを絶賛しているのだし。

 

おそらく、近く開局する予定の「GBニュース」がその場になるのだろう。ただし、ピアス・モーガンがGBニュースを必要とする以上に、GBニュースがピアス・モーガンを必要とするのかが、問題となる。要するに、いくら払うのかという話だ。確かに、開局の際にピアス・モーガンがいれば、それはGBニュースにとってはプラスになる。けれども本人は、カリブ海に浮かぶ丘の上で、しばらくゆったり過ごしたいと思うかもしれない。

 

モーガンが日記を出版してから、もうしばらくたつので。

 

(訳注:マードック氏が所有するタブロイド紙ニュース・オブ・ザ・ワールド」は、殺人被害者などへの電話盗聴が2006年から相次ぎ発覚し、2011年に廃刊になった。かつて同紙の編集長だったモーガン氏は2005年、体験記を日記として出版した。ブルックス氏は2000~2003年にかけて同紙編集長だった)

(英語記事 Why Piers Morgan left Good Morning Britain



https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-56342570





グッド・モーニング・ブリテンGMB」の司会者のピアース・モーガンが、その職を追われてしまった訳だ。この降板劇となった発言に対しては、イギリス全土から4万件を超える苦情が殺到しているようだ。

 

当然番組復帰への署名活動も始まっているらしい。反対の「降板させよう」という署名活動も始まっていると言う。署名数はこちらの方が多いと言う。

 

一部繰り返しとなるが、そこら辺の事情も参照されたい。

 

 

 

ピアース・モーガン、英番組を突如降板「メーガン妃の言う事は全く信じない」発言に4万件以上の苦情殺到 番組復帰の署名運動も始まる



2021年03月11日 12時36分 TechInsight

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ピアース・モーガン、英番組を突如降板「メーガン妃の言う事は全く信じない」発言に4万件以上の苦情殺到 番組復帰の署名運動も始まるの画像

 





ITVの朝の番組『Good Morning Britain』の名物司会者ピアース・モーガン55が突如、番組を降板した。モーガンはメーガン妃のインタビューに対し「彼女の言葉は一言も信じない」と非難、翌日にはメーガン妃のことでお天気キャスターと口論になり、生放送中に退席していた。その後、番組に対して4万件以上の苦情が殺到、同日にITVが声明でモーガンの降板を発表した。翌朝モーガンは「今もメーガンの言葉は信じない」とツイートしている。


現地時間9日午後、英ITVが声明で「ITVとの話し合いの結果、ピアース・モーガンは今こそが『Good Morning Britain』を降板する時期であると決意しました」と発表し、モーガンの番組降板を伝えた。

ピアース・モーガンは、米時間7日夜(英時間8日午前1時)に放送されたオプラ・ウィンフリーによるメーガン妃とヘンリー王子へのインタビューについて、翌朝の生番組で「メーガンの言葉は一言も信じない」「彼女が我々の王室に猛攻撃を仕掛けてきたという事実は、卑劣だと思う」などと妃を激しく非難していた。モーガンはこれまでにもことある事にメーガン妃を批判してきた。
(続く)

日本のご皇室と英国王室(7)

黒人女性”の影響

 デーブ氏は「バイキングMORE」で、「差別があったから米国に帰るなんて笑い話で、米国のほうが目に見える差別が多い。信憑性がないと思う」と指摘したのも、こうした報道があるからだ。

 インタビュー番組を放送したCBSテレビは、アメリ3大ネットワークの1つに数えられている。同局のドキュメンタリー番組「60 Minutes」は放送50年を超え、多くのスクープ報道で知られる。

「もし『60 Minutes』にメーガン妃が出演したのなら、厳密なファクトチェックが行われたと思います。オプラ・ウィンフリーも立派な司会者ですが、ややエンタメ寄りです。とはいえ、メーガン妃の発言は番組としてチェックすべきだったと思います」

 メーガン妃の発言にファクトチェックが行われなかったのは意外な印象も受ける。トランプ前大統領には、多くの米メディアがチェックを行っていたからだ。

 だが、トランプ大統領は白人の男性であり、メーガン妃は黒人の女性だ。アメリカ社会は差別に厳しいだけあり、“逆バイアス”がかかってしまったのかもしれない。メーガン妃には被差別者という“イメージ”があり、ファクトチェックが行われなかったと見るべきのようだ。

メーガン妃のいじめ問題

 今回の騒動で、イギリスの朝の情報番組「グッド・モーニング・ブリテン」の司会を務めていたピアース・モーガン氏(55が降板したことも大きく取り上げられた。

 モーガン氏は一貫してメーガン妃を非難。今回のインタビューに関しては「メーガン妃の言葉は一言も信じない」「彼女が天気予報を伝えても、信じることはできない」などと言い放ったという。

 番組には4万件以上の抗議が寄せられたほか、メーガン妃の代理人が抗議文を提出したとの報道も注目を集めた。

 だが、メーガン妃の発言は今、信憑性が疑われている。デーブ氏は「結局、彼の指摘が正しかったわけです」と言う。

「彼は大衆紙の編集長を務めたこともあり、歯に衣着せない発言で人気でした。日本で言う炎上芸人に似たところがあります。ただ、メーガン妃に対する発言が降板の直接的な原因ではありません。彼の過激な発言が複数のトラブルを巻き起こしており、こちらが主因でしょう。日本と同じようにイギリスの視聴者も、過激なキャスターは敬遠するようになっているのです」



夫に無礼な発言?

