バラク・フセイン・オバマ大統領(6)

【3】オバマ氏と過激派とのつながり

        

さてオバマ氏の未知の部分であるが、それは過激派とのつながりである。

(1)ビル・エアーズ氏(Weather Underground

   

オバマ氏は、1983年ごろからシカゴの黒人地区で社会奉仕活動を始め、198

5年にはリベラル色の強いその種の組織に加わっている。ハーバード大学のロー

スクールを修了し弁護士となった1991年以降にも、黒人の有権者登録の手助

けをする組織に身をおいている。

そんな過程のなかで、過激派と言われる活動家と接触をすることになる。

1970年代動したアメリカ合衆国極左テロ組織に「Weatherman」が

ある。1969年にミシガン大学においてSSD(民主的社会を求める学生)と言う

反体制組織を離脱した極左学生グループにより組織されたテロ組織である。

1970年からは地下に潜りウェザーアンダーグラウンドと呼ばれ、数々の政府機

関に爆弾を仕掛け、爆破事件を惹き起こしている。しかし1975年にベトナム

争が終結すると同時に組織は崩壊し、1977年には組織を解散している。

ビル・エアーズは、「ウェザーマン」の主要メンバーの一人で、地下に潜り活発

に政府機関に対して爆破テロを続けた。その後自首し服役するが、警察側の捜

査不手際で無罪釈放される。エアーズはその後大学院に進み、教育学の学位を

得てイリノイ大学シカゴ校の教授となり、シカゴ市の教育改革に関わることとな

る。

しかし彼はテロリストから更生したわけではない。2001年9月11日の同時多

発テロ直後のインタビューでは「もっと爆弾を仕掛ければよかった。仕掛けな

かったことを後悔している。」と語り、今もってバリバリの左翼テロリストなのであ

る。更生して教育者になったのではなく、教育者の顔をしたテロリストなのであ

る。イリノイ大学シカゴ校とはどんな大学なのであろうか。

ビル・エアーズと妻バーナディン・ドーン女史は夫妻そろって左翼テロリストなのだ

が、オバマ氏はこの夫妻と1990年代から交流し、シカゴの地域活動やイリノイ

州議会での政治活動について助言や支援を受けている。

シカゴでオバマ氏は民間の教育機関の理事となり、同じく理事だったビル・エアー

ズと知りあい互いに協力し合う関係にあったことはオバマ氏も認めていると言う。

エアーズの紹介でこの機関の理事になったと言うが、1995年頃のことである。

シカゴ大学の講師を勤めたことのあるオバマ氏とイリノイ大学シカゴ校の教授の

エアーズ氏は、大学教授などか多く住むシカゴ知識人住宅街の隣人である。

そしてイリノイ州議会上院議員に立候補した時(1996年)には、エアーズの自

宅で応援パーティーを開くほどの関係になっている。

少なくともオバマ氏はビル・エアーズが爆破テロリストであることは知っていた筈

なので、そのことを承知で(少なくとも同調して)付き合っていたことは確かだと思

う。この感覚が彼の今後の政治活動にどんな形で現れるか、見物である。

この項は、Wikipediaのほか、下記のサイトを参照している。

http://biglizards.net/strawberryblog/archives/2008/11/bill_ayers.html

http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-519.html

(続く)