国慶節に思う。(32)

もちろん中国は、自力でそれくらいのことは出来る力がある。国慶節の軍事パレードを見ればその事は良くわかる。だから、日本は中国以外のインドやブラジルなどの途上国で日本の省エネ技術を行使して、CO2を削減すればよいのである。中国は自力で削減できる力を十分に持っているから、日本は中国にびた一文援助なんぞしてはならない。すればするほど、日本進攻の軍事力が増大するだけである、と考える必要がある。

このように考えると、鳩山は(小沢も一緒だが)、

(1)  中国はそんな微々たる量のCO2排出の抑止なんぞでは駄目。'90年比で削減を考えよ、そうでなければ、日本の25%削減は国際公約とはしない、と吼えなければならない。

(2)  更には、日本技術による(中国を除く)途上国でのCO2削減は、この25%削減に含む。

と、大いに言い触らさなければならないのである。さもなくば、何の押さえも無く25%削減の大法螺を吹いた事になる。なぜこの二つの事を声高に言わないのか、はなはだ疑問である。

さて先の引用したニュースの中に出てきた、中国のCO2の削減数字の、60%とか70%も増加するとか、数%の削減と言った数字の検証にかかろう。

(1)2005年から2020年まで、年率5%でGDPが成長すると仮定する。

2020年のGDPは、2倍(2.08倍)となる。CO2の排出比率は変わらないとすると、
2020年のCO2も、2倍(2.08倍)となる。

仮に2005年CO2を1とすると、2005年比で40%削減量は、0.4となる。
2020年のCO2は、2-0.4=1.6 となり、2005年のCO2の1が2020年には1.6となり、60%となるのである。(厳密には×2では無く、×2.08なので、1.68倍となるが。)

(2)実際には、中国は8%の成長と言っているので、年率8%成長と仮定する。

2020年のGDPは、3倍(3.17倍)となる。2005年CO2は、1とする。
2020年のCO2も、3倍(3.17倍)となる。CO2は、3(3.17)となる。

これから2005年比の40%削減量の0.4を削減すると、
2020年のCO2は、3-0.4=2.6 となり、2.6倍に増える事となり話にならない
そこで2020年のCO2の3の45%削減とすると、3×(1-0.45)=1.65 となり、65%増となる。実際には3.17倍なので、3.17×0.55=1.74 となり、74%増となるのであり、70%増といったのである。しかしこのケースは、中国の言う2005年比CO2を40%削減する、と言うことではなく、2020年のCO2を40%削減すると70%となる、と言うことである。

(3)  この2.6倍に増える事となり話にならないを続けると、

2005年比での40%の削減量0.4だけ、削減するとすると、

2020年のCO2は、8%成長で3.17、10%成長では 3.80 となるので、
それに対して0.4だけ削減しても、12.6%とか10.5%の削減としかならない。更には、経済成長に伴うCO2の排出割合が、石炭火力の割合の増加などにより、増える可能性がある。そうすると2005年比CO2を40%程度削減しても、一桁の削減としかならないだろうから、
数%の削減と表現したのであろう。
(続く)