3.江沢民の手紙
人民日報の日文版などより、江沢民よりサマランチへの書簡を見てみる。
1.2000.9.9、江沢民主席はIOCサマランチ会長に手紙を送り、「中国政府は北
京五輪招致を全面的に支持する」と表明した。いかに全文。
「北京市による2008年夏季五輪招致に関する手紙を拝見いたしました。
IOCにより北京市が2008年夏季五輪の正式立候補都市のひとつとして承認され
たことについて、中国政府は北京市による五輪招致を全面的に支援すること
を表明します。悠久の歴史をもち、かつ高度成長をみせている北京市で2008年
夏季五輪を開催することは、オリンピックのみならず、中国、ひいては世界に重
要な意義をもつと考えます。
中国政府と全人民の支持により、北京市はすばらしいオリンピックを開催できる
ものと信じております。中国への訪問を心から歓迎いたします。
人民日報日文版2000.10.04
2.2000.9.13午前、中国国家体育総局の袁偉民局長(COCの主席)がIOCの
サマランチ会長に、江沢民主席からの書簡を届けた。その中で次のように述べ
ている。
「中国は一貫して、平和的方法による国際紛争の解決のための積極的な努力
を高く評価している。中国は国連大会でのIOC休戦決議の通過を支持した。
今後もIOCによる休戦の呼びかけを指示してい行く。紛争を続けている国や地
域がオリンピック期間中の休戦を実行し、又いかなるときも対話や平和的方法
で国際紛争を解決し、世界の持続的平和のために各国は共に努力することを
望んでいる」
人民日報日文版2000.09.14
中国は北京五輪の期間だけでも、チベット本国や中国にいるチベット族への弾圧を止め、関係回復に心がける勇気があるのか。はなはだ疑問である。オリンピックに全世界の目が注目しているときに、これ幸いと、チベットで酷いことをするのではないかと、心配している。
3.2001.7.14、IOCサマランチ会長に書簡を送り、2008年の五輪開催に向けて
中国政府と中国人民の決意を表明した。内容下記。
「2008年に開かれる第29回夏季五輪の開催権を北京が獲得した。中国政府と
中国人民を代表し、そして私個人の名義で、五輪の発展に対する会長の貢献
に高い敬意を払いたい。また北京での五輪開催をIOC委員に働きかけてくれた
ことに、心から感謝したい。中国政府と中国人民は全力をあげて北京を支持し、2008年に北京で開催される五輪を、オリンピック精神を発揚し、世界平和を
促進して、各国の人々の友情を深める祭典の場としたい。 中華人民共和国
主席 江沢民 2001年7月14日0時35分」
人民網日本語版2001年7月14日
是非とも、チベットや新彊ウィグルにも、オリンピック精神を施し、平和を守り、友
情を深めてほしいものです。
(12)オリンピック憲章と北京オリンピック
1.IOCロゲ会長、中国へ苦言
江沢民は、2001年7月14日のサマランチへの手紙(上記)で、中国政府と中
国人民の決意を表明した。即ち、
「北京オリンピックを、オリンピック精神を発揚し、世界平和を促進して、各
国の人々の友情を深める祭典の場とする」、と。
然るに中国政府と中国人民の今の有様はどうか。この精神と全くの反対ではな
いか。中国国内の各都市やフランスでの「野蛮な」と言われた中国人のデモ騒
動を見るにつけ、オリンピック精神なんぞ、守る気はさらさら無い様に見受けら
れる。
(続く)