しかし、体当たりも辞さないような危険な行為は、2001年に同じ海南島近くで起きた米中軍
用機衝突事件を思いださせる。調査船は非武装で、民間調査員も乗り組んでいたという。米
中いずれの主張が正しいにせよ、国際社会の規範を無視したやり方には深い懸念を持たざ
るをえない。
中国の対応にはもう一つ問題がある。中国自身は日本近海に調査船を派遣し、日本政府
との約束を無視して調査を強行してきたからだ。自国の調査船は相手国の意思にかまわず
行動し、他国の調査は組織的妨害で阻止するというのでは世界に筋が通らない。
今回の事件で海軍出身のブレア米国家情報長官は「01年の事件以来最も深刻で、どん
な国際合意に照らしても過剰な攻撃的行動」と議会で強く警告した。オバマ大統領も楊潔●・
中国外相に国防・軍事対話の格上げを提案、この問題を重視していく姿勢だ。
中国側は発足したばかりのオバマ政権の出方を試したのではないかとの見方が一部にあ
る。また、海南島付近は潜水艦部隊など中国海軍の重要拠点とされ、中国が過敏になって
いるとの説もある。
だが、どれも国際社会で通用しない妨害や脅しの口実にはならない。EEZ内の調査のあ
り方も含めて、冷静な話し合いで解決する態度を中国に強く求めたい。
●=簾の广を厂に、兼を虎に
http://sankei.jp.msn.com/world/china/090317/chn0903170355000-n1.htm
やっぱり世界は無政府状態、と言うよりも無政府だ。中国のこの態度をみればよく分かる。
【 中国の対応にはもう一つ問題がある。中国自身は日本近海に調査船を派遣し、日本政府との約束を無視して調査を強行してきたからだ。自国の調査船は相手国の意思にかまわず行動し、他国の調査は組織的妨害で阻止するというのでは世界に筋が通らない。】
ここにずばりと表現されている。将にこの通りである。中国の態度・行動は世界に筋が通ら
ない。しかし誰も中国を規制したり、罰したりはしない。世は無政府なのだ。しからば、世界
に出れば、自分のことは自分で守らなければならないのだ。日本も中国調査船の傍若無人
な行動を止めるには、中国に負けない国防力が必要となる。もしそれ相応の国防力が無け
れば、日本は中国に吸収されてしまう。(続く)