バラク・フセイン・オバマ大統領(15)

(3)やはりオバマは自分が黒人であることに引け目を感じている。

(就任演説の第32節目)

  

だから、我々が誰なのか、どれほど長い旅をしてきたのかその記憶と共

この日を祝おう米国誕生の年、酷寒の中で、愛国者の小さな一団は、氷が

う川の岸辺で、消えそうな焚き火の傍らに身を寄せ合った。首都は見捨てら

れた。

進軍して来た。雪は血で染まった。我々の革命の結末か最も疑わしくなった

時、わが国の祖は、この言葉を人々に読むように命じた。

”酷寒の中、希望と美徳しか生き残ることが出来ない時、共通の脅威に気付いた

町も田舎もそれに立ち向かうために進み出た、と未来の世界で語られるようにし

よう”

So let us mark this day with remembrance, of who we are and how far we have traveled. In the year of America's birth, in the coldest of months, a small band of patriots huddled by dying campfires on the shores of an icy river. The capital was abandoned. The enemy was advancing. The snow was stained with blood. At a moment when the outcome of our revolution was most in doubt, the father of our nation ordered these words be read to the people:

Let it be told to the future world...that in the depth of winter, when nothing but hope and virtue could survive...that the city and the country, alarmed at one common danger, came forth to meet [it].”

独立戦争では、最悪な事態をも乗り越えてきた。いまの脅威もきっと乗りこえられ

る、と言っているのである。独立戦争の状況は

http://tameike.net/pdfs8/tame409.PDF

から引用させてもらう。

厳冬の最中、戦況は我に利あらず、首都(当時はフィラデルフィア)は英国軍に焼かれ、

武器も食料も衣服も不足していた。そんなどん底状態で、ジョージ・ワシントン軍はペン

シルバニア州バレーフォージで宿営する。独立軍は今にも解体寸前の心細い状況であった

が、ここで兵士の士気を高め、訓練を積んだことから形勢逆転のきっかけを掴む

と言う状況だったのであるが、このことを思い起こして、現在の眼前の脅威に対し

ても敢然と立ち向かい克服してゆこう、そして克服したことを我々子孫に残そうで

はないか、と檄を飛ばしているのである。

これは、至極真っ当なことでその通りであるが、小生は少しひねくって感じた部分

がある。

我々が誰なのか、どれほど長い旅をしてきたのかその記憶と共にこの日

を祝おう

と言う文言は、

「我々の祖先は、元はと言えば遠くアフリカの故郷から奴隷としてつれてこられ

た。そして長い間、奴隷として虐げられてきた。それはどれほど辛かったことか、

それを思うと身も裂ける思いである。今は一応は白人も黒人も平等な扱いを受け

ているが、まだ人種差別の風潮も残っている。完全な平等を確保する為にも、こ

の記憶は忘れずに、その日が来ることを祈ろう。」

と理解できるのである。これはひねくりすぎであろうか。もっともオバマはいわゆ

る奴隷と言われた黒人の末裔ではない。ケニアから来た留学生を父親として、白

人の女性を母とする47歳の男であるので、このひねくりは多分に観念的なもの

ではある。ただしシカゴで「コミュニティー・オーガナイザー」の職についていた頃

は、この人種差別に打ちのめされていたことは確かなのだが。

大統領になるためにオバマは、極力人種差別のことから距離を置いていた

人からも沢山投票してもらう為であった。しかし今はれっきとした合衆国大統領

である。されど大統領としてあからさまにそのこと(人種差別)に言及することに

は、躊躇する。そのために独立戦争のこの状況にダブらせて、人種差別を温存

する白人を非難しているのである。平たく言ってしまえばThe enemy was

advancing. の敵とは英国軍ではなく、オバマの気持ち的にはそれは人種差

を温存する白人を念頭に置いていたのであろう。ENEMY とは白人を意味し

たのではないか、と思うのである。

考えてみれば、アメリカ合衆国とは、国を挙げて遠くアフリカから「人さらい」を

行し、さらってきた黒人を何世代に渡って「奴隷」として虐げてきたのではない

か。

決して民主的な国家ではなかったのである。いわば古代や中世の時代と同じ

の、否それよりもひどい民主的な封建主義国家だったのである。

オバマは奴隷の子孫ではないがBLACKである。そしていまも人種差別は存在

する。オバマはそれを含めてThe enemy 言ったのである

人さらい奴隷制度の国から、ありもしないSEX SLAVE などと言われたくない

ものだ、とも思うのである。

(続く)