沖縄戦教科書検定問題(7/10)

9.P228(「鉄の暴風」の著者太田良博氏がわざわざこの曽根氏のために書き

留めたもの)

【…米軍が、伊江島の住民の中から女五人、男一人を選んで、渡嘉敷島守備

隊長・赤松嘉次大尉の陣地に、降伏勧告状をもたせてやった。軍使はふつう殺

さないのが常識である。…ところが、彼等は、日本軍陣地で捕らえられ、各自穴

を掘らされ、斬首された。実に残虐で、不愉快である。…当時、渡嘉敷国民学

校の教頭だった、豊見城村出身の大城徳安が、注意人物と言う理由で斬ら

れた。赤松隊長のやり方を、ひそかに批判したことが知られて、陣地に連れて

行かれて、重労働を強制されていたが、妊娠していた妻のことが気になった

のか、陣地をはなれて家族と会いに行ったために、縄でしばられ、陣地付近に

つれて来られて斬首された。

P230伊江島の住民は、勧告状を持って来たといっても、軍使ではない。国

際法上の軍使と言うのは、白旗を掲げ、司令官が軍使として命じたと信ずるに

足るもの、たとえば制服を着用していなければならない。つまり正規の戦力構

成員でなければならない。ましてや敵国人を軍使に使うことなど考えられないと

いう。…陸軍刑法には、死刑に処せられるべきものとして、…「軍事上の機密

を敵国に漏洩すること」、更に「隊兵を解散し又はその潰走混乱を誘発し又は

其の連絡集合を妨害すること」と言うのがある。…つまり投降勧告の意志を、

部下に知らせたり、配置などを見たりして、通敵されるかもしれない。》

P233…島の人々から見れば大城教諭は只の教員であったかもしれないが

、軍側から見れば彼はれっきとした防衛隊員であった。その人が時々戦線を離

脱して家に帰ることが、そんなに悪いのだろうか、と私も疑ったのであった。…

沖縄の場合の防衛隊員というのは、れっきとした兵であった。…召集されたの

だから、正規兵であった。ただし彼等は他に類例を見ない気の毒な兵であ

った。…「敵前逃亡は死刑」が国民一般の常識であった面もなくはない。》

米軍側は、伊江島の住民と言う全くの民間人を軍使に使った。軍使と言うのは

正規の戦力構成員でなければならない。軍服を着ていない兵力はスパイと看

做されて殺されても仕方のない兵力である。もし米軍が軍使を出すのならば、

民間人などを使わずに、自分たちの将兵の中から出して、白旗を掲げて堂々

と来るべきであった。民間人を軍使として使った米軍の将校は、戦犯として

くべきであった。民間人を殺した重罪人である。なぜこのことを「鉄の暴風」と

うよりも沖縄ノートは問題にしないのか。

10.P268(S45.4.7の沖縄タイムスへの投書)

【…(赤松は)渡嘉敷住民を自決させ、自分は安全な壕の中で、漁民に魚をと

らせて食べて肥え太っていると言っていました。…壕から出て来た時は、肉が

たれ落ちるほど肥え太り、しかも肥満した愛人を連れ、その後からユーレイのよ

うに、栄養失調でやっと歩いてぞろぞろ出てくるのを見たとき、私は手榴弾でも

あったら、投げつけてたたき殺したい衝動に駆られました。…】

P273谷本候補生談「隊長は我々と山を下りてはおりません。一足先に8月2

3日、米軍と協定を結ぶために、十人をつれて、米軍陣地に入りました。そこで

調印して、その儘、隊長と他二名は、米軍陣地へ人質みたいにして残ったん

です。…(愛人を連れて山を下りることは)隊長には、物理的に出来ません。何

人もの目撃者があることですし」》

8月26日には、残りの部隊が村人たちと山を下りている。村人たちのの中に

は女性たちもいた。赤松隊長は決して太ってはいなかった。(太田正一候補生

、赤松大尉の当番兵)と言うように、これらの投書は、全くの作り話である。当

時の風潮とはいえ、よくもこんな作り話を、投書もするし、新聞に載せたもので

ある。

11.結論

以上10項目にわたり、赤松神話の虚妄振りを見てきたが、いかに「鉄の暴風」

や赤松大尉に関する風評が間違ったものであるかが、わかるであろう。

それにしても、曽根綾子氏の精力的な、しかも客観的な、足を使った、出来うる

限りの多くの島民や関係者と会った取材は、見事と言わざるを得ません。この

ことにより、渡嘉敷島の住民の「集団自決」はあったにしても、「軍の命令や強

」がなかったことが証明されたのです。「軍の命令や強制」はなかったのです。

それに対して、大江健三郎は、全く実地の調査もせずに「沖縄ノート」を作って

いるのです。そして「軍の命令や強制」がなかったことが証明されても、まだ、

集団自決」は「軍の強制」によって引き起こされた、と言っているのです。

本来ならば、大江健三郎と大阪地裁の深見敏正裁判長は、世が世なら天誅

組とか必殺仕置き人のお世話になってしかるべき人物なのである。世の中、

違ってる

(続く)