中国・毒餃子事件(1/4)

(1)2月28日午前、中国は記者会見を実施。

中国公安省と国家品質監督検査検疫総局は、北京市内で中国製毒餃子

に関して記者会見を開いた。中国公安省は余新民・刑事偵察局副局長、

国家
品質監督検査検疫総局は魏伝忠・副総局長が会見した。

(2)そこでは中国中央テレビが生中継をしている。

そして、「餃子へのメタミドホス有機リン系農薬毒)の混入は、中国では起こ

りえないこと」と主張し、
日本での混入を強く示唆した。しかもTVを通じて、

これは中国人民に「日本で混入した」と思わせて、反日機運を盛り上げる

手段である。

(3)そして次のような理由を挙げ連ねている。

1中国の実験では、メタミドホスは包装の外側から浸透する。-18℃の条件

下での実験では、夫々の濃度のメタミドホスがいずれも10時間以内に袋の

内側に浸透したと言う。しかし、実験結果の具体的な数値は明らかにしな

かった。日本で餃子から検出された濃度はと言うと、千葉市の母子が食べて

死にそうになった餃子一個当たり1.8mgのメタミドホスが入っていたとされ

る。(朝日コム
2/27,18:38

いったい中国の実験ではどれほどの浸透があったのか。中国は数字を明ら

かにしていない。
たぶん浸透するように餃子袋に何らかの細工を施している

可能性も、大いにある。


たとえばある種の薬品に浸した袋を使うとか、摩擦で袋を傷つけておくとかと

いったやり方だ。徹底的に中国での実験の条件や手法を提出させて、再現

実験を日本でやっておくべきである。

2毒餃子の製造元の天洋食品の「包装・保存・包装材料保管に関した55人の

従業員等を重点調査した結果、全員が白だったと述べて、現段階では製造

工場には容疑者はいなかったと断言している。


しかしどんな調査内容かの情報はない、本当に犯人はいなかったのか。

実際工場内を取材した記者は検査で出し忘れたポケットにあった
薬瓶は、

持ち込めている
そのほか着衣の内側に張る保温材も、チェックに引っかか

らなかったと言う。従業員の私物の持ち込みは、言われているほど厳密には

行われていなかったと思われ、更にはこれら
55人以外の可能性もあるので

はないか。


事実、過去に天洋食品に勤めていた人物の話が民放で放映されている。

それによると私物を持ち込んでいたというではないか。

3メタミドホスに含まれる不純物についても、「不純物は各国で生産する中に普

遍的に存在する。被害を起こしたメタミドホスの成分検査をもって、どこで生

産されたものかの判別は不可能だ。」と述べ、
中国以外で生産された可能

を強調した。しかし中国では昨年(
'07年)1月に使用が禁止されたとは言

え、それまでは良く効く殺虫剤として幅広く流通していた。従って、中国産の

メタミドホスの確保は簡単で、その不純物の内容も検査出来るはずだ。


中国で流通しているメタミドホスを何とかして手に入れ、不純物の物質を事

前に調査し、検出不純物と比較しておくべきではなかったか。


一方日本国内では農薬としては使用が認められておらず、流通しているもの

は試薬としてで、その純度はきわめて高い。本来ならば、
日本国内の試薬

の不純物
と餃子から検出されたメタミドホスの不純物は異なるとの証拠も提示し

てやるほうがパンチがあるのではないか。

(4)そして物証を教えないと、日本側を批判した。
しかし資料はすべて渡していた。

中国公安省の余新民は、日本の警察当局に物証や鑑定結果を見たいと申

し入れたが拒否された、と「非常に遺憾」と述べ日本側を批判した。


日本はイージス艦と漁船との衝突事故でてんてこ舞いしているので、一挙に

「日本側に原因がある」として押し切ってしまえ、と言う情勢分析の上に畳み

掛けてきていると、日本側は構える必要があった。

(本当にこんなことを言われて、情けないよ。)


これに対して警察庁長官は「看過できない」「このような重大な内容が予告も

なく
ポーンと出てくることは、いかがなものか。」と激しく反論した。

そして日本側の資料はすべて渡していると言う。2月21、22日の来日した

中国公安省幹部との協議や、2月25~27日の北京での会議で、日本側か

らは次の資料を渡していると言う。


事実、警察庁は2月22日の中国公安省との情報交換会議で、メタミドホス

袋の外側から内側に浸透しないことや、問題の商品袋に開封や再密封の跡

がなかったことなどの情報を提供しており、更に緊密な情報交換をすることを

合意している。にもかかわらず、事前連絡もなしにポーンと出してきたのであ

る。

1.メタミドホスが検出された餃子の鑑定結果

2.袋の写真や断面の層構造の絵

3.「包装袋の外側から内側へ浸透しない」実験結果と実験手法とその条件

4.ガスクロマトグラフ質量分析装置によるメタミドホスの不純物の分析結果

しかし中国側は、渡すことが出来ないことを知りながら、日本の警察が押収

した餃子などの物証そのものを寄こせと言っているのである。悪賢いにもほ

どがある。日本の警察も、
中国以上に悪知恵を働かす必要があった。

(続く)