バラク・フセイン・オバマ大統領(19)

そしてこの後に、問題の第24節続くのである。このように見てくるとこの第24

節で仏教徒 Buddhist に言及しなかった意味は何だったのであろうか。それは

先に述べた様な中国への気兼ねでは無く、反対に中国の責任が非常に強い

と言うことを言わんとした様にも思えるのである。

即ち中国は、北朝鮮があることによって直接韓国と国境を接することがなくなる

し、北朝鮮が核を持つことにより日米韓を牽制し一種の自国の防衛にも資すると

でも思っているのではないか。

しかしオバマは、「そんなことを考えないで北朝鮮から核を取り上げ、早く地球温

暖化への対策も積極的に推進しなければならないぞ」「もしも北朝鮮の核がテロ

リストなんぞに渡ったら、容赦はしないよ」との、意味を込めていたのではないか

と勘繰るのである。

アメリカは、中国が「古くからの友人かかつての敵なのか(ケサンの例)」は知ら

ないが、核の脅威地球温暖化テロの防止には、それ相応の役割を果た

すべきだ、と言いたいのではないか、と小生は思うのである。

だからオバマが今後どんな政策を推進するのか、注視する必要があるというも

のである。それと多分にオバマが宣伝しているグリーン・ニューディール政策

にも注目してゆく必要があろう。

ちなみに第24節の全文を下記しよう。

第24節

For we know that our patchwork heritage is a strength,not a weakness. We are a nation of Christians and Muslims, Jews and Hindus and non-believers. We are shaped by every language and culture, drawn from every end of this Earth; and because we have tasted the bitter swill of civil war and segregation, and emerged from that dark chapter stronger and more united, we cannot help but believe that the old hatreds shall someday pass; that the lines of tribe shall soon dissolve; that as the world grows smaller, our common humanity shall reveal itself; and that America must play its role in ushering in a new era of peace.

我々のつぎはぎ細工の遺産は強みであって、弱みではない。我々は、キリスト教

徒やイスラム教徒、ユダヤ教徒ヒンズー教徒、それに神を信じない人による国

家だ。我々は、あらゆる言語や文化で形作られ、地球上のあらゆる場所から集ま

っている。我々には、南北戦争や人種隔離の苦い経験があり、その暗い時代か

ら出てきて、より強く、より団結するようになった。我々は信じている。古くからあ

る憎しみはいつかはなくなり、民族を隔てる線も消えると。世界が小さくなる中で、

我々に共通の人間愛が現れることになると。米国が、新しい平和の時代に先

ける役割を果たさねばならないと。

この第24節では、米国は新しい時代に先駆ける役割を果たすと言っている。

とすると上記で考察した解釈で行くと、中国に対しては、核の脅威や地球温暖

化、さらにはテロの脅威に対して、大きな役割を果たすように、アメリカは中国

に圧力をかけることとなる筈である。オバマは外交の経験はないといわれてい

る。果たして狡猾な中国や北朝鮮に対して、強硬にこの3本柱を押し付けてゆく

ことが出来るのであろうか。中国に対する態度で、オバマの真価が問われること

になる。

(続く)