英国のミリバンドエネルギー・気候変動相は、名指して中国を糾弾したのだ。
英国、COP15交渉妨げたとして中国など非難=新聞 200912211420
(トムソンロイター) 2009年12月21日(月)14:20
[ロンドン 21日 ロイター] ミリバンド英エネルギー・気候変動相は、デンマー
クで開催された国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)をめぐ
り、交渉を妨害したとして、中国、スーダン、ボリビアやその他南米諸国を非難
した。21日付のガーディアン紙への寄稿で明らかにした。
COP15は19日、日米欧や中国など20カ国以上の首脳らの協議でまとめた
「コペンハーゲン協定」の全会一致での採択を断念し、同協定に「留意する」との
文書を採択して閉幕した。
同相は「英国は、(法的拘束力をもつ協定の成立に反対する)これら諸国が世
界的な進展を妨げることを容認しない姿勢を明確に示す」とし、「議題の要旨に
関する交渉が今回のように乗っ取られることを二度と許してはならない」とした。
同相は「世界の温暖化ガス排出量を2050年までに1990年比で50%削減
する、また、先進国は80%の削減負担を担うとする(議長国草)案について合意
を得られなかった」と指摘した上で、「中国がこの両案に反対した」と名指しした。
ガーディアン紙は、同相は寄稿で中国のみに言及したが、側近によるとほかに
スーダン、ベネズエラ、ボリビア、ニカラグア、キューバも批判の対象としている
と解説した。
同相はまた、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)や、交渉の進め方につい
て「大幅な改革」が必要との認識を示したと。
http://news.goo.ne.jp/article/reuters/world/JAPAN-130408.html
中国は、もともとCOP15でのCO2削減などには、からきし興味や熱意などは持
ち合わせていなかった。コペンハーゲンでは、最大のCO2排出国としてそのCO
2を人質にして、いわゆる先進国から金をせびる事が第一の目的だったのだ。
そして第二の目的は、途上国の頂点の立つことであった。アフリカや中南米の
いわゆる「ごろつき」国家をたきつけて、と言うよりも配下に従えて途上国として
の立場を主張してCOP15を混乱させ、盟主然とすることだったのだ。中国は国
慶節では「大国だ」と先進国ぶりっ子をしたので、世界から「中国は先進国(に準
ずる国)だ。」と決め付けられることを極度に恐れていた。そのためいわゆるごろ
つき国家を焚き付けて、世界に対して戦線を張ったのである。そしてこの戦に勝
利している。COP15の権威は地に落ちたのである。次の記事を読めばその事
が良くわかる。中国はこの地球のHIVだ。
【COP15】中国の独壇場 オバマは「敗北」宣言 200912181952
2009.12.18 19:52
【コペンハーゲン=木村正人、粂博之】地球温暖化対策を協議する国連気候
変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)首脳級会合は中国が途上国を
率いるグローバルプレーヤーとしての力を誇示する場と化した。先進国のリーダ
ーとして米中首脳会談に臨んだオバマ米大統領は中国が仕掛けたパワーゲー
ムの厳しい現実を突きつけられた。G2(米中)の攻守は完全に逆転したことを世
界中に印象づけた。
■明暗
16日夜に現地入りした中国の温家宝首相は、17日に予定されていた記者会
見を土壇場でキャンセルするなど隠密行動に徹し、18日の首脳級会合全体会
合で初めて公に発言した。
「会議の結果がどうなろうとも中国は自らが定めた目標を達成し、さらに上積
みすることを確約する。これはあくまで自発的なものだ」。温首相は会場を見下
ろすように言い放った。
まもなく演壇に立ったオバマ米大統領の表情はこわばり、「各国による温暖化
対策を検証する方法が担保されない合意など、ただの紙切れと化すだろう」と怒
りをあらわにした。怒りの矛先は明らかに温首相に向けられていた。
オバマ大統領は18日朝、大統領専用機でコペンハーゲン国際空港に到着す
るや否や隣接するホテルにこもって首脳外交を展開。温首相とも会談した。前日
まで中国は、米国が提案する実質的な温室効果ガス削減を担保する「測定・報
告・検証可能」な仕組みを受け入れる構えを見せていたが、温首相は一転拒
否した。
■別動隊
「竹のカーテン」に隠れて姿を見せない中国の別動隊として先進国を揺さぶっ
たのがアフリカ諸国を中心に130の途上国が参加するグループ77(G77)だ。
COP15では「G77&中国」を名乗り連日、午前と午後に協議を重ねた。
「『G77&中国』は世界の人口の80%以上を占め、中国やインド、ブラジルで暮
らす数百万人がアフリカよりも貧しい生活を送っている」。G77交渉団代表を務め
るスーダンのルムンバ・スタニスラウス・ディアピィング氏は本紙に対しG77の
存在感と中国との連帯感の強さをこう表現した。
スーダンに対して米政府は1993年、テロ支援国家に指定。一方、中国は石油
利権のため国際刑事裁判所(ICC)がダルフール紛争をめぐる戦争犯罪で逮捕
状を出したバシル大統領を支援しているとして国際的に非難されている。(★)
(★)'07.9.24~の当ブログ「北京オリンピック」参照のこと。
クリントン米国務長官が17日、2020年まで先進国で年1千億ドルを拠出する
構想を表明した後も、ディアピィング氏は「(災害対策を除く)排出削減策だけで年
4千億ドル必要だ」と平然と言ってのけた。
同氏は会議4日目の10日、議長国デンマークの議事進行を不服として退場し
たのをはじめ、14日もアフリカ諸国を中心とした交渉のボイコットを主
導。16日には途上国から先進国寄りだと突き上げられていたデンマークのヘデ
ゴー気候変動・エネルギー相がCOP15の議長を辞任し、ラスムセン首相に交代
した。
■グローバルプレーヤー
会期終盤の16日、日本を含む先進各国の交渉担当者が集まり、交渉を前進さ
せるために「中国は何を求めているのか。とにかく中国と話をしなければならな
い」と知恵を絞った。
日本政府関係者の1人は「中国政府幹部は手分けしてアフリカ各国を毎年訪問
し関係を深めている。資源開発で援助もしている」と語る。2年前には中国・アフ
リカ協力フォーラム首脳会議を北京で開き、多数のアフリカ諸国首脳が“北京詣
で”を行った。
昨年の北京五輪でも各国首脳を招き、主要国首脳会議(G8)では拡大会合に
必ず顔を出す。高度経済成長を維持する一方で、途上国のリーダーとしての地
位も手放そうとしない。
先進国側は最後の最後まで、意味のある「政治合意」を目指して中国を説得す
る糸口を探す一方で、手分けして途上国の「切り崩し」に乗り出し、会議への協
力と資金支援の実行が不可分であることをほのめかした。日本もアポ無しで途
上国代表団を回ったが、大勢は変わらなかった。
大混乱の交渉がもたらした結果は何だったのか。
別の日本政府交渉筋は「中国は排出削減責任を負わされるというリスクから
途上国を守り、先進国からの資金支援を勝ち取らせた」と総括する。これこそ
中国の狙いだったのだろう。
オバマ大統領は2016年夏季五輪開催地を決める国際五輪委員会(IOC)総会
で涙をのんだ因縁の地コペンハーゲンで再び何の成果も上げられなかった。 ギ
ブズ大統領報道官は事前に、「中身のない合意を持ち帰ることになれば手ぶら
で帰国した前回より事態は深刻だ」と語っており、多国間協調主義を掲げるオバ
マ大統領の影響力低下は避けられない見通しだ。
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/091218/env0912181954006-n1.htm
(続く)