日本は侵略国家ではありません。(5)

(9)

さて日本が中国大陸や朝鮮半島を侵略したために、遂に日米戦争に突入し3

万人もの犠牲者を出して敗戦を迎えることになった、日本は取り返しの付かない

過ちを犯したという人がいる。しかしこれも今では、日本を戦争に引きずり込むた

めに、アメリカによって慎重に仕掛けられた罠であったことが判明してい。実

はアメリカもコミンテルンに動かされていた。ヴェノナファイルというアメリカの公

式文書がある。米国国家安全保障局(N S A )のホームページに載っている。

膨大な文書であるが、月刊正論平成18 5 月号に青山学院大学の福井助教

(当時)が内容をかいつまんで紹介してくれている。ヴェノナファイルとは、コミン

テルンとアメリカにいたエージェントとの交信記録をまとめたものである。アメリ

カは1940 年から1948 年までの8年間これをモニターしていた。当時ソ連1 回限

りの暗号書を使用していたためアメリカはこれを解読できなかった。そこでアメリ

は、日米戦争の最中である1943 年から解読作業を開始した。そしてなんと37

もかかって、レーガン政権が出来る直前の1980 年に至って解読作業を終え

たというから驚きである。しかし当時は冷戦の真っ只中であったためにアメリカは

これを機密文書とした。その後冷戦が終了し1995 年に機密が解除され一般に

公開されることになった。これによれば1933 年に生まれたアメリカのフランクリ

ン・ルーズベルト政権の中には3 百人のコミンテルンのスパイがいたという。

その中で昇りつめたのは財務省ナンバー2の財務次官ハリー・ホワイトであっ

た。ハリー・ホワイトは日本に対する最後通牒ハル・ノートを書いた張本人である

と言われている。彼はルーズベルト大統領の親友であるモーゲンソー財務長官

を通じてルーズベルト大統領を動かし、我が国を日米戦争に追い込んでいく。

当時ルーズベルトは共産主義の恐ろしさを認識していなかった。彼はハリー・ホ

ワイトらを通じコミンテルンの工作を受け、戦闘機100 機からなるフライングタ

イガースを派遣するなど、日本と戦う蒋介石を、陰で強力に支援していた。真珠

湾攻撃に先立つ1ヶ月半も前から中国大陸においてアメリカは日本に対し、隠密

に航空攻撃を開始していたのである。

(10)

ルーズベルトは戦争をしないという公約で大統領になったため、日米戦争を開始

するにはどうしても見かけ上日本に第1 撃を引かせる必要があった。日本はル

ーズベルトの仕掛けた罠にはまり真珠湾攻撃を決行することになる。さて日米

戦争は避けることが出来たのだろうか。

日本がアメリカの要求するハル・ノートを受け入れれば一時的にせよ日米戦争を

避けることは出来たかもしれない。しかし一時的に戦争を避けることが出来たと

しても、当時の弱肉強食の国際情勢を考えれば、アメリカから第2,第3 の要求

出てきたであろうことは容易に想像がつく。結果として現在に生きる私たちは

人国家の植民地である日本で生活していた可能性が大である。文明の利器

ある自動車や洗濯機やパソコンなどは放っておけばいつかは誰かが造る。

しかし人類の歴史の中で支配、被支配の関係は戦争によってのみ解決されて

きた。強者が自ら譲歩することなどあり得ない。戦わない者は支配されることに

甘んじなければならない。

(11)

さて大東亜戦争の後、多くのアジア、アフリカ諸国が白人国家の支配から解放

されることになった。人種平等の世界が到来し国家間の問題も話し合いによって

解決されるようになった。それは日露戦争、そして大東亜戦争を戦った日本の

によるものである。もし日本があの時大東亜戦争を戦わなければ、現在のよ

うな人種平等の世界が来るのがあと百年、2百年遅れていたかもしれない。そ

ういう意味で私たちは日本の国のために戦った先人、そして国のために尊い命

を捧げた英霊に対し感謝しなければならない。そのお陰で今日私たちは平和で

豊かな生活を営むことが出来るのだ。

(12)