 メーガン妃の発言に問題がないか探るという“防御策”だけでなく、王室が積極的な“反撃”に転じたとの報道もある。メーガン妃の“旧悪”が調査対象になっているのだ。

32日、イギリスの高級紙『タイムズ』は、メーガン妃がスタッフに“いじめ”を行っていたと報じました。被害を訴えたのが1人とか2人なら眉唾と疑われても仕方ありませんが、現時点で10人近くのスタッフが被害を訴えています。こうなると、信憑性がないと切り捨てるわけにはいかなくなってきます」(同)

 やはり、メーガン妃の「差別的な扱い」という発言こそ疑うべきようだ。

「彼女は発言の主を明らかにしていません。となれば、王室の全員が“容疑者”となり、それこそウィリアム王子(38)とキャサリン妃39)の二男であるルイ王子(2)さえ疑う必要が生じてしまいます。これほど全世界の関心を集めた発言である以上、メーガン妃は誰に言われたのか名前を言う必要があるはずです。それが不可能なら、発言を撤回すべきでしょう」(同)

 ヘンリー王子は赤毛だ。少なくとも欧米社会では、赤毛を魅力的と見なす人と同じくらい、差別や嘲笑の対象とする人も多い。

「妊娠中の妻や夫が、『生まれてくる子が赤毛だったらどうしよう』と冗談を飛ばすことは、非常に良くあることです。差別に厳しい現代でも、この冗談は問題ないとされています。同じ類のものに『生まれてくる赤ちゃんの肌の色はどうなんでしょう』があります」(同)

信じるアメリカ人

 メーガン妃は発言の主を明らかにせず、なおかつ、その発言

が行われたのは1回だけとも言われている。他愛もない冗談を大げさにしたという疑惑は拭えないのだ。

「更に『自殺も頭をよぎったという発言も問題だと思います。なぜならば、これはヘンリー王子に対して失礼な言動だからです。彼女の発言を真に受ければ、妻が自殺を考えても夫は何もしなかったことになってしまいます。おまけにヘンリー王子は、母親を失ったショックからセラピーを受けていたことを包み隠さず公にしているのです」(同)

 イギリスの一般的な健康保険でセラピーを申し込むと、受診まで2年待ちは当たり前だという。

「一方、王室では、メンタルヘルスに関する窓口は、しっかりと整備されています。またメーガン妃は身内と絶縁を繰り返していることでも知られていますが、娘を溺愛する母親とだけは良好な関係を維持しています。その母親も、ソーシャルワーカーのキャリアを持っているのです。自殺を考えたメーガン妃は、その気になれば、王室の窓口や母親に相談することができたはずなのですが、彼女は行動に移したでしょうか?」(同)

 現状では、メーガン妃の主張をアメリカ人の相当数が「カメラの前で言ったのだから本当だろう」と受け止め、イギリス人は厳密なファクトチェックの報道もあって信憑性は低いと思っている、という図式のようだ。

今後の展開は?

 メーガン妃は今後、自分の“ファン”が多いアメリカ人向けの活動を行うことになるのだろう。とはいえ、デーブ氏は「差別という、ある意味で究極のカードを切ってしまいました。もう彼女に残されたカードはないでしょう」と指摘する。

「冷静に考えてみれば、彼女が現在、享受している豪華な暮らしは、英王室の一員となったからこそ得られたものです。王室を離脱したのなら、サセックス公爵位も返上すべきです。それができないのなら、彼女は信頼できない。こう厳しく考えている人も、少なくはないのです」

1:「メーガン妃告白、女王夫妻無関係 米CBSテレビの司会者」(共同通信39日)

デイリー新潮取材班

https://www.dailyshincho.jp/article/2021/03170602/?all=1&page=1

 

と言うことは、「ピアース・モーガン」の言う

 

モーガン氏は、自殺も考えるほど精神的に追い詰められたというメガン妃の発言について、一言たりとも信じないhttps://www.bbc.com/japanese/56342870と番組内で強く反発した。さらに、番組中でそれを批判されると、怒りもあらわにスタジオを一時退出した。

 

と言うこと(一言も信じない)も、あながち嘘とは言い切れないことであろう。BBCの次の論考を参照願う。

(続く)

日本のご皇室と英国王室(6)

メーガン妃の「黒人差別」発言 デーブ氏が「彼女の発言は信用できない」と断言する理由

国際 2021317日掲載

 

https://www.dailyshincho.jp/article/2021/03170602/?all=1&page=1

 

 

デーブ・スペクター氏(他の写真を見る



信憑性は……?

