ヨーロッパと日本(18)

この天神地祇御誓祭に先立ち、神祇事務局が神聖な儀式のための諸準備行事

を行い、議定兼副総裁の三条実美天皇に代わり神前で御祭文を奉読する。

御祭文は御祓いのための祝詞(神に告げる言葉)なのだ。それから天皇自ら玉

串を捧げて神拝する。そして三条実美が再び神前で五箇条の御誓文を奉読

(謹んで読み上げる)する。即ち明治天皇は皇祖皇宗の「神」に、新たな国づくり

をお誓いしたのである。そして更に三条が天皇のお言葉勅語を読み上げる。

その勅語を次に示す。

『我国未曾有の変革を為さんとし、朕身を以って衆に先んじ天地神明に誓い、

大いにその国是を定め万民保全の道に立たんとす。衆亦此の旨趣(ししゅ、

考え・おもむき)に基づき協心(心を合わせること)努力せよ。』

すなわち、明治天皇は自ら我々祖先の御霊にお誓いあそばされ、近代国家の

礎いしずえを築かれたのである。その誓った内容が五箇条の御誓文である。

国民も此の考えに基づいて心を合わせて努力せよ、と言っているのである。

それを下記に示す。

一広く会議を興し万機公論に決すべし

一上下心を一にし盛んに経綸(国家を治めること)を行うべし

一官武一途庶民に至るまで各その志を遂げ人身をして倦(う)まざらしめん

事を要す

一旧来の陋習(ろうしゅう、悪い慣わし)を破り天地の公動に基づくべし

一智識を世界に求め大いに皇基(皇室の基)を振起(盛んにする)すべし

そしてその後、公卿・諸侯が1人ずつ神位と玉座に拝礼し、奉答書に署名したの

である。

次に坂本龍馬船中八策を列記してみる。

(続く)