一方で大東亜戦争を「あの愚劣な戦争」などという人がいる。戦争などしなくても

今日の平和で豊かな社会が実現できたと思っているのであろう。当時の我が国

の指導者はみんな馬鹿だったと言わんばかりである。やらなくてもいい戦争を

やって多くの日本国民の命を奪った。亡くなった人はみんな犬死にだったと言っ

ているようなものである。

しかし人類の歴史を振り返ればことはそう簡単ではないことが解る。現在におい

てさえ一度決定された国際関係を覆すことは極めて困難である。日米安保

約に基づきアメリカは日本の首都圏にも立派な基地を保有している。これを日本

が返してくれと言ってもそう簡単には返ってこない。ロシアとの関係でも北方四島

は60 年以上不法に占拠されたままである。竹島も韓国の実効支配が続いてい

る。

(13)

東京裁判はあの戦争の責任を全て日本に押し付けようとしたものである。そして

そのマインドコントロールは戦後63 年を経てもなお日本人を惑わせている。日

本の軍は強くなると必ず暴走し他国を侵略する、だから自衛隊は出来るだけ動

きにくいようにしておこうというものである。自衛隊は領域の警備も出来ない

集団的自衛権も行使出来ない、武器の使用も極めて制約が多い、また攻撃的

兵器の保有も禁止されている。諸外国の軍と比べれば自衛隊は雁字搦めで身

動きできないようになっている。このマインドコントロールから解放されない限り

我が国を自らの力で守る体制がいつになっても完成しない。アメリカに守ってもら

うしかない。アメリカに守ってもらえば日本のアメリカ化が加速する。日本の経済

も、金融も、商慣行も、雇用も、司法もアメリカのシステムに近づいていく。改革の

オンパレードで我が国の伝統文化が壊されていく。日本ではいま文化大革命

進行中なのではないか。日本国民は20年前と今とではどちらが心安らかに暮ら

しているのだろうか。日本は良い国に向かっているのだろうか。私は日米同盟を

否定しているわけではない。アジア地域の安定のためには良好な日米関係が必

須である。但し日米関係は必要なときに助け合う良好な親子関係のようなもので

あることが望ましい。子供がいつまでも親に頼りきっているような関係は改善の

必要があると思っている。

(14)

自分の国を自分で守る体制を整えることは、我が国に対する侵略を未然に抑

止するとともに外交交渉の後ろ盾になる。諸外国では、ごく普通に理解されて

いるこのことが我が国においては国民に理解が行き届かない。今なお大東亜戦

争で我が国の侵略がアジア諸国に耐えがたい苦しみを与えたと思っている人が

多い。しかし私たちは多くのアジア諸国が大東亜戦争を肯定的に評価している

ことを認識しておく必要がある。タイで、ビルマで、インドで、シンガポールで、イン

ドネシアで、大東亜戦争を戦った日本の評価は高いのだ。そして日本軍に直接

接していた人たちの多くは日本軍に高い評価を与え、日本軍を直接見ていない

人たちが日本軍の残虐行為を吹聴している場合が多いこと知っておかなけれ

ばならない。日本軍の軍紀が他国に比較して如何に厳正であったか多くの外国

人の証言もある。我が国が侵略国家だったなどというのは正に濡れ衣である。

(15)

日本というのは古い歴史と優れた伝統を持つ素晴らしい国なのだ。私たちは日

本人として我が国の歴史について誇りを持たなければならない。人は特別な思

想を注入されない限りは自分の生まれた故郷や自分の生まれた国を自然に愛す

るものである。日本の場合は歴史的事実を丹念に見ていくだけでこの国が実施

してきたことが素晴らしいことであることがわかる。嘘やねつ造は全く必要がな

い。個別事象に目を向ければ悪行と言われるものもあるだろう。それは現在の

先進国の中でも暴行や殺人が起こるのと同じことである。私たちは輝かしい

本の歴史を取り戻さなければならない。歴史を抹殺された国家は衰退の

辿るのみである。(完)

(続く)