 (2021)37日夜アメリカの3大ネットワークCBSテレビは、「Oprah with Meghan and Harry: A Primetime Special」を放送した。

 ***

 反響は大きく、日本のメディアもすぐに報じた。例えば「TBS NEWS」は8日、「英ヘンリー王子&メガン妃 離脱後、初インタ『私は黙らせられた』」との記事を配信している。

 司会のオプラ・ウィンフリー67)は黒人女性。彼女の「オプラ・ウィンフリー・ショー」は、1986年から2011年まで放送された長寿番組として知られる。

 日中のトーク番組で、人気だけでなく、質の高さでも知られていた。「史上最高のトーク番組」というアンケート調査では、今でも上位にランクインされる。

 オプラは米大統領選の出馬すら取り沙汰されたこともあった。そんな名司会者が聞き手となり、メーガン妃(39)は、長男のアーチーくん(1)を出産した際、英王室内部から「どれくらい肌の色が濃くなるのかという懸念」が示されたと明かしたのだ(文末:註1)。

 文字通りの爆弾発言であり、今でも世界中で議論を巻き起こしているのは言うまでもない。

 その一方で、日本での報道は、問題の本質に迫ったものはない。海外の報道を翻訳したものでも、表面的な記事が多いようだ。

 例えばAFP=時事は310日、「人種差別疑惑で英女王が声明 懸念と対処を表明」との記事を配信した。

自己憐憫の固まり

 記事の中には、エリザベス女王94)の《回想の中には一部異なるものがある》や、《王室により内密に対処される》との発言が載っている。「メーガン妃の発言に信憑性があるのか」と疑問を示している部分もあるのだ。

 だが、見出ししか読まない日本人の読者が、「メーガン妃の発言は事実らしい」と受け止めても不思議ではない。

 欧米のメディア事情にも精通しているデーブ・スペクター氏は、この問題に関しては一貫してメーガン妃に厳しい指摘をしている。

 例えば、「バイキングMORE」(フジテレビ系列・平日・11:55)での発言は、次のような記事として報じられた。

「デーブ・スペクターさんメーガン妃発言に『差別があったから米国に帰るなんて笑い話』『信ぴょう性がない』」(中スポ/東京中日スポーツ・電子版:311日)

 改めてデーブ氏に取材を申し込むと、「メーガン妃の発言には、完全にウソと判明しているものが少なくありません」と解説する。

「あの特番の本質は、自己憐憫の固まりと化したメーガン妃が、『私って可哀想でしょう?』と全世界に向けてアピールしたに過ぎません。仮にも英王室の一員となるならばイギリスの伝統や文化に従うべきだと誰でも分かります。分かっていなかったのはメーガン妃だけだったのです」


忍耐力の欠如

 メーガン妃は1981年生まれの39歳、ヘンリー王子は84年生まれの36歳。彼女には離婚歴がある。

 ヘンリー王子と結婚する前は女優として活動し、国際女性デーにスピーチを行ったり、慈善活動にも熱心だったり、日本で言う“意識高い系”の女性だという。

「率直に言って、女優としては二流でした。少なくともイギリス国民が、ヘンリー王子の結婚相手としてイメージしていた女性とは、相当なギャップがあったのは事実でしょう。王室との軋轢は、肌の色は関係ないと思います。彼女が白人であっても、この結婚はミスマッチだったのです」(同)

 眞子さま29)の婚約者である小室圭氏(29)とは言わないまでも、女優の松居一代63)を彷彿とさせるキャラクターのようだ。

 デーブ氏は英王室を「ルールの固まり」と形容する。日常生活で公務が占める割合は決して少なくない。必要があれば、イギリスの地方都市に赴き、小さな除幕式にも出席しなければならない。

アメリカ人でもイギリスに惹かれ、現地に住む人はいます。しかし、メーガン妃はそういう女性ではありませんでした。彼女はイギリスに対する“愛国心”を全く持ち合わせていないのです。そんな女性が王室に嫁ぐとなれば、まずは自分が無知であることを自覚し、ある程度は我慢すべきでしょう。メーガン妃は忍耐力が足りなかったと言わざるを得ません」

ファクトチェック

 おまけにメーガン妃と英王室の“ミスマッチ”によって、ヘンリー王子も王室を離脱することになってしまった。

「『メーガン妃だけが王室を出るならまだしも、ヘンリー王子も巻き込んでしまった』という指摘は、彼女にとって最も弁解のできない“弱点”です。そのため彼女は、何としても夫婦の王室離脱を正当化しなければならなかった。インタビューの内容は、たとえ事実だったとしても、かなり大げさにして発言したのだと考えられます」

 デーブ氏が一貫して「メーガン妃の発言にはウソが多い」と指摘しているのは、氏の推測ではない。イギリスでは、彼女が出演したインタビュー番組の“ファクトチェック”が行われているのだという。

「イギリスの高級紙などが、メーガン妃の発言が事実に基づいたものか調査しています。一例を挙げれば、番組で彼女は『自由に海外渡航ができないよう、英王室はパスポートを取り上げた』と語っています。これは完全なウソで、彼女は結婚してからも自由に海外旅行を満喫していますし、英王室でパスポートがなくとも国外へ出られるのはエリザベス女王だけです。つまりメーガン妃のパスポートは、セキュリティの必要上、王室の担当者が預かったというだけに過ぎないのです」(同・デーブ氏)


(続く)