尖閣諸島問題(95)

ラクイラサミットでは、中国に打っちゃられてしまった地球温暖化対策だが、結局

はG8だけが「2050年までに地球温暖化ガスを80%またはそれ以上削減する」

と言う数値目標を課せられてしまった。

排出量目標を比較する基準年は、欧州が1990年で、日米が2005年を含め

複数年を主張し決まらなかった。そのため「1990年またはより最近の複数

年」に設定することとなった。('09.7.9日経新聞夕刊)


これもいい加減な基準ではあるが、それより地球温暖化は先進国だけに来るも

のではない。新興国にも平等にくるものであり、新興国にこそ、その影響は厳しく

なる。それでも中国を先頭に、削減の数値目標の設定には徹底的に反対した。

そこまで言うなら、単位あたりの排出量の大きさにより、排出量目標を定めるべ

きではないかい。CO2は経済活動の結果排出されるものであるから、経済活動

を基準にするのが一番よい。人が多くてもそれがCO2の排出量には直接的に

は影響しない。内陸部の多くの中国人は、大便と少しの炭酸ガスを排出してい

るだけだ。経済活動の結果は、その国のGDPの大きさでよくわかる。それが前

述した下記の数字だ。CO2の排出は、主に多量な「化石燃料」の燃焼の結果な

のである。中国化石燃料は、主に
石炭なのであるから、なおさら性質が悪い。
               

             中国         日本         米国
名目GDP('08年)  4兆4千億ドル  4兆9千億ドル  14兆3千億ドル
CO2排出('06年)  56億トン      12億トン       58億トン
人口('08年)     13億28百万人  1億28百万人   3億4百万人
排出百万トン    127.3百万トン   24.5百万トン    40.6百万トン
/GDP千億ドル   (4.2t/人)    (9.4t/人)       (19.1t/人)

          
GDP千億ドル当たりのCO2排出量は、

日本を1とすると、米国は1.66、中国は5.20となる。中国は、日本の5倍もこ

の地球に悪いことをしている、と言うことになる。それなのに日本は、2050年ま

でに、80%もCO2を削減しなければならない。これに対して、中国は何もしなく

てCO2を出し放しでよいことになる。「平均気温を2℃以内に抑える」なんぞは、

何もしないことに等しい。日本はそれなりに頑張るかもしれないが、中国はきっと

「しっかりと努力しているが、特に先進国の努力が足りないのではないか。」と

言って、何もしないはずだ。


いくら「12月のCOP15までに目標設定に努力する」と言っても、新興国資金

援助が決まらなければ何もしないと言っている以上、自分たちでは何もしないの

である。強大な軍事力を背景に、近年富に経済大国化した中国のごり押しの結

果である。中国にはわずかでも「ノーブレス・オブリージュ」と言うものがない。自

国だけがよければよいのであって、CO2の削減なんぞには興味がないのであ

る。あるのはアメリカの国債を人質にして、自国の権利と利益をごり押すことで

ある。そして世界に覇権を唱えることである。その手始めが、日本の尖閣諸島

占領することである。これでは困るのである。


そんな中国に、日本は、付き合ってはいられない。中国にはしっかりとCO2の削

減に取り組んでもらわなければならない。いっそのことG8主要先進国首脳会議

に加わってもらったらどうかと思うよ。そして削減の義務も負ってもらう。しかし中

国は世界の「悪がき」である。はい、はいとG8に加わることはないであろう。G9

となれば、それに反対する国々もたくさん出てくるであろう。


ここは、主要地球温暖化ガス排出国会議(略して、主要ガス排出国会議)なるも

のを作ったらどうか。CD13、Carbon Dioxide 13、二酸化炭素13である。

CD13 = G8+g5(新興5ヵ国はOutreach5とも言われるので、O5でも可。)


このCD13は必ずしもCO2排出量の多い順ではない。CO2排出量のデータは

持ち合わせていないので、GDPの多い順にTOP20を取り上げてCD20としても

よいであろう。

http://convenie.blog60.fc2.com/blog-entry-80.html  によるとそれは下記の通り。

1米国、2日本、3中国、4ドイツ、5フランス、6イギリス、7イタリア、8ロシア

9スペイン、10ブラジル、11カナダ、12インド、13メキシコ、14オーストラリア

15オランダ、16韓国、17トルコ、18ポーランド、19スウェーデン、20インドネシア

以上がGDP,TOP20(2008年度、CIA版)である。

赤字は、G8。
緑字は、g5(またはO5)。南アが含まれていない。
青字は、MEF(青字+G8+g5)に属する国である。デンマークが含まれていない。
茶色は、それ以外の国(5ヵ国)である。

CO2の削減は、CO2排出量の多い国に課せられた義務ではないかな。いくら

先進国の責任だ、と言っても現に中国は大量のCO2を排出している。これで見

ると、g5も排出国(GDP)TOP13に入っていることがわかる。これからのことを

考えると中国をはじめg5の国々も大きなことは言えない。もし「今までのCO2は

先進国の責任だ」と言うならば、日本はGDPの割には、ほとんどCO2を排出し

ていない。したがって排出削減義務は負わなくてもよいことになる。CD13でも、

GDP20でも、日本は削減義務を負わないので、抜かさせてもらう。CD12やGD

P19でやってもらいたいものだ。日本が、中国の削減状況を監視してやる。

そのためには、早急に核武装でもして監視や検証に耐えるだけの実力を持たな

くてはならない、と思うのだがどうかね。

(続く)