尖閣諸島問題(119)

そしてオバマは、中国に間違ったシグナルを与えてしまったのである。破格

中国への礼遇は、中国が自国内での人権蹂躙やチベットウイグルなどの占領

地への人権侵害は、許されるものと判断したに違いない。そして人民元への切り

上げ圧力など、何も示せなかった。これからの世界はさらに混乱してゆくであろう。


そのため中国は、再度尖閣諸島を侵略してくることであろう。日本は自分で自分

の国は守りきる、と言う強い意志を外に向かって表明しなければ、攻め込まれて

しまう。また次の日本の首相は、あの民主党の鳩山になりそうだ。そうするとなお

のこと、中国は勢い込んで日本に攻め込んでくる可能性がある。その点、今回の

米中戦略経済対話では、日本の安全保障を確保する点では、大きなマイナ

であったと理解して、戦略を組む必要がある。
            

160.3,乖離する「G2論」と米中の現実 200907291838

2009.7.29 18:38 このニュースのトピックス:オバマ米大統領
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 【ワシントン=山本秀也】米中戦略経済対話は、中断していた軍事交流の再開

で合意したものの、北朝鮮への制裁実施の詳細や新疆ウイグル自治区の人権

問題など、政治、安全保障分野における実質的な成果はなかった。両大国が世

界の流れを決めるという「G2論」と現実の間には、なお距離があることを示す結

果だといえる。オバマ政権は、破格ともいえる中国への礼遇ぶりを含め、中国と

の新たな対話メカニズムが始動したという実績を残すことに重点を置いた形だ。

 ■軍ナンバー2訪米へ

 米中の軍事交流は昨年10月以降中断していた。年内には政治将校出身の

中国軍ナンバー2、徐才厚・中央軍事委員会副主席が訪米する。


 交流の中断は、ブッシュ前政権が台湾へ武器を売却したことへの報復として、

中国側が通告していた。中台関係の好転をはじめ、オバマ政権が「一つの中

国」政策を堅持するとしていることから、軍事交流の再開は「当初から織り込み

済み」(米政府筋)だった。


 むしろ、今回初めて米中両軍の将官が安保対話に参加した意義が将来的に

は大きい。ただ、米側が海軍大将のキーティング太平洋軍司令官を出席させた

のに対し、中国側は「海軍少将」(同司令官)にとどまったというレベルの不均衡

は、是正されるべき課題だ。

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 ■対北朝鮮制裁

 中国の国連大使を経験した王光亜外務次官は、「国連安保理の対北制裁決

議には中国も賛成した。制裁は割り引かず実施する」と語った。中国の税関が、

ミサイルの製造に必要な希少金属バナジウムの対北密輸を摘発した成果は、

今回の対話と同時期に公表された。


 ただ、ミャンマー向けの武器搭載が疑われる北朝鮮船「カンナム号」を米軍艦

艇が追跡した事件では、「米側と協議はした」(王次官)というものの、「不確実な

情報」を理由に中国側は実質的な協力を見送った。米国とその同盟国には、

国が自国の都合で選択的に制裁に関与する
可能性を印象づけた。

 ■ウイグル暴動

 クリントン国務長官は、「新疆情勢を含む多くの人権問題を協議し、米側の懸

念を伝えた」と述べ、ウイグル暴動への対応をめぐる米中の相違を指摘した。こ

れに対し、王次官は米政府が暴動後に慎重な態度を維持したとして「称賛」し

た。在米ウイグル人組織が「分裂主義の拡散」を進めることを抑えるよう、米政

府に求めもした。訪日中の世界ウイグル会議ラビア・カーディル議長らを締め

付けるよう迫った形だ。


 王次官はまた、ウイグル暴動を「中国の国内問題」とする中国側の見解を米

側が認めた、と説明した。米中の発表は自国に都合がいい部分を強調したよ

うだ。

http://sankei.jp.msn.com/world/america/090729/amr0907291839013-n1.htm


              
「米中戦略経済対話は、中身の無い「シャンシャン」会議だったようだ」と先に述べ

た。


160.3,乖離する「G2論」と米中の現実 200907291838」
のニュースを見

る限りにおいて、矢張りこの会議は「シャンシャン」会議だった。


ブラハ演説のオバマのテーマは「核兵器と人権問題」、大統領就任演説での

バマの
三本柱
は、核の脅威、地球温暖化対策、テロ対策 の筈であった。特

に人権問題については、ウイグルでの中国の弾圧・虐殺については、何も言え

なかったというよりも、言わなかったようだし、テロ支援国家北朝鮮に対する

中国の煮え切らない態度、CO2削減に全く動かない中国、核の恫喝を厭わな

い中国
遅浩田の問題講演「米國打倒、日本殲滅」参照)に対しては、オバマ

唯一の超大国の大統領としては、やがては異質の超大国となる中国に対して

強烈な注文を付けておくべきであった。それがオバマの考えに合致する行動で

はなかったかな。


しかしそれも「どこ吹く風」だ。オバマの化けの皮が完全に剥がれたわけだ。そ

んなオバマが、日本を守ってくれるわけが無い。日本は、ますます、自分で自分

を守らなければならない事態となっていることを自覚しなければならない。
              

(17)中国が、日本に向かって攻めてくる。

                        

