尖閣諸島問題(118)

158.5,オバマ米大統領の孟子引用 隠れたメッセージ?米中の現状を暗示か200907281849

2009.7.28 18:49 このニュースのトピックス:オバマ米大統領
(Photo)
27日、ワシントンで開かれた「米中戦略・経済対話」で演説するオバマ大統領(ロイター)

 【ワシントン=山本秀也オバマ米大統領は27日、米中戦略経済対話の冒頭

演説で、中国の思想家、孟子の教えを引用し、米中両国の相互理解を促した。

だが、孟子の一節には、大統領が引用しなかった現状を憂える言葉が残されて

おり、あえて引用を控えることで、米中の現状に対する懸念を暗に中国側に伝え

たとも読めそうだ。

 オバマ大統領が引用したのは、孟子「尽心章句」の一節。「山中の小道は、人

が通ってこそ道となる。しばらく通らなければ、茅(かや)でふさがれてしまう」と

引用した上で、大統領は「子供の世代のために誤解や埋めがたい溝を避けるよ

う努力を」と訴えた。

 これは、米中の相互理解には絶え間のない対話が必要だと述べたものだが、

孟子の原文には、引用部分に続き、「いま茅があなたの心をふさいでいる」とい

う一言が残されている。ここまで読むと、米中関係の現状は、意思疎通を欠いた

結果、相互理解が欠落しているという懸念が浮かび上がる。中国の修辞法で

は、本当に伝えたい後半の字句をあえて省略することで、意図を暗示する方法

がある。

 開幕式での演説で、クリントン国務長官は「人心がひとつになれば、泰山(中国

山東省の名山)をも動かすことができる」ということわざで米中協力を呼びかけ

た。ガイトナー財務長官は「風雨同舟」という成語で、当面の経済情勢に米中が

ともに立ち向かう必要を指摘するなど、米側の演説はいずれも中国の故事成語

を引用していた


http://sankei.jp.msn.com/world/america/090728/amr0907281852008-n1.htm

               

こんなに中国故事をちりばめたあいさつは、反対に何も無いことを意味する。何

も具体策を引き出せないことが感じられるから、いわば、形式的に流さざるを得

ないとの思惑があるからであろう。こんな中国故事をちりばめたあいさつには、

別に吃驚(びっくり)することは無い。

        
その最たるものが、温室効果ガスの削減目標を討議しなかったことである。地球

環境問題が、現在この地球上で喫緊(きっきん、差し迫って大切なこと)の課題の

ひとつではないのか。この分ではCOP15のコペンハーゲンでは、何も決まらな

いのではないのか。折角G8とO5(g5)の首脳が会合を持ったのであるから、こ

のCO2の削減についても話し合うべきであった。g5の削減目標の話なんぞ、ど

こ吹く風、であったようだ。日本もあんまり真剣に取り組むべきでは無いかもしれ

ない。日本は既に他国よりも相当削減しているからだ。「(14)中国の「異質性」

-その3。」
でも、この件は言及している。そして、中国人民元が低く抑えられて

いることに対しても、アメリカは何も言えなかったようだ。1970年代、1980年代

の日本に対しては、米国は執拗に円の切り上げを迫ったではないか。現在は

その時よりもアメリカの国際収支は、相当悪化しているのではないかな。中国が

人民元を低く抑えて、アメリカなどへ、低価格を武器に中国製品を売りまくって

いる。そのためアメリカは常時国際収支が赤字で、中国は黒字でドルを貯めま

くっている。それでも、米国は中国に何も言えない。何故なんだ、これは。

          
それは、中国は核武装をしている独立国で、日本は国益を守るための戦争も出

来ないアメリカの属国の地位に甘んじているからに、他ならない。しかしアメリカ

に相当にいじめられたために、日本の国際競争力はかなり強くなった。しかし今

後の武力を背景とする中国の台頭する情勢の中では、いくら日本の経済競争力

が強いからと言って、日本が生き残れる保証は無い。少なくとも他国と対等な国

防力を持たなければ、一瞥もされない国となってしまう。なにせ、大国は、自国

の都合の良いように決まりを作り、小国をそれに従わせることが出来るから

である
。(岩倉使節団ドイツ帝国を訪問した時に、宰相ビスマルクは日本側

に、「如何に小国が国際法に従順で、誠実な態度をとり続けていようと大国は平

気で国際法を破るものだ」と警告している。Wikipediaより)

            
それに、オバマの重視する人権についても、何も中国には注文を付けなかった。

プラハでのオバマの「あの演説」はなんだったのか。これこそ「大国は自国の好

き勝ってな行動をする」最たるものであろう。

                        

160.2,米中戦略経済対話 温室効果ガス、数値目標に踏み込まず200907291756

2009.7.29 17:56 このニュースのトピックス:オバマ米大統領
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 【ワシントン=渡辺浩生】米中戦略経済対話が28日、閉幕し、両国は貿易不

均衡を是正しバランスがとれた経済成長を促進することで一致した。地球温暖

化やエネルギー問題での協力強化をうたった覚書にも署名した。世界規模の課

題に対する2大経済大国の協調ぶりをアピールすることを最優先し、利害が対

立する為替問題や温室効果ガス削減の数値目標での踏み込んだ議論は棚上

げされた。


 米国が過剰消費体質を改め貯蓄率を上げ、中国は米国向けを中心とした輸

出主導から内需主導の成長へシフトする-。貿易不均衡の是正で米中が合意

したことは「世界経済全体にとっても重要な成果だ」とガイトナー財務長官は強

調した。


 ただ、「米中が21世紀を形づくる」とオバマ大統領が演説するなど、両国の急

速な接近を演出することに神経が注がれた半面、利害が根本的に対立する難

題に深入りすることは避けた。


 実際、為替政策では「詳細な議論は行われなかった」(中国人民銀行の周小

川総裁)。中国は輸出競争力を維持するためドル買い介入を続け、米議会に

は「人民元相場は実勢より低い」との見方が根強い。だが、為替介入によって膨

らむ外貨準備から、約8千20億ドルの米国債を保有する中国に対し、米国は今

後も安定した購入継続を求めざるを得ない立場にある。


 このため、米国は、中国による為替介入批判を自ら“封印”した。加えて、ドル

の信任低下が自らのドル資産の価値縮小を招く事態を避けたい中国側に配慮

し、現在過去最悪の米財政赤字を2013年までに「持続可能な水準」に引き下

げると約束した。

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 中国側も今回、「ドルに代わる新たな国際準備通貨を創設すべきだ」という従

来の主張を、正面から唱えることを見送った。ドル安の回避は、米中間の隠れた

コンセンサスともいえる。


 一方、地球温暖化問題では、次期枠組み(ポスト京都議定書)の合意期限であ

る12月の国連気候変動枠組み条約第15回締結国会議(COP15)の成功へ

向け、協力するという。だが、先進国と途上国が対立する世界全体の削減数値

目標には踏み込まず、米中の溝が埋められることもなかった。


http://sankei.jp.msn.com/world/america/090729/amr0907291757012-n1.htm

(続く)