小沢資金問題(27)

更に長谷川氏はその綿密な取材活動から、小沢が相続した父親の遺産には4億

円もの価値はなかったと論じている。2月23日の同ブログに載せたNO.36の

記事で、小沢は「父親からの相続遺産」とし、ゼネコンからの裏金などは含まれて

いない」と主張しているのである。もう少し詳しくは、次の記事を参照願いたい。

     

43.小沢・民主党幹事長の任意聴取 土地取引、関与焦点
2010年1月23日14時33分

 小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体陸山会」をめぐる政治資金規正法

違反容疑事件で、東京地検特捜部は23日午後、東京都内のホテルで、小沢氏

本人に対する任意の事情聴取を始めた。土地取引や購入原資4億円などに小

沢氏がどのように関与していたかの解明が焦点だ。事件捜査は大きな山場を迎

えた。


 特捜部は今後、小沢氏の供述内容について、近く最高検など上級庁にも報告

する予定で、捜査方針を検討するとみられる。


 今月5日に特捜部が、解明のためには小沢氏の任意の事情聴取が不可欠と

して要請したが、小沢氏側に拒否され、17日に再要請。最初の要請から18日

後にようやく事情聴取が実現した。


 陸山会の会計責任者だった公設第1秘書・大久保隆規(たかのり)(48)、いず

れも元秘書で事務担当者だった衆院議員石川知裕(ともひろ)(36)、池田光

智(32)の3容疑者は、2004年10月に東京都世田谷区の宅地を約3億5千万

円で購入した際の原資4億円などを政治資金収支報告書に記載せず、同法違

反(虚偽記載)の疑いが持たれている。


 石川議員は原資4億円について、「小沢氏の個人資産」などと供述。また、陸

山会が土地代金を支払った直後、関連団体から集めるなどした4億円を定期預

金にし、それを担保に小沢氏個人が融資を受けるなどの取引をしていたが、小

沢氏が融資書類に署名していたことも判明している。特捜部は、陸山会代表の

小沢氏に(1)土地取引への関与度(2)虚偽記載の認識の有無(3)購入原資4

億円へのかかわり――などについて詳しく説明を求める見通しだ。

  
 これに対し、小沢氏は、父親の遺産
を妻と息子3人の各名義で預けてい

た信託銀行口座から98年と01年に引き出して自宅と事務所に保管して

いた計
約3億6千万円93年に出版し72万部を超えた著書「日本改造計

画」(講談社)の印税収入の残り約9千万円などにより、04年の土地購入

時には4億数千万円と十分な資金があったと主張する見通しだ。
 


 一方、特捜部は、土地購入と同じ04年10月に本体工事の入札があった「胆沢

(いさわ)ダム」(岩手県奥州市)の受注をめぐり、小沢氏側に裏金を提供したとす

る中堅ゼネコン「水谷建設」(三重県桑名市)元役員らの供述を得ており、裏金が

4億円の一部に含まれている疑いがあるとみている。このため、小沢氏の説明に

矛盾がないか詳しく調べるとみられる。


 特捜部の調べに、石川議員と池田元秘書は容疑を認め、大久保秘書は否認。

小沢氏からの指示については3人とも否定しているという。さらに、石川議員は、

収支報告書は小沢氏の了解も得て提出したとしながら、虚偽の内容が含まれる

ことも伝えたとは話していないという。

    ◇

 逮捕され勾留(こうりゅう)中の石川議員に23日朝、接見した関係者によると、

小沢氏が任意聴取を受けるとの報道内容を知らされ、石川議員は「ああ、そうで

すか」と答えたという。小沢氏の虚偽記載への関与については「自分はともかく、

こんなので小沢先生が虚偽記載になるんですかね」とも話していたという。

http://www.asahi.com/special/ozawa_sikin/TKY201001230185.html

    
この記事では、父親の遺産を信託銀行に預けていたと言っている。そしてそれを

1998年(H10年)と2001年(H13年)に引き出して、自宅と事務所に保管して

いたと言う。小沢としては、98年と01年には何らかの理由で現金の引き出しが

あったと思われるが、このWiLLではその3億6千万円の内訳は、「世田谷区深

沢の自宅を買った際に残った
2億円
」のほか、家族名義にしていた口座から引

き出した、と説明している。それをこの4億円に充てているが、10年もそのまま

保管していた事自体もおかしいし、更には長谷川氏は、父親の遺産はそれほど

の価値はなかったのではないか、と推定しているのである。問題は、この「残った

2億円
」である。

その訳は次のような事情から推測されるのである。

小沢の父、佐重喜氏は1968年に死亡している。そして小沢一郎は、文京区湯

島2丁目
の不動産を相続している。小沢はその湯島の不動産を担保に銀行か

ら金を借りて、世田谷区下馬6の不動産を購入し、短期売買で3千万円ほどの

売却益を得ていた事がある。その時の湯島の不動産の担保価値は、推定で3億

円にも満たない
ものであった。

以下そこら辺の事柄を時系列に列挙してみよう。
(続く)