中国は核の恫喝も厭わない国である
、と言ったのには訳(理由、道理)があ

る。人民解放軍の長老の遅浩田の発言に対する記事は、既に紹介しているが、

今一度伊原吉之助教授のコラムの一部を下記しよう。
              

32.3(45.1)、> コラム > 伊原吉之助教授の読書室 200812260000 

  2008.12.26 北京 伊藤正「発展には軍事力が必要」 (緯度經度『産經』12.27, 5面) :

  1)今月 3日付『解放軍報』は 1面を潰し軍長老遅浩田前中央軍委副主席兼国防部長の回想記を掲載した。その数日後、軍事系など複数の中国国内サイト に遅浩田の「発言」が相次ぎ現れた。この発言は2005.4.の中央軍委拡大会議での講演で、内容の一部は当時海外に流出したが、偽造説もあった。台湾の武力解放のみか、米国打倒・日本殲滅を主張核使用さえ肯定する過激な内容で、退任 (03年) 後の発言とは言え、荒唐無稽過ぎるとみられたからだ。

  2)しかし 消息筋によると発言は本物であり、各サイト から削除もされていない。遅浩田がこの発言をした当時、各地で反日デモが吹荒れ、陳水扁総統ら台湾独立派への非難が高潮していた。劉亞州・朱成將軍らの強硬論が跋扈し、朱將軍は対米核攻撃の可能性さえ唱えていた。彼らの主張は遅浩田と同工異曲。そのポイントは 胡錦濤政權の「平和と発展」戦略への批判である。「平和と発展」戦略は 1984年にトウ小平が唱え、87年の第13回党大会以來継承されてきた党の基本路線であり、基本的な世界認識である。

  3)しかし遅浩田は、平和と発展戦略は今や限界に達し、「完全な錯誤、有害な学説」と一蹴する。なぜなら一国の発展は他国の脅威になるのが古来、歴史の法則であり、「戦争権抜きの発展権は有り得ない」からだ。遅浩田は、中国の発展が中国脅威論を惹起したのは当然とし、日本は嘗て中国の発展を阻止するため侵略戦争を起こしたとの見方を示した上で、今日、日本は再び中国の発展権を奪い、現代化過程を断ち切ろうと決意していると主張する。更に「例えば中国が原油を 2010年に 1億トン、20年に 2億トン購入するようになれば、列強が黙っていようか」と反問し、「軍刀下での現代化が中国の唯一の選択」と強調して戦争準備を促している。

  4)胡錦濤政權の対外路線と真っ向から対立するこんな主張が、なぜ今軍事系や民族系の ネット に 再登場し、多くの支持を得ているのか? 遅浩田が当面の急務に挙げたのが台湾・尖閣諸島南海諸島の「三島」問題だ。海洋権益拡大に努める中国海軍の当面の戦略目標は、東シナ海にあると西側専門家は指摘する。04年に中国原潜が石垣島周辺で日本領海を侵犯する事件があったが、今月(2008年、筆者注) 8日には中国の調査船が尖閣諸島海域を侵犯した。前者については中国政府は遺憾の意を表明したが、後者については中国固有の領土と強弁した。しかし中国の対日友好協力路線と相容れぬ行動てあり、中国政府の指示や 容認があったとは思えない。

  5)遅浩田講演が 今 ネット上に公開された背後に、国防力強化を追求する軍の強い意志があると専門家筋は見る。遅浩田は現役時代、空母保有を初め、装備近代化を強く主張する鷹派として有名だった。そして今、中国海軍にとって飛躍への好機が訪れた。ソマリア沖への艦艇派遣。中国の艦船が領海外へ戦闘目的で遠征するのは初めてだ。海賊退治の国際協力というお墨付きがあるものの、中国軍が本格的な空母艦隊を保持する大きなステップになろう。

  6)遅浩田講演を 紹介した文章は、遅浩田が嘗て日本に対処する特殊兵大隊を編成したが、平和な時代には不要として解散させられたとし、日米が絶えず中国を刺戟する悪しき結果を招いたと述べている。中国軍が何を目指しているか、平和惚けしては居られない。

  →遅浩田の問題講演「米國打倒、日本殲滅」 (「台灣の聲」【全譯文】12.30/15:06):産經新聞 12.27付掲載の伊藤正中国総局長の記事は、中国軍の長老遅浩田が 2005.4.の中央軍委拡大会議で行った講演「戰爭正向我們走來」(「戦争が正に我々に向ってやって来る」)に触れている。
                    

将に中国は「日本に戦争を仕掛けてくる」のである。しかも何発も核爆弾を打ち

込んで、わが国を殲滅しようとする強い意思を持っている。この論文は胡錦濤

権の「お墨付き」である。だから、北朝鮮の核よりも中国の核のほうが、日本に

とっては、非常に危険だと言ったのである。だから、日本も核武装をも考慮して

おかないと、滅ぼされてしまうのである。


政権選択とは、このような日本の安全保障を考慮して、為されなければならない。

今回の総選挙は、日本の安全保障をないがしろにする、と思われる民主党が圧

倒的に勝利してしまった。多分これでは究極的な雇用の保証は保たれないかも

しれない。日本の地位はますます低下してゆくであろう。しかし鳩山が政治を司

ることになる制度であるから、仕方が無い。中国が早速、尖閣諸島へ調査船を

派遣し、日本領海を侵犯してくることであろう。どうする、鳩山!。それとも鳩山

は、尖閣諸島を中国にやってしまうのか。心配だ。

(続く)