北京オリンピック(5/6)

そしてチベットの独立の否定と共産体制の押し付け、民族文化の破壊を繰り返し、目にあまる民族弾圧を実施し、漢民族を移住させ、チベット民族をこの世から消滅させようとしている。

以下は、産経新聞社「正論」07/6月号、「中国に五輪開催の資格なし」(殿岡昭郎氏)を引用して紹介している。

[1] 中国公安当局の取調べ・拷問

チベット民族の抵抗を粉砕し征服してゆく過程では、当然極端な拷問による情報収集などが行われている。

31年間も中共軍の運用する刑務所に囚われていたチベット僧のパルディン・ギャツォと27年間囚われていた俗人女性のアデ・タポンツァンの証言は今でも読者を驚かせる。

・腕を背中に回し縛り上げ、そのロープを梁に投げかけ引っ張り上げる。腕の付け根からねじれて引っ張りあげられる。そして殴り続けられ気を失う。(パルディン)

・両手の親指だけを縛り、吊り上げる。指は引きちぎれる。それを繰り返す。(アデ)

・指の爪の間に細い竹を、皮膚を突き破るまで差し込む。この方法は人を殺すことがなく効果的に脅かし情報を得ることができる。(アデ)

・7万ボルトの電流を流すスタンガンや電気棒を口に押し込み、全身をつつかれ

る。意識を失い、吐瀉物にまみれ全部の歯も抜け落ちた。(パルディン)

・電気棒は女性にも忌まわしく使われた。

・飢えにあえぐ囚人達に、出し殻の茶葉を床に撒き、それを争って奪い合う様子を見物する。

・若い女性囚人を自室で強姦する幹部。

・囚人同士を告発させるタムジン(闘争集会)は最も恐れられた。(パルディン)

 タムジンにかけられた囚人達を、他の囚人達は暴行を加えなければならなかった。

・1966年からの文化大革命時代に一層激しくなった。

中国侵略とその後の虐待による死者120万7387人

チベット亡命政府情報・国際関係所発行「チベットの現実」より。

 戦闘(43万2705人)、刑死(15万6758人)、拷問死(17万3221人)

 餓死(34万2970人)、自殺(9002人)、傷害致死(9万2731人)

補足追記日清戦争のとき、日本軍の捕虜は性器を切られたり、鼻や耳を削が

れたりしました。それを知った山県有朋が「捕虜になったら死んだほうがましだ」と

教えたわけです。「生きて虜囚の辱めをうけず」という日本軍の伝統はそこから来

ています。

 これは2007年9月号「正論」67頁の屋山太郎氏の言葉である。清は満州族

王朝であるが漢民族も大勢が日清戦争には参加していた。もともと中国とは、

蛮な国なのであろう。こんな国ではオリンピック開催の資格はない。

[2] 民族文化の破壊

チベットは国を挙げて篤信な仏教徒であり、インドに代わり仏教を古典的に保存する一大センターであった。

・当時あった6259ケ寺の僧院と尼僧院は、すべて破壊しつくされた。

・全人口の一割に当たる59万2558人の僧・尼もすべていなくなった

・1987年までに破壊を免れた僧院・尼僧院ははずか8箇所。

・拷問死した僧尼は11万人以上、還俗強制者は25万人。

・仏像のほとんどは、破壊されるか、中国に持ち去られ香港などで売却された。

・僧・尼僧院が破壊され、僧尼がいなくなれば、チベット教育の崩壊をもたらす。

 チベット語による初等教育チベット族としてのアイデンティティ育成が出来なくなる。

 そして中国語による”近代的”教育が始まり、チベット族社会に内部分裂を起こす。

チベット亡命政府は、インドに「チベット・チルドレンズ・ビレッジ」を建設し、民族教

育を進めている。

[3]五輪開催資格なし

これが共産主義中国がチベットに対してやってきたことの一部である。同じことは

新疆ウイグル自治区でも行われている。

これらの中国少数民族は、日本にとって潜在的戦略資産となりうる。自由と繁栄

弧と共に中国を内部から牽制する「対中第二戦線」を構築することが出来る。

もっともっと日本人はこれらの近隣同胞に注意を払うべきであり、マスコミはチベ

ット族やウイグル族に対する中国共産政権のむごい仕打ちを報道すべきで

あったし、今もすべきである。

中国にオリンピックを開催する資格はない。中国少数民族の悲惨な惨状に手を

差し伸べ、このことを世界に広く知らしめて、再度オリンピック開催の資格の有無を

判断してもらう必要がある。

(続く)