国慶節に思う。(63)

それに、CO2の削減何ぞでは地球温暖化は防ぐ事が出来ない。鳩山の突拍子

の無い25%削減目標は、中国や米国が参加しなかった事で、既に意味の無いこ

とが証明されている。地球温暖化は、CO2の影響は皆無とはいわないが、もっと

宇宙的なのだ。太陽の活動と地球の地軸の傾きと揺らぎ、その他の事が複雑に

影響しあって地球の寒暖は支配されている、と見なければならない。


ここにそれに関する興味ある論文がある。次にそれを紹介しよう。それは、産経

新聞社発行の「正論」2009年12月号に載っている。


地球温暖化の原因は炭酸ガスにあらず-「25%削減」公約の愚かしさ」と

言う赤祖父俊一博士(アラスカ大学国際北極圏研究センター名誉教授)

論文である。


先ずこの論文の冒頭部分では、昨年の9月22日の国連気候変動首脳会議で

鳩山首相の「25%削減」演説に触れている。


この演説は、日本では大々的に報道され大成功したかのような報道振りだあっ

たが、世界の主要先進国の新聞では殆ど報道されなかった。事実、米国のCN

Nは報じていないと言う。先にオバマ胡錦濤の演説(★)を紹介したが、そこに

は鳩山の25%削減への言及は一言も無い。彼らは、鳩山の25%削減を前もって

知っていたにも拘わらず、何も言及していない。


(★)
オバマ大統領演説-'09.10.27,当ブログNO.11
胡錦濤主席演説--'09.11.24,当ブログNO.25


鳩山の25%削減は、この米中の2か国をCO2を大幅に削減させることに、引っ張

り込むためのものだった。米中両国共に、背に腹はかえられない「社会、経済問

題」を抱えている。だから鳩山の25%削減演説を、多分苦々しく聞いていたので

はないか、と述べている。そして昨年末の12/7から一日延長して12/19に終了し

たCOP15では、案の定、何も決まらなかった。


先にも述べているが、日本のCO2排出量は全世界の僅か4%でその25%削減

は全世界の1%しか貢献しない。然るに、中国は21%、米国は20%、併せて全

世界の41%のCO2を排出しているトップ2である。この2か国が率先して参加し

なければ、この25%はなんの意味も無い。仮にこの2か国が平均して15%の

CO2を削減すると約束すれば、全世界の6%以上のCO2が削減されるのである。

 
'09.12.30のNO.52では、CO2排出量に関するデータを掲載している。それに

よると、中国、米国、EU、露国、インド、日本の上位6か国が協力して夫々

15%のCO2を削減してゆけば、これら6か国で69%占めるから、全世界で

10%以上のCO2を削減する事が出来事になる。


まあ、それでも全世界の10%しか削減できないのであり、こんなに努力してもあ

んまり、と言うよりも殆ど効果は無い、と見た方がよいのである。オバマや胡錦

濤の演説はきれい事だけでまことに建前的発言でしかなかった。オバマは、単

に環境投資で雇用を拡大させると言っていただけであるし、更に胡錦濤として

は、金と技術をくれなければ何もしない、と反対に脅迫まがいの内容であった。

鳩山の25%発言に小躍りしたのは、開発途上国だけであった。彼らは日本から

資金が当てに出来ると踏んだからである。しかし排出権取引で日本から開発

途上国へ金が渡っても、CO2は一向に減らない。日本のマスコミとなんの力も無

い貧乏国が騒いだだけなのである。だから日本の国民は馬鹿なのである。なぜ

先進国が鳩山の25%削減に拍手喝采しなかったのか、の理解がまるで無い

らである。各国首脳の本心は、IPCC
'09.11.23,NO24)の示した気候変動のシ

ナリオを信じていない、しかもCO2が本当に温暖化の原因なのか疑っているの

である。ただ、CO2が温暖化の原因で無い、などと言えば世界から袋叩きにあ

うから建前発言をしているだけなのである。そんな事も弁えずに、鳩山は「25%

削減」何ぞと国際公約をしてしまったのである。この建前のために、開発途上国

は必死に先進国から金と技術をせしめ様と暗躍し、先進国は必死にそれを阻止

しようと活動していたのが、気候変動サミットであり、COP15の会合なのである。

こんな事にも無知な鳩山であり、民主党なのである。

(続く)