番外編・プリウス急加速問題(28)

ここの図式は次のようなものである。

a.高額賠償金獲得に奔走する悪徳弁護士グループ

b.悪徳弁護士の手先となって一攫千金を狙う一発屋ショーン・ケイン

c.名前を売り金を稼ぎたい悪徳マスコミ屋・LAロスアンセルスタイムスの記者とメディア

d.GMやクライスラーを再建させなければならないオバマ大統領

h.鳩山政権の無策ぶり

t.お家大事なのに内部抗争が勃発しているトヨタ自動車

t'.トヨタへのロイヤルティ

と言った関係が存在する。簡単に図示するとこんなものか。

 
{(b+c)^c×a}×d-(-t)-(-h×t’)=トヨタリコール問題の拡大性

 
簡単に説明すると、こうなる。

ケインとLA記者が結託してトヨタを追及し、LAタイムズがメディアとして宣伝する

とそれらはべき乗で拡大する。それにオバマが乗っかって、更に問題が沸騰す

る。しかもトヨタはお家騒動でそれらを抑えられない。それどころかそのために対

応を誤り、火に油を注ぐ結果となってしまった。トヨタの対応がすばらしければ、

拡大するどころかマイナスサイドに影響しトヨタに対しては好影響をもたらす可能

性だってあった筈なのだ。そして更に鳩山の無策さが足を引っ張っている。そん

なこんなでマスコミの力は累乗で影響するほど、今回の場合は大きくなってし

まったのである。以下、ジェフリー・ライカー教授の解説を紐解いてみよう。

 
悪徳弁護士グループとショーン・ケインの一派は、明確にトヨタを標的として活動

していた。もちろん訴訟で勝利して賠償金をせしめるためである。これはアメリカ

にはびこる悪いビジネスモデルである。そしてアメリカの魂とも言うべき自動車産

業のトップGMとクライスラーまでもが潰れてしまった。ある意味、トヨタはアメリ

カの目の敵的存在となってしまったのである。そのためLAタイムズはトヨタに対

してネガティブキャンペーンを繰り返していた。そんな時にサンディエゴのレク

サスES350の暴走事故
が発生した。メディアやケインはこれ幸いと、この事故

を中心にメディアでトヨタバッシングを激化させていった。また悪いことに、トヨタ

が採用している米国部品メーカーのCTS社のアクセルペダル問題が、クローズ

アップされた。そして新型プリウスのブレーキ問題だ。これらは実用上ほとんど

問題の無いほどの不具合だったが、事ここに至っては(世論全体がアンチトヨタ

的になっているときには)トヨタはこれらの問題に慎重に対処しなければならな

かった。しかし対処方法を誤ってしまった。

サンディエゴの事故は、http://nappi10.spaces.live.com/blog/cns!39E8451829AE7F4!19904.entryを参照のこと。

サンディエゴでのレクサスES350の暴走事故は、2009年8月29日に発生して

いる。(高速警察隊員だったマーク・セイラーさんご一家3人と義弟のクリスさん

のご冥福をお祈りいたします。)このとき豊田章男氏は社長になったばかりの時

であった。しかも創業家グループとアンチ創業家グループの反目トヨタ社内

には存在していた。そのためこの問題やこれから起こるトヨタ車やレクサスの不

具合に対しては、それほど敏感に反応できなかったのではないかと、推測され

る。

しかもLAタイムズやその他のメディアは、意図的にトヨタバッシングのキャンペ

ーンを繰り広げている。普通であれば、トヨタはこれらの不具合に対してはもっと

うまく立合って行ったのではないかとも思われるのであるが、そんな訳で対応は

もたもたした

しかもメディアの執拗なプレッシャーで、NHTSAも相当苛立っていた。そしてと

うとう堪忍袋の緒を切らして、と言うよりもある意味責任逃れ的に、トヨタにその

責任
(本来NHTSAがやらなければならない原因究明)のすべてを、振って

しまった
。例えば他に原因があるのではないかとか。トヨタも慎重にならざるを

得ず、純正のマットまで使うな、などと慎重過ぎる対応をしてしまった。

そしてNHTSAは、更に苛立ってトヨタ生産を止めるように指示してしまっ

た。生産を止めるだけの根拠など無いにも拘わらずにだ。もうここに至っては、ア

クセルペダルがどんなマットを使っても引っかからないように短くするリコール(本

来はリコールではない、サービス改修でよいと小生は考えるのだが)をしてもトヨ

タは何かを隠している、などと言うデマが流布しだしてしまっていた。

例えば「電子制御スロットルシステム」に問題があるのではないか、とか。これ

こそがLAタイムズやショーン・ケイン達の究極の標的だったのである、そしてまた

オバマの標的
もこれであった。オバマトヨタが潰れてくれれば、好都合なので

ある。しかも悪いことにメディアのトