中国人監督・李(リ)インのドキュメンタリー映画「靖国YASUKUNI」の公開が4月
12日に予定されていた。しかしその予定日に近づくにつれて、続々と上映予定
館がその上映中止を決めている。
この映画は反日意識の強い(と小生は見た)中国人の監督が10年以上の歳月
をかけて、靖国神社やそこに参拝する人達を映し出しているドキュメンタリー(記
録)映画だという。
一体どんなものかと興味本位に見てみたが、相当の違和感を感ぜざるを得な
かった。やはりこの映画は、監督の「李・イン」が巧妙にオブラートで包んで、「靖
国」と「靖国神社」なるものを軍国主義と結びつけて宣伝している映画ではな
いかと、結論付けざるを得なかった。
その最たるものが、日本刀が靖国神社のご神体で、その日本刀は日中戦争
で、あの百人切りに使われたものと同じ刀である、と言うイメージ操作である。
心ある日本人であるならば、刀が靖国神社のご神体でない事は知っているし
(ご神体は剣であり刀ではない、我々は三種の神器の一つは天叢雲剣アマノム
ラクモノ「ツルギ」である事を知っている。)、百人切りが架空の物語で、この話に
かかわった2人の有能な日本軍少尉が戦後不法にも軍事裁判で死刑となったこ
とは承知している。
この映画は、巧妙に仕組まれて、悪質な捏造とイメージ操作を施された
反日映画なのである。
(1) 第58回ベルリン国際映画祭
その李・インは、'08年2月11日、12日、14日現地時間の3日間、ドイツのベル
リンで開催された第58回ベルリン国際映画祭で、この映画「靖国」を上映した。こ
のベルリン国際映画祭は、カンヌ国際映画祭とヴェネツィア国際映画祭とあわせ
て「世界三大映画祭」と言われるほどの国際映画祭である。
(注)上記の三大映画祭は歴史の長さでそう呼ばれている映画祭なのであるが、規模の大きさで言う三大映画祭は、ヴェネツィア映画祭の替わりにトロント国際映画祭が入ってくる。
そんな映画祭での上映は、地元ドイツを始め、各国のメディアの間で大きな反響
を呼んだと言われている。戦犯合祀や国家元首の靖国参拝問題をめぐり、アジ
アをはじめ世界の波紋を呼んでいたテーマのため、上映会場は大盛況を極めた。
映画の批評の中では、日本刀の刀匠、刈谷直治氏の職人としての資質を賞賛す
るものがある反面、「戦死した日本の軍人たちを追悼していても、彼等が引き起こ
した戦争の苦しみは忘れ去られていない。にもかかわらず、日本はいまだに戦
争責任を認めることをしていない。」などのように、映画靖国を通して日本に
対する批判的な意見もある。更に、李・インの「東京を始め日本全国で公開され
る。」と言う発言に、会場では地響きのような拍手が起こったと言う。
李・インはこの映画祭で、靖国の本質を語らずに、間違ったテーマ・思想を世界
に広めたことになる。即ち、第二次世界大戦は主に日本の軍国主義が引き起こ
したものであり、その軍国主義は靖国神社を中心に、今も日本に存在している、
と。
映画「靖国」は靖国神社をよく知っている人にとっては、毒に薬にももならない。
しかし靖国をよく知らない者にとっては、特に日本人以外の外国人にとっては、
将に映画「靖国」は、日本の軍国主義を表したものと捉えることであろう。
当然ながら靖国は「李・イン」のような反日家にとっては「捏造と欺瞞」を盛り込
む格好の映画対象となり得る。靖国を題材とした反日映画の製作は、映画界を
含め官民を含めて監視し、それを阻止すべきものである。映画「靖国」の上映が
心ある映画館によって中止されたことは、至極当然のことである。
(続く)