尖閣諸島問題(106)

(b)  NO.23節では、

我々はテロには決して屈しない。我々は我々の生き方を守ってゆく。テロリスト

たちを必ず打ち負かす。

         
と言っている。この第21節~第23節で、オバマの三本柱、すなわち、核の脅

威、地球温暖化対策、テロ対策
、の三つには、強固な自由主義陣営の同盟

とかつての敵の中国やロシアなどとともに、毅然と対応してゆくと宣言している

のである。そしてあの仏教徒を無視した第24節へと続くのである。


(c)  NO.24節では、

アメリカ合衆国は、キリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒ヒンズー教徒、そ

れに無神論者で構成されている国だ。このつぎはぎ細工は強みであり、奴隷制

度を克服してより強くなった。米国は、この新しい平和の時代に先駆ける役目

を果たす。


米国は、かっての敵も巻き込んで、この三本柱の脅威に対して挑んでゆく役割を

果たす、と言っている。しかし米国を構成する宗教としては、仏教徒は含まれて

いない。これは中国への気兼ねで、ダライ・ラマに代表される(チベット)仏教を

敢えて避けたのではないか、とも言われている。事実、就任式の翌日には祈祷

会Nationa Prayer Serviceが開かれており、そこには世界3大宗教のひとつ、

仏教の指導者は1人も招待されていなかった。キリスト教イスラム教の指導者

は参加していた。明らかにダライ・ラマの招待を避けたのである。


もうひとつの考えとして、小生はそのブログでは、仏教徒に言及しないことで、

反対に中国に対して「お前の責任も相当に強いぞ」と言わんとしたのではない

か、ともとれると論じた。しかし中国は「かつての敵」として十分注目されてい

る。それに反して、何も出来ない日本を敢えて無視した、と考えるのがもっとも

妥当なものであると、小生は強く感ずるようになった。なにせ、核開発に成功し

たインドのヒンズー教が含まれている。日本には残念ながら自国を守るための

軍隊や、ましてや核の盾も無い。あるのはまやかしの「非核三原則」だ。やるの

なら、堂々と持ち込ませて、アメリカ軍と共に日本自衛隊も核を管理すると言う

体制にすべきではないか。もうそういう時代ではないかな。このままでは日本国

の生存はおぼつかないぞ。


なんとなれば、その答えが第10節にあるからである。第10節を下記する。

            
(d)  第10節

 In reaffirming the greatness of our nation, we understand that greatness is never a given. It must be earned. Our journey has never been one of short-cuts or settling for less. It has not been the path for the faint-hearted - for those who prefer leisure over work, or seek only the pleasures of riches and fame. Rather, it has been the risk-takers, the doers, the makers of things - some celebrated but more often men and women obscure in their labor, who have carried us up the long, rugged path towards prosperity and freedom.

 我々の国の偉大さを再確認するとき、我々は、偉大さが決して与えられたものではないことに気づく。それは勝ち取らなければならないのだ。我々の旅は、近道でも安易なものでもなかった。我々の旅には、仕事より娯楽を好み、富と名声の喜びだけを望むような、臆病者のための道筋はなかった。むしろ、我々の旅は、危機に立ち向かう者、仕事をする者、創造をしようとする者のためのものだ。それらの人々は、著名な人たちというより、しばしば、無名の働く男女で、長い、でこぼこした道を繁栄と自由を目指し、我々を導いてきた人々だ。

                      
日本は憲法9条のために、世界の紛争地域では1人では何も出来ない。リスクも

取れないし、何か実行も出来ない。米国は、日本をアメリカの植民地か属国

思っている。だから仏教徒を無視したのである。そして米中戦略経済対話では、

「米中がどの2国間関係より重要」なんぞと言われてしまうのだ。


2009年2月17日、初外遊先としてアジアを選ばざるを得なかったヒラリー・クリ

ントンは来日の最初の朝を迎えたが、まずは中曽根外相に対して日米同盟は

「アジア・太平洋地域の平和と繁栄の礎」と持ち上げたが、「米中がどの2国関

係より重要」とのオバマの言葉のほうがずっとずっと格が高いのだ。聞くところに

よると、国務長官ヒラリー・クリントンは他に行くところが無かったから、アジア

地域への訪問を行ったと言うではないか。日本も早急に憲法9条を改定して自

主独立を果たさないと、世界からおいていかれる。日本は、risk-taker でも、

doerでも、the maker of thingsでもない。それが出来ない仕組みに取り込まれて

いるからである。それはアメリカの属国の地位に甘んじているからである。なんと

しても自分の国は自分で守れるようにしなければ、米国と対等に付き合うことは

出来ない。

(続く)