国慶節に思う。(48)

そのためコペンハーゲン協定」は、法的拘束力の無いあやふやな政治合意と

なった。鳩山のボンクラが、先走って何の押さえも無く「25%削減」などと口走って

しまったのであるが、とりあえず、日本だけが突出した削減目標を課されなかっ

ただけでも、良しとしなければならない。ただ、「清水の舞台から飛び降りた」

25%削減
であったが、このコペンハーゲンでは何の役にも立たなかったよう

だ。どの国も日本の25%削減を見習って、積極的にCO2削減に賛同してこな

かった。それよりもその事を盾に先進国だけに削減義務を課そうと、中国を先頭

に攻め込まれた。中国に削減義務を負わせようとした日本が、反対に「ミイラ」に

なるところだったのである。それが「京都議定書の継続」であった。京都議定書

が継続されるような事になれば、日本は突出した削減目標を課せられて、滅びて

しまうところだった。全くもって鳩山と民主党は、疫病神である。なんとなれば、鳩

山のあの国連での演説の『すべての主要国の参加による意欲的な目標の合

意が、我が国の国際社会への約束の「前提」となります。
』をどのように担保

するかが明確でなかったからであり、さらには、それを全世界へ展開する戦略に

欠けていたのである。欠けていた、と言うよりも、戦略なんぞは何もなかったから

である。いわゆる「言い放し」なのである。

言うなれば、「すべての主要国とはどの国か」、そして「意欲的な目標とはど

んな数字か」を、はっきりと示しておくべきだったのである。更に言わせてもらえ

れば、日本を更に貧乏にさせてしまうあの「鳩山イニシアチブ」をそれらの目標

の達成の工程とあわせて提示しておけば、少しは生きたものになる筈だったの

である。もっと言わせてもらえれば、鳩山イニシアチブを世界的な規模に展開し

て、先進国間でのCO2削減の途上国への資金と技術援助のコンソーシアム(財

団、協会)などへの橋渡しに役立てるべきだったのである。

('09.12.7、NO.33を参照のこと。)

例えば、中国は2007年のCO2排出量が世界一となったのであるから、それを踏

まえて、2020年までに2007年比50%(半減)させる。そのために先進国は中国

に対して、CO2削減の資金と技術をこれだけ援助(もちろんすべてが無償ではな

い)する。そしてその結果は検証できるものとする。---と言ったものだが、も

ちろん中国が受け入れとも思わないし、中国なんぞに援助はしたくはないが、例

えばの話、こんな具合に提案して国連にでもそのことを検討する機関でも設立さ

せてゆく、と言うような進め方が必要ではなかったかと思うのである。しかし如何

せん、鳩山はお坊ちゃんでそんな考えは更々持ち合わせていないし、民主党

にもそんな戦略を考える人材がいなかったと言うことである。まあ何はともあれ、

CO2を削減させるためにはこの地球を先進国と途上国との2分割ではまとまら

ないのは確かだ。途上国を更に分けて、いわゆる途上国と準先進国に分けて

CO2の削減の話は進めなければならない、と思うのである。

さて、その「コペンハーゲン協定」なるものを今一度おさらいしてみよう。次の記

事を参照願う。

                      

エコ亡国――「地球のため」で日本を潰すな
そして途上国への資金援助が残った
中国を代弁者に「G77」が削減要請に激しく抵抗
200912220000
2009年12月22日 火曜日
大西 孝弘
http://business.nikkeibp.co.jp/bns/author.jsp?ID=211808&OFFSET=0
              

 落胆が世界を覆った。
 12月19日。デンマークコペンハーゲンでの国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)が閉幕した。京都議定書は2012年までの先進国の温暖化ガス削減目標を定めている。この会議では2013年以降の法的拘束力のある削減目標を定める予定だった。

 会期を1日延長して最終日は徹夜で議論したものの、「コペンハーゲン協定」という法的拘束力の伴わない曖昧な政治合意をするのが精一杯だった。

一時は空中分解の懸念も

 主な内容は3つ。先進国が途上国に対して2012年までの3年間で300億ドル、2020年までに年1000億ドルの資金援助をすること。2つ目は地球の平均気温の上昇を2度以内にとどめること。3つ目は各国が温暖化ガス削減に努め、来年2月1日までにその目標をコペンハーゲン協定の付属書に記載するというものだ。

(Photo)
COP15で記者会見に臨んだ小沢鋭仁環境大臣

 環境省小沢鋭仁大臣は、「米中を入れた枠組みの構築にメドが立った」と前向きに振り返ったが、法的拘束力のある議定書作りは来年12月のCOP16まで先送りでその工程すら決まっていない。

 同協定についても「合意に留意する」ということを承認しただけ。環境NGO(非政府組織)である気候ネットワークの浅岡美恵代表は「世界の市民の期待を裏切った」と批判している。

 厳しく長い交渉だった。一時は政治合意すらできず、空中分解するのではないかとの懸念が広がったほどだ。

 12月7日からの会議にもかかわらず16日まではほとんど進展がなく、議論は空転し続けた。日本は9月の国連演説で、鳩山由紀夫首相が2020年までに1990年比で温暖化ガスを25%削減することと、途上国に資金援助する「鳩山イニシアチブ」を世界に発信。

 これらのカードを武器に交渉をリードすると意気込んだものの、国益がぶつかり会う場でイニシアチブ(主導権)は取れなかった

日本政府高官のアポなし説得も空振り

 「見通しが甘いと言えば甘かったのかもしれない」。会議終盤の16日、日本の政府高官は疲労をにじませながらこう漏らした。

 特に想定外だったのが中国など途上国の猛烈な反発だ。アフリカや南米などの途上国はG77というグループを結成。中国がその代弁者として会議の主導権を握った。議事進行にクレームをつけたり、途上国への削減要請に激しく反対した。

(Photo)
メディアやNGO(非政府組織)が集まる会場

 日本はCOP15までに中国政府高官と10回近くも会談。日本の政府高官は「意思疎通ができているつもりだったが」と悔しがった。鳩山首相は「中国との対立などが際立っている」と名指しで批判した。

 日本政府高官は膠着状況を打開するためにアポなしで途上国の代表団室を訪れ、首脳の説得を試みたものの、ほとんど効果がなかった。「その場では『良くわかった』と言うのに会議が始まると反対に回ってしまう」と嘆く。残り2日になっても道筋が見えない交渉に日本政府首脳は焦りを隠さなかった。

 日本の存在感の低下は、海外メディアの反応でも顕著だった。会場では世界中のメディアが交渉の中身をつかもうと、各国首脳が会議室から姿を見せると幾重もの輪ができた。

 しかし日本の首脳が会場に現れると、取り囲むのは日本のメディアだけ。集まった記者についてきた海外メディアは「中国か韓国か」と聞いてきて、日本だとわかると残念そうに去っていった。

(Photo)
日本メディアに囲まれる福山哲郎・外務副大臣

 膠着状況を打開したのは、17日以降に米国のオバマ大統領や中国の温家宝首相などの世界首脳が集結してから。世界25カ国の首脳が一堂に会して、政治合意文書の一言一句を練っていった。

 本来、こうした手続きは事務方が積み上げ、首脳が全体の方向性について議論するのが一般的だが、首脳が集結するまでにたたき台すら作ることができなかった。

(---続く)