後日、
大鶴基成検事---「僕が起訴状を書けるなら、絶対に起訴していた。それだ
けの証拠は揃っていた。」
その証拠とは、
[石川被告は逮捕前日の1月14日、任意の事情聴取で「虚偽でした」と認め、翌
15日の逮捕直後には「小沢先生に伝え、了承を受けました」と供述し、調書も作
成されている。さらに土地の購入原資を隠すために持ち出した銀行融資の申請
書類に小沢氏本人が署名しており、れっきとしたブツも存在するのだ。]
次の記事を参照願う。
35.収支報告書「小沢氏の了解得て提出」 石川議員が供述
2010年1月21日3時2分
小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」が土地の購入原資4億円
を政治資金収支報告書に記載しなかった事件で、事務担当者だった元秘書の
衆院議員・石川知裕(ともひろ)容疑者(36)=政治資金規正法違反(虚偽記載)
容疑で逮捕=が東京地検特捜部の調べに対し、「報告書は小沢氏の了解を
得て提出した」と説明したことがわかった。ただ、記載内容まで了承を受けたか
どうかは話していないという。
特捜部は小沢氏の参考人聴取を早ければ今週末にも検討している。聴取で
は虚偽記載に対する小沢氏の関与の有無や認識の程度を慎重に調べるとみら
れる。
この事件で、特捜部は、石川議員のほか、同会の会計責任者だった公設第1
秘書・大久保隆規(たかのり)容疑者(48)らを逮捕。石川議員らは、04年に原
資不明の4億円を使って東京都世田谷区内の宅地を約3億5千万円で購入し、
07年に小沢氏に4億円を拠出するなどした収支を、報告書に記載しなかった疑
いが持たれている。
石川議員側の関係者によると、同議員は特捜部の調べに、報告書の提出に
ついて「小沢氏と大久保秘書に了解を得てから出した」と説明した。ただ、虚
偽の内容が含まれることも含めて報告したとは話していないという。
石川議員は故意に虚偽記載をしたとする逮捕容疑を認め、上の立場にいた大
久保秘書には報告したと供述している。一方、大久保秘書は「経理は石川氏任
せだった」と虚偽記載への関与を否認し、石川議員から報告を受けたかどうか
はあいまいな供述をしているという。
特捜部は、聴取の再要請に応じる考えを示した小沢氏側と日程を調整してお
り、報告書への虚偽記載に対する認識の程度のほか、複雑な資金操作を伴っ
た土地取引や、4億円の原資について説明を求めるとみられる。
土地購入原資の4億円について、小沢氏側の関係者は「小沢氏が父親から
相続した遺産」と説明。これに対し特捜部は、ダム工事をめぐるゼネコン側の
裏金が含まれるとみて捜査している。
http://www.asahi.com/special/ozawa_sikin/TKY201001200569.html
銀行融資の申請書類に小沢氏本人が署名した件は、2月22日のNO.4の記事
を参照願いたい。そこには「小沢氏は融資の関係書類に署名したという。」と記
述されている。小沢も「署名は秘書に頼まれただけ」と言ってはいるが、融資手
続きに関与した事を認めている。
小沢は2度目の事情聴取の後、貸付金に関する説明文書を配っている。次の記
事を参照願う。
43.9「裏金など一切もらっていない」小沢幹事長が説明文書
2010年1月23日20時16分
小沢一郎・民主党幹事長は23日、東京地検特捜部からの事情聴取後、「陸山
会への貸付等に関する経緯の説明」と題する紙をマスコミ各社に配った。
4億円の原資については「(1)1985年に自宅土地の売買などをした後、税引
き後に残った2億円を積み立てておいた銀行口座から89年11月に引き出した
2億円(2)97年12月に銀行の家族名義の口座から引き出した3億円(3)200
2年4月、家族名義の口座から引き出した6千万円を事務所の金庫に保管して
いた。04年10月にはこの金庫に4億数千万円残っており、うち4億円を陸山会
に貸し付けた」としたうえで、「不正な裏金など一切もらっておりません」などと報
道や指摘を否定した。
また資金の入金や売買代金の支払い、売買代金を支払い後に定期預金を組
んで預金を担保に借り入れたことなどについては、すべて「秘書が行っており、
私は関与していないので分かりません」などとした。
収支報告書の内容確認については「秘書にはきちんと管理し、報告するよう
言っていたが、実際に私自身が帳簿や収支報告書を見たことはありません。担
当秘書を信頼し実務を一切任せていた」などと説明した。
http://www.asahi.com/special/ozawa_sikin/TKY201001230241.html?ref=reca
もともとこの虚偽記載事件は、小沢の「黒い金」を「きれいな金」に洗浄するた
めの手続きであった筈なので、小沢の明確な指示や意図があったことは容易
に推測される。そのため、小沢は「何も聞いていない」とか、秘書は「小沢に説明
していない」などと言う事は有り得ない事である。小沢と秘書間では、綿密なコ
ミュニケーションが図られていたことであろう。なんとなれば、その金は小沢が
選挙のためにどうしても使わなければならないものであり、「選挙に強い」と言
われ続けなければならない基盤となる物であるからである。
(続く)