国慶節に思う。(31)

本日('09.12.3水)の日経新聞にこんな記事が載っていた。
         

[温暖化ガス削減の上積み]
政府、中国に要求へ
COP15、交渉は難航必至
            

(1) COP15では、中国を含むすべての主要排出国の参加が必要。
(2)温暖化防止のためには、中国のあの目標では不十分である。
(3)なんとなれば、'20年には総排出量は'05年の2倍となってしまう。
(4)従って中国には、CO2削減の上積みを要求する。
(5)日本の25%削減は、「すべての主要国の参加による意欲的な目標の合意」
  が前提条件であるからである。
(6)米国の目標は'20年に'05年比で17%削減と少ないが、'50までに83%削減する
  と言う法案を審議中なので、それを見守る。
          

と言った内容のものである。中国の削減目標と言うか、抑止目標に対して文句を言うのは当たり前だ。「普天間」の話なんぞに現を抜かすくらいなら、こっちの中国のCO2排出削減の方がよっぽど重要だ。中国が抑止でなく削減方向に舵を切らなければ、日本の25%削減の話は国際公約とはしない、と声を大にして公言すべきである。しかしながらそんな話は少しも聞こえてこない。せっかくの交渉事のチャンスなので、この話のことを声高にすべきなのである。そして「マスコミ」にも、その事で騒いでもらう手立てを講ずべきなのであるが、やっぱり鳩山はボンボンである。その事になんら手立てを講じていないようだ。12月7日からCOP15の会合が開かれるのでしょう?。そしてお前さんもその会合に出席するんではなかったかい?!。

また、「世界各国のCO2の排出量の内訳」も載っていた。それによると排出量の世界一は中国で、第二位が米国となっている。

2007年の全体で290億トンのCO2の排出量の内訳は以下の通りである。

順位 国名   排出割合
1.  中国   21.0%
2.  米国   19.9%
3.  ロシア    5.5%
4.     インド     4.6%
5.  日本     4.3%
6.  ドイツ     2.8%
7.  英国     1.8%
8. その他    40.1%

よく言われていることであるが、日本が、死に物狂いで頑張って25%減らしたとしても世界の1.08%しかCO2は減らないのに、合わせて40.9%を排出する中国と米国で25%減らしたら、全体の10.2%ものCO2を減らす事が出来るのである。中国だけでも5.25%ものCO2が削減されるのである。日本と中国のGDPはほぼ同じなので、この比率は下記のものと同じとなる。

以前にも使った資料であるが、GDP当りのCO2排出量の比較は次の通りである。

中国5.2、米国1.9、日本1.0

如何に日本の省エネが進んでいるかが判ると言うものである。それだけ中国は、日本などよりも余分にCO2をモクモクと排出しているのであるが、裏を返せば、それだけ中国のCO2は削減できると言うものであり、日本でCO2を1だけ削減する費用で、中国では5.2もCO2を排出削減出来そうだ、とも言える。感覚的には、CO2の削減に限れば、日本1.0に対して中国10.0程度の削減効果となるような気がする。
(続く)