戦略的互恵関係とは、幻(まぼろし)である。(1/2)

 

1.戦略的互恵関係とは、まことに心地よい響きを持っている。

これは安倍前総理が中国に行った時に、どうしても意見の一致しない相手と話を合わせるために作り出した、マスコミ向けに出した文言である。中国もこれ幸いとこの便利な言葉を使って好き勝手なことをやっている。

もちろん世界や他国のためのものではなく、自国のため、即ち中国共産党のためだけに、好き勝手にやっているのである。

戦略的互恵関係とは、お互いと世界の未来永劫の究極の平和のために、お互いが、共に助け合い行動を共にして行こう、と言う趣旨のものであると、小生が考える。

しかし、中国は違う。自国のためだけの平和のために我を通してゆく、と言う意味で使っている。しかも、そのように解釈してそのように行動しているから性質が悪い。

しかし、日本は馬鹿だから本来の意味でしか使っていない。チンコロ中国の思う壺に嵌ってしまっているのである。

2.日中ハイレベル経済対話は「戦略的互恵関係」を展開するもの。

日中ハイレベル経済対話は、温家宝来日の折の2007.4.12にその対話の立ち上げが協議され、第1回会合が本年内に北京で開催することに合意されたものであり、

安倍総理は[2006年10月の訪中の際、温家宝総理との間で合意した「戦略的互恵関係」を経済面で具体的に展開するもので、日中経済関係の新たな一歩を画するもの]と述べている。

これに対し温家宝は、[両国での経済面での協力メカニズムがより高い次元にあがって、両国の相互依存関係はますます深化しており、地域や世界経済への影響も増大している]と述べている。

2007.12.1(土)北京において、第1回日中ハイレベル経済会合が開催された。日本側は、高村外務、額賀財務、甘利経産、若林農水、鴨下環境、大田経財政策の6大臣が出席、中国側も曾培炎副総理以下8人が出席した。

3.日中ハイレベル経済対話の合意文書は改竄(かいざん)されていた。

2007.12.1、日本政府はその合意文書を「プレスコミュニケ(報道文書)」として、日本語版をを発表。中国側は12/3に商務省が中国語版を発表している。その中国版からは、次の2項目が削除されていた。

Ⅱ.双方のマクロ経済にかかわる問題の2項

「日本側は、人民元レートの柔軟性を向上させるとの中国側の方針を歓迎する一方で、人民元の実効為替レートのより速いペースでの増価を許容することに向けた中国の努力を期待する旨表明した。」

Ⅳ.日中間の貿易・投資にかかわる問題の14項

「日本側は、中国がエネルギー憲章条約に参加することの意義を指摘した。」

この2項目が一方的に削除されて発表されたのである。

4.日本の全文公表要求に、中国は屁理屈で要求には応ぜず。

中国は、(1)これは共同文書でも共同声明でもない。(2)内容紹介の文書で同一ではなく、このことは日本も承知。(3)日本の報道の非難の有様は両国の協調ムードに背く。(4)この件で両国の協調関係に影響を与えれば、失うものが大きい。

と言いたい放題である。盗人猛々しいとはこのことである。中国は将に「戦略的互恵関係」を結ぶ相手としては、すこぶる相応しくない。2005.5.23に呉儀のオタンコナスが小泉首相との会談を中止して、急遽帰国したことと全く同じ対応だ。

日本政府は、福田首相の中国訪問を中止すべきだある。何もよりによってこんな忙しい時に、福田首相はチンコロ中国などに行くのだろうか。行ったところでぺこぺこするだけなら、支持率をもっともっと下げるだけである。

どうしても行くと言うなら、面と向かって正々堂々と共同文書の一部削除を非難してこい。そして会談をすっぽかしてもよいから、3日を2日にしてでも帰って来るべきである。それでこそ、「戦略的互恵関係」と言うものである。そうでないかい。

(続く)