国慶節に思う。(66)

ここで注意しなければならない事は、現在は炭酸ガスが増加している最中なの

であるが、地球温暖化が止まっている、と言う事である。CO2が増加していると

言う事は、中国の自動車販売が日本やアメリカを抜いて世界一となり、中国の

GDPが日本を抜いて世界2位になりそうだと言う事でも、それは理解できる。中

国がモクモクとCO2を排出しているから世界のCO2は増え続けている。それに

も拘わらず2000年と2008年の地球の平均気温は同じなのである。これからは

この50~60年の準周期運動
(と博士は言っている。)は、ネガティブ(下降局面

に入る)になりつつあるから、地球の気温は上昇しないのである。

     
この準周期運動には、実は太平洋振動(PDO)と言う自然変動が深く関係して

いると言う。太平洋の海水温度が50~60年周期で変動している。現在、この自

然変動の原因が学問的に追及されているが、この地球自身の内的な原因が

50~60年の準周期運動の原因ではないかと言われているのである。

    
Wikipedia気象庁

http://www.data.kishou.go.jp/kaiyou/shindan/b_1/pdo/pdo.html)によると

   
PDOとは、Pacific Decadal Oscillation (太平洋十年規模振動)と言い、太平洋

各地の海水温や気圧が、おおよそ10年を単位とした2単位(約20年)周期で

変動
する現象。永年の気圧、海水温のデータからその平均値を取ると、太平洋

ではその平均値が約十年単位で大きく上下すると言うもので、そのメカニズムは

解明されていない。そしてPDO指数と言うものが算出されている。

   
それによると、PDO指数がプラスの時は、海面水温は、北太平洋中央部で平

年より低くなり、北太平洋東部や赤道域で平年より高くなる。また、海面気圧は、

北太平洋高緯度で平年より低くなる傾向がある。PDO指数がマイナスの時は、

この逆となる。

   
また過去のPDO指数の推移から1750年頃や1905年頃には振幅の大きな振動

があって、その後は「+」の領域に偏った。そして1946年頃からは「-」領域、197

7年頃からは「+」領域、2008年頃からは「-」領域へと変異している。傾向とし

ては、20~30年周期で+領域と-領域の入れ替わりがおきていると考えられ

る。しかしこの原因はまだ解明されていない。

  
この20~30年で+と-が入れ替わると言う事は、周期で言うと先に言及した

50~60年の準周期運動と重なるのである。

  
この地球の内的要因が何かはまだ解明されていないが、もう一つの
小氷河期

長期的周期1000年周は、主に太陽の活動に起因していると言う。最近の研

究では太陽の活動が低下した時がいわゆる小氷河期と一致している。Wikipedi

aによると、14C半ばから19C半ば(1400年~1800年頃の間)は、小氷期小氷

河時代(Little Ice Age,LIA)
と呼ばれた寒冷な期間である。この間は欧州や北

米でその記録が残っている。たとえば、17C半ばには、スイス・アルプスの氷河

が成長し谷筋の農場や村落を飲み込み、河川を堰きとめ洪水などが発生して

いる。イギリスではテムズ川、オランダでは運河などが冬季は完全に凍結して

いる。1780年には、冬のニューヨーク湾が凍結しマンハッタンからスタッテン島ま

で歩く事が出来たと言う。

   
日本でも、江戸の4大飢饉やその他の飢饉がこの時期に頻繁に発生している。

それらの飢饉は次の通りであるが、特に江戸時代には頻繁に飢饉が訪れている。

下記のURL参照の事。


http://www.jomon.ne.jp/~kosamu/reigai.htm

  
寛永の大飢饉
 1642~1643年(寛永19~20年) 全国、特に東日本日本海側に被害甚大
延宝の飢饉  1674~1675年(延宝  2~  3年) 冷害凶作
天和の飢饉  1682~1683年(天和  2~  3年) 天候不順
元禄飢饉  1691~1695年(元禄  4~  8年) 冷害凶作
享保の大飢饉 1732年    (享保17年) 中国・四国・九州、特に瀬戸内海沿岸一体
宝暦の飢饉  1753~1757年(宝暦  3~  7年) 冷害大凶作
天明の大飢饉 1782~1787年(天明  2~  7年) 全国、特に東北地方に被害大
天保の大飢饉 1833~1839年(天保  4~10年) 全国、特に東北、陸奥国出羽国

   
このように小氷河期においては地球規模的に寒冷化が進展し飢饉を起こしてい

る。そして江戸の4大飢饉といわれたものは、多分準周期運動の下降局面で発

生しているのではないかと、推測する。

  
最近の研究では小氷河期中は太陽活動が低かった証拠が次々と発表されて

いる。たとえば、Wikipediaによれば、小氷期の中頃の1645年から1715年にか

けては太陽黒点が示す太陽活動は極端に低下し、太陽黒点が全く観測されな

い年も複数年あった。太陽黒点活動が低下したこまの期間は、マウンダー極

小期
として知られている。太陽黒点活動の低下と気温の寒冷化を結びつける明

確な証拠は提示されていないが、小氷期の中でも最も寒さの厳しかった時期と

マウンダー極小期が一致する事実は因果関係の存在を暗示している。更には

1815年に起きたインドネシアのタンボラ火山の噴火の結果、翌年は「夏のない

年」として記録されている。

   
科学者はこれらの太陽活動の衰弱と火山活動の活発化が、小氷期を引き起こし

た原因としている。このように地球の内的な要因による50~60年の準周期運動

太陽活動の低下による400~500年の間続いた小氷期により、地球の温度の

低下がもたらされたものであり、現在は1850年以降から世界の気候は温暖化に

向かい始めている。このように、自然変動が地球の温度変化に強く影響を与え

ており、単にCO2だけが気温上昇に原因ではない。それをIPCCは、1975年か

ら2000年までの気温上昇を、単に炭酸ガスによるものとしてコンピューター計算

させて、2100年に6℃の気温上昇があるとして世界を驚かせたのである。
   
   
そもそもIPCCとは何者か。

(続く)