国慶節に思う。(30)

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2005年から2020年まで年5%でGDPが成長すると、2020年のGDPは約2倍に増えている事になる。仮に2005年のCO2排出量に対して40%減分(X)だけ2020年も削減する、と言う意味ならば、2020年も同じ比率で排出されたCO2からX分だけ削減に努力する、と解釈すると、削減後のCO2は2005年分より確実に、6、7割増えている事になる。しかし中国は8%成長だと言っているので、5%を8%に置き換えるとGDPは3倍となり、同じくCO2も3倍に増える事になる。これから40~45%を減らしても70%もCO2は増えてしまう。しかし中国は2005年比で40%減といっているので、この3倍に増えたCO2から2005年のCO2の40~45%分だけ減らしたところで、それはわずかな削減にしかならない。これから2005年比40%分のCO2を減らしても、CO2は3倍近くに増えている事になるのである。これは恐ろしい事だ。ChinaHIVどころではない。
            

次の朝日コムの内容のほうが中国政府の発表とマッチしている様に思う。

                      

中国が初のCO2削減数値目標 米に続き発表200911270032
2009年11月27日0時32分

【北京=琴寄辰男、古谷浩一】中国政府は26日、国内総生産(GDP)当たりの二酸化炭素(CO2)排出量を2020年までに05年と比べて40~45%削減するとの目標を公表した。中国がCO2削減の数値目標を示したのは初めて。

 地球温暖化対策では、米国当局者が25日、温室効果ガス排出を20年までに05年比で17%前後削減するとの目標を明らかにしたばかり。07年にCO2総排出量で米国を抜いて世界一になった中国も具体的な削減目標を決めたことで、デンマークコペンハーゲンで来月開かれる国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)での、各国の削減策を明記した「政治合意」を目指す交渉に弾みがつきそうだ。温家宝(ウェン・チアパオ)首相がCOP15に出席することも発表した。

 GDP当たりの排出量削減は、一定の経済成長に伴って排出されるCO2の量を、省エネなどを通じて減らす取り組み。CO2が野放図に放出される状況は改善されるが、経済規模の拡大に応じた総排出量の増加には歯止めがかからない。今回の中国の目標を総排出量でみると、特に対策をとらなかった場合に見込まれる量から数%の削減にとどまるとみられる。

 中国の目標は、温首相が主宰する政府の会議で25日に決定。政府の中長期経済発展計画に「必ず実現しなければならない目標」として盛り込まれる。ただ、26日夜に記者会見した国家発展改革委員会の解振華・副主任は「国情に基づく自主行動だ」と繰り返し、国際的な実行義務は負わないとの立場を強調した。

 総排出量という絶対量の削減ではなく、高い経済成長が続けば排出量が増える「GDP当たり」の削減目標を設定したのは、経済成長の制約につながるような目標は受け入れられないとの姿勢を明確にしたものだ。来年にも世界第2位の経済大国になる見通しとはいえ、国民の平均的な生活水準はまだ低く「現代化の実現にはまだ長い道のりを歩かねばならない」(胡錦濤=フー・チンタオ=国家主席)との立場からだ。

 COP15は12月7日に開幕し、16日に閣僚級会合、最終日の18日に首脳級会合が開かれる。 
http://www.asahi.com/international/update/1126/TKY200911260392.html

              

こんな中国の数字では、鳩山の言う「各国が参加して国際的に削減してゆく枠組みの構築」には程遠いのではないかな。鳩山からは今まで何の音沙汰も無いようだが、これを黙って見過ごす事はないでしょうね、鳩山さんよ。何とする、鳩山よ?
(続く)