番外編・プリウス急加速問題(10)

さて一旦終わりにしたこの件についてだが、ロンダ・スミスの証言した急加速の

原因が何であったか気になっていたが、その原因が下記のものに記されている

ので紹介したい。


2010年2月23日の米下院のトヨタ公聴会で証言した、スミス夫人のレクサス

「ES350」の急加速の原因が、明らかになった。それは、産経新聞社の「正論」

五月号に掲載された、『バッシング衝撃の真相トヨタは本当に過ち

を犯したのか
”黒幕”に金を出していたのはトヨタ訴訟の弁護士たち

だった
』(国際ジャーナリスト・大野和基氏)に詳しく載っている。以下それを紹

介しよう。


2010年3月22日 のこの「番外編・プリウス急加速問題(6)」で掲載した『
p6

「バックギアでも加速」米公聴会トヨタ車オーナーが恐怖体験を証言 』で

のスミス夫妻のレクサス「ES350」の急加速の原因は、この時点では述べられ

てはいなかった。そしてこのレクサスはその後スミス夫妻の手を離れ、3万マイル

もノントラブルで稼動している。更にはNHTSAがこのレクサスを買い取って調査

を始めると言ったところで、この結末は終わっていた。なお、スミス夫妻の経験し

た急加速は、3年以上も前の2006年10月の事である。


更に悪意に満ちていたことに、ロンダ・スミス夫人は、この公聴会ではその原因

を知っていたにも拘わらず、証言しなかった。以下この大野和基氏の「正論」の

告発文を引用する。


{スミスが急加速を経験したのは2006年だが、スミスの苦情を受けたNHTSA

(米運輸省道路交通安全局)が検査官をテネシー州に送って調査したものの、得

られた唯一の結論は、彼女がフロアマットを二枚敷いていたことだけだった。しか

もアメリカ人好みの、全天候型のゴム製のフロアマットが、元のマットの上に敷

かれていたのである。スミス自身も2007年、「こういうマットが敷かれていたこと

は悲しい事だ」と語ったと言う。

スミスは急加速を経験後、自分の車をすぐに売ったが、レクサスのディーラーが

調査してもその車には何の異常も見つからなかった。車はその後、別のユーザ

ーの下で二万七千マイル(約四万三千キロ)走行しているが、その間、急加速の

不具合は生じていない。(注)ブログの中では3万マイルを走行している、と言っ

ているが。}


ではなぜロンダ・スミスは、米議会の公聴会と言う公式の場で、涙ながら演技ま

でしてあたかもトヨタの電子制御の問題であるかのような証言をしたのであろう

か。また、米ABCテレビも、あたかも電子制御装置の欠陥であるかのように編集

した映像に差し替えてまで、”インチキ”映像を流したのであろうか。


それには、集団訴訟で莫大な賠償金をせしめようとする悪徳弁護士のグルー

が存在していた。米国には、用意周到に準備して集団訴訟に持ち込み莫大な

賠償金をせしめようとする「ビジネスモデル」が存在しているのだ。そしてこの悪

徳弁護士グループが裏で、この件を操っていたのである。その上、オバマは自

分の子としたGMを再生しなければならない立場にある。オバマ民主党もこの

動きに乗っかっているわけだ。しかも日米関係は、痴呆の鳩山のお陰で最悪と

来ている。中間選挙もあることだし、だからオバマトヨタバッシングに乗っかっ

ているのである。


ちなみにオバマは、2008年に経営破綻したGMやクライスラー公的資金を注

入している。それに、オバマ民主党の支持母体は労働組合である。その一つ

UAW(United Auto Workers、全米自動車労働組合)である。そして、GMの

株式
政府が60%、UAW17.5%を所有している。またクライスラーは、

府が
10%、UAWは65%
の株式を所有することになったのである。即ち、オバ

マは、GMやクライスラーのCEO(Chief Executive Officer、最高経営責任者)な

のである。だから、オバマ政権と議会は、GMとクライスラーの経営再建を有権

者から迫られていることになるのである。(ここら辺の事情は、SAPIOの4/14・

4/21合併号
に詳しい。)


だからトヨタが躓(つまづ)いたりこけたりすれば、それだけオバマにとっては好

都合なのである。と言うよりも躓かせるために、同じ弁護士としてオバマは内心

彼らに喝采を送っているのではないかな。だから、鳩山は日本経済を守るため

にも、更には日本人の命を守るためにも、オバマに「余りトヨタをいじめるな」と、

一言二言言うべきだったのである。まあ、鳩山の「命を守りたい」は、「自分に都

合のよい命は守るが、そうで無い場合は守らない」と言う意味なので、そんな事

を期待する事自体が土台無理からぬ事であろう。


この悪徳弁護士たちの件も、大野和基氏の正論の告発文を引用しながら、以下

述べてみたい。


この悪徳弁護士グループの手足となって動いているのが、「ショーン・ケイン」と

言う人物である。ケインは、「Safety Research & Strategies」と言うウェブサイ

トを持っており、そこで、専らトヨタ車の負傷事故や安全問題に関する情報ばかり

を扱っていると言う。悪徳弁護士グループは、ケインに金を出して、メディア作戦

を遂行
していたのであり、そしてこの作戦はトヨタのまずい対応もあり、半ば成功

しているのである。そんな時に起こったのが、あのサンディエゴで一家4人が死

亡した「マーク・セイラー事件」なのである。この件は、3月17日の当ブログNO.

2を参照願いたい。


ショーン・ケインは、この「マーク・セイラー事件」を絶好の話題として扱い、メディ

アに登場してトヨタ・バッシングを展開したのである。またケインから情報提供を

受けたロスアンゼルス・タイムズの記者たちも、トヨタ車に限って急加速問題を

報道し続けたのである。そのため殊更に問題は大きく広がっていったものと思

われる。悪徳弁護士の手先となって動いているケインは、NHKの3月2日の「ク

ローズアップ現代」にも登場していると言う。そのためNHKの取材活動や番組作

りに、大いなる疑問を感じたと、大野和基氏は述べている。

(続く)