五輪最中、中国官民衝突相次ぐ(補足2)

8月12日午前9時(日本時間am.10時)頃、

新彊ウイグル自治区カシュガル市郊外のシュレ県ヤマンヤの検問所で警備

員が襲われる事件が発生した。検問所を通過する車から飛び降りた人物が

警備員4人を襲撃、そのまま逃走した。刺された警備員3人が死亡し1人が

負傷した。しかしその後この警備員も死亡。ウイグル独立派による襲撃の

能性もあるが、容疑者の詳細は不明だ。

カシュガルでは8月4日早朝武装警察隊が襲撃され16人が殺害された事件が

起こった直後の事件だ。

(2)7月1日、上海で警官ら10人死傷、公安分局ビルにナイフ男乱入。

(前々回テーマ「中国の厚顔無恥NO.15」参照)

公安分局ビルに侵入した男は、警察署内を歩き回りながら出会った警官を

次々と刺し殺していった。男の攻撃は5階から始り、20階まで続いた。

そこでやっとその男は捕まった。警察官5人が即死、5人が重症内1人が後に

死亡と言う大きな被害であった。

(前前回のテーマでは9人死傷となっているが、この論文では10人となってい

る。)

犯人は28才の楊(よう)佳と言う無職の男性。彼の動機は、昨年10月に楊が

自転車泥棒の疑いをかけられ、警察署内で殴る蹴るの暴行を受けたことで

あった。楊は仕事が見つからず切羽詰っていたと言う。どうせ将来に見込みが

ないのなら、「絶対に許せない」と感じていた公安を1人でも多く道連れにしよう

と考えたと言う。そして”例に漏れず”、彼は数日前にインターネット上に「大き

なことをしてやる」との犯行予告をしていた。

しかし事件後ネット上では、「よくやった」と絶賛の嵐が吹き荒れた。ネチズン

間では、楊の事を「侠義之士」と褒め称えられていると言う。公安当局は必死

にこれらのネット上の書き込みを規制していったが、「楊佳を釈放しろ!」と言

う書き込みは止む事がなかったと言う。

しかし公安は楊の親まで逮捕して圧力をかけているというが、楊釈放のために

資金集めを始める団体まで現れたという。そして、民衆の深層には、権力への

鬱積した不満と、その権力に一矢報いた楊の行為への感情移入が見られ、警

察批判が収まる気配が無かったと述べている。「怒れる大衆」が目覚め、

警察の実態はすでに末端から腐りかけていると、述べている。

(続く)