(6)自衛隊機派遣で、馬鹿にされた日本
このテーマは、6月に「中国覇権主義」としてすでに取り扱っているが、今一度そ
の背景を概略したい。
胡錦濤はなぜ、わざと少佐クラスの身分の低い人物を使って、「自衛隊機でもよ
いから、至急テントや毛布を運んでほしい」と言わせたのか、少し疑問が残るもの
ではないかい?。
胡錦濤は、対日友好政策の成果を出したいとかねてよりあせっていたと言う。
そのための自衛隊機の派遣を実現させ、PRしたいと考えた。しかしこれは危険
な賭けでもある。
そのため、わざと身分の低い人間にそのことを言わせて、日本国内と、本命の中
国国内の反応を見たのである。
日本のマスコミも日本政府も馬鹿だから、その背景を斟酌もせずにすぐ反応し
た。案の定中国国内からは、自衛隊機の派遣に(肯定的な意見もあったが)多数
の反発が出た。これをみた胡錦濤はすぐこの件からは引いてしまった。コケにさ
れたのは日本である。
中国の身分の低い一武官の一言で、町村官房長官から福田総理大臣までが振
り回されてしまった。日本政府の体質と対中政策の危うさを如実に示したモノ
であった。
日本の「危機管理」の未熟さを露呈したようなものである。そんな話の信憑性を
確認するとか、またそのためのきちんとした確認手順とかが、内閣や関係省庁間
で定まっていなかった。全く以って情けない限りである。願わくはこれを他山の石
として、危機管理の手順を定めてほしいと願うものである。(と石平氏は述べてい
る。)
また、中国の思惑に乗って真っ先に騒ぎ立てた日本のマスコミは、最低である。
何の検証も確認作業も感じられない。
以上は、すこぶる一般的な、あまねく流布している見方ではあるが、「真実は
違ったところにある」、とみるべきであろう。
(続く)