尖閣諸島問題(105)

(16)オバマの「駄目」なところ。

          
さて先月の2009年7月27日(月)と7月28日(火)の2日間、米国ワシントン

で、米中戦略経済対話が開かれた。金融危機発祥もとの米国・オバマ政権が、

今年のGDPが日本を抜き「世界第2位」となる経済大国化する中国とどう対話

するか、注目の的であった。


結果は、「均衡し、持続可能な経済成長」を促進することで一致しただけでめぼ

しい具体的な成果はなく、2大経済大国の協調振りをアピールするだけであっ

た。利害が対立する「為替問題」や「温室効果ガス削減の数値目標」などでの踏

み込んだ議論はなされずに終わってしまった。


2009年4月5日のプラハでのオバマ大統領の「核廃絶」に向けた演説や、今年

の初め2009年1月20日のバラク・フセインオバマの大統領就任演説などに盛

り込まれた熱意や理想とは、従って、お世辞にもかけ離れた似ても似つかぬ陳

腐な内容だったようだ。


米国の景気・金融対策、人民元切り上げによる貿易収支の均衡、CO2削減目

標数字の討議など何も議論されずに、オバマの中国故事をちりばめた歓迎の

言葉だけが残ってしまった。


アメリカにおけるオバマへの評価も、どこと無くよそよそしさが目立ってきている

と言う
「米中がどの2国間関係より重要」などと中国へのオベンチャラを言

い、王岐山や戴ヘイ国にぺこぺこするだけでは困るのである。


今年の1月20日の大統領就任演説では、オバマは、

強固な同盟と信念で、核の脅威地球温暖化に対処し、テロの脅威には断

固戦い決してテロリストたちには負けない、と言ったではないか。そして、中国の

責任に言及し中国に圧力を掛けるといっていたではないか。一体あの演説の

真意はどこへ行ってしまったのであろうか。


今一度小生のブログ、2009年1月30日より始まった「バラク・フセインオバマ

大統領」を振り返ってみよう。

上記の内容に言及したものは、下記のブログ(NO.17~NO.19)であった。


(a)1, '09.2.15~、NO.17  大統領演説NO.21節(強固な同盟の信念)、

(a)2, '09.2.15~、NO.17  大統領演説NO.22節(核の脅威、地球温暖化

かっての敵)

(b) '09.2.16~、NO.18 大統領演説NO.23節(テロの脅威)

(c) '09.2.17~、NO.19  大統領演説NO.24節(中国の責任)

          
今一度上記のオバマ大統領就任演説の内容をおさらいしてみることにする。

(a)1  NO.21節では

前世代は、ファシズム共産主義と、ミサイルや戦車だけではなく、強固な同盟

と強い信念で対抗した。そして我々の安全は、その大義の正しさが守ってくれた。

と述べて、自由主義陣営の同盟の強さをたたえている。そして我々はその遺産

を継承していると22節では高らかに述べている。

            
(a)2  NO.22節では、

我々は、この強固な同盟と信念(前世代の遺産)の番人だ。これからの世界で

は、核の脅威を減らし、地球温暖化を食い止めてゆかなければならない。その

努力には、古くからの友やかっての敵とともに努めなければならない。


かっての敵とは、一般的には、中国やロシアを意味する。特に中国は現在、ぐだ

ぐた言って積極的に地球温暖化対策を講じようとはしていない。その中国とも核

廃絶とCO2の削減にまい進すると言っているのだ。そしてさらにテロの脅威にも

言及している。

(続く)