中国の厚顔無恥(11)

(7)江沢民派の特殊工作

日本の新聞は殆どが、「自衛隊機の派遣で、軍など対日強硬派を抑え対日重視

の姿勢を示す狙いもありそうだ。」と言った甘い見方で、記事が書かれていた。

しかし中国はそんなに簡単に、中国の言う歴史認識を変えることはない。

そんなにも簡単に”許す”ものではない。これは、中国が放った一種の「わな」

ある、と同書で「中国変化論を嗤(わら)う」と題した論文で、京都大学教授の

中西輝政が論じている。通常、このような事態では先ずは、「特殊工作」では

ないか、考えるのが普通である、と述べている。以下、それを引用して記載する。

自衛隊機受け入れを打ち上げ、日本の反応を見ることによって、中国軍部内の

江沢民派、反政権派が、胡錦濤訪日の直後にとんでもない親日派のレッテルを

貼って一悶着を越そうとした、と言うことも十分に考えられる。窓口になった軍人

は何も知らなかったかもしれないが、その背景にいた軍の派閥は、あえて偽りの

打診をさせることによって慌て者の日本政府から情報を打ち上げさせ、その反応を見ていたとも考えられる。

自衛隊の派遣が成功すれば、とてつもない売国親日胡錦濤とレッテルを貼

れるし、失敗したとしても、それを行おうとした胡錦濤政権は親日売国政権であ

ると共に、日本は常に歴史の無視して自衛隊、つまり新日本軍を中国大陸に送

り込もうとする侵略勢力があることをはっきり示すことが出来る。

この結果、国内では反日世論が沸きあがることを考えれば、江沢民派には良い

ことづくめなのである。」

江沢民派などの政権の奪取を狙う勢力にとっては、訪日した直後の胡錦濤に対

して、「親日派」のイメージを植えつけることが派閥闘争、権力闘争では有利とな

ろう。そのための特殊工作なのである、とする見方である。たぶんこの見方のほ

うが的を得ているのであろう。

中国とは、このように一筋縄では括れない権謀術数の国である。必要とあれば

平気で嘘をつく。本当はウソで、ウソが本当の国なのである。四川地震での取材

でも、公開してもよいところだけは取材が許可されるが、基本的には大半が取材

制限されている。従って、子供を亡くした親達の抗議行動などは、報道が許され

ない。公開されている、と言うことは真実が隠されており、公開されている本当は

ウソで、隠蔽されているウソと言うものが本当なのである。真実が報道されない、

これが中国の文明の本質なのである。中国四千年の歴史は、我々と全く異なる

文明空間で成立したものであり、そのつもりで接しないと我々は大やけどをしてし

まう。中国は、本当はウソで、ウソが本当の国である。(続く)