日本は1945年8月、アメリカにより引っ張り込まれた大東亜戦争に負け、中華
民国(蒋介石国民党軍)を含む連合国に降伏する。そして日本軍は、満州を含
む中国大陸から撤退することとなる。すると中国は第2次国共内戦に突入す
る。すなわち、蒋介石率いる中国国民党軍と毛沢東率いる中国共産党軍
は、熾烈な内戦に突入したのである。
中国共産党(人民解放)軍は、ソ連からの軍事援助を受け国民党軍と戦ってい
た。国民党軍は、アメリカからの援助を受けて戦っていたが、コミンテルンの指
令を受けたアメリカ政府内の共産主義シンパの策略により、その軍事援助は
削減されてしまった。このため国民党軍は劣勢を余儀なくされいた。国民党軍
は、政治の中心地・南京や経済的中心地・上海を守るために徐州に部隊を展開
させていたが、優勢に立った共産党軍は、その徐州を奪取するために大規模
な「淮海戦役(わいかいせんえき)」(1948年11月6日~1949年1月10日)を仕
掛けた。戦力数では優位にあった国民党軍は内部統制を欠き、この戦役で大敗
北をする。
これにより共産党は長江以北の華東地域と中原の広い地域を影響下に置き、
当時中華民国の政治的中心地の南京や経済的中心地の上海を直接威嚇する
ことが可能となった。そして当然中華民国での蒋介石の地位も揺るぎ始めていた。
人民解放軍は1949年1月に北平(北京)に入城し、同年4月23日には国民党政
府の根拠地の南京を制圧する。1949年9月に中国人民政治協商会議におい
て、10月1日を中華人民共和国の建国の日「国慶節」とすることを定め、それに
従い1949年10月1日、毛沢東は天安門で中華人民共和国の建国を宣言す
る。蒋介石率いる国民党政府は南京脱出後は重慶などをへて、1949年12月
台湾へ移ることとなる。
これが国慶節であり、10月1日をはさむ一週間が休日となる。
第1回(1950年)から第10回(1959年)までは毎年軍事パレードが行われた。
1960年から1983年までは国内経済の疲弊や文化大革命などで中断していた。
1984年の第35回(建国35周年)国慶節には軍事パレードが行われ鄧小平
が閲兵した。建国40周年の1989年は天安門事件のためパレード無かった。そし
て第50回1999年には江沢民が閲兵した。そして今年の第60回国慶節には
大規模な軍事パレードが行われた。そして胡錦濤が閲兵し、「同志諸君、ご
苦労!」と胡錦濤が国産車「紅旗」の上から叫ぶと、「人民のために奉仕する」
と居並ぶ人民解放軍の兵士が応えていた。
「中国は世界の東方に屹立」 マスゲーム演出は体制維持の演出200910011938
2009.10.1 19:38 産経ニュース
【北京=野口東秀】「社会主義中国は世界の東方に高くそびえ立っている」。中国の胡錦濤国家主席は1日の建国60周年の祝賀行事で、天安門楼閣から約20万人を前にこう演説した。「富国強兵」を目指す姿勢を鮮明にしたわけだが、動員した青少年による「党へ忠誠を尽くせ」などのマスゲームの人文字は、冷戦時代の軍事パレードや北朝鮮をほうふつさせるような演出だった。党の威信を大々的に誇示しなければならない裏には、国民の党離れに対する危機感がある。
午前9時57分。澄み渡る秋空に60発の礼砲がこだました。天安門広場周囲には約1万5千人の内外招待客がいた。記者(野口)が指定された席は天安門から東約100メートル横のところで、軍ナンバーをつけた国産車「紅旗」に乗った胡主席が天安門を抜け、その脇を通過した。
将兵約8千人、車両約500台。「同志諸君、ご苦労!」。威信を示す閲兵は16分間で、兵士は毛沢東語録にあるスローガン「人民のために奉仕する」を声をそろえて何度も応じた。10年前の江沢民前主席の閲兵と同じ光景だ。
マスゲームでは「国家に報いよう」「社会主義は良い」の人文字を小中学生8万人が次々と描き出す。約10万人が参加したパレードでは、北朝鮮のお家芸をしのぐほど一糸乱れぬ演技を披露。巨大な毛沢東の肖像画を先頭に「毛沢東思想万歳」などの政治的スローガンが続いた。
「国産」の有人宇宙船をかたどったものなど巨大な山車は60台に及ぶが、招待客の間から「どれほどの経費をかけて制作したのだろうか」との声も上がった。「パレードで誰かがゴミや卵を投げつけたり、批判の声を上げたりするだけでも国の威信が傷つく」と、治安要員約140万人が動員された。さらに準備リハーサル、道路補修、山車制作費など、総費用は公表されていない。
胡主席が「(中国の)発展の前途は無限に美しい」と演説したとき、観客席で拍手した中国陸軍の中佐は「国力に応じたパレードは誇らしい。経済も近い将来、日本のGDP(国内総生産)をしのぐ」と胸を張った。
しかし、一党独裁体制による経済発展の裏側で共産党員の腐敗が深刻化しているほか、貧富の格差も拡大、全国では毎年10万件近い農民らの抗議行動や当局との衝突が相次ぐなど、当局が社会と党の安定を脅かす情勢に危機感を強めているのは事実だ。
パレードの最後のテーマ「(中国の)美しい未来」を築けるかどうか、中国共産党は2012年の18回党大会に向け正念場を迎えている。
http://sankei.jp.msn.com/world/china/091001/chn0910011939007-n1.htm
(続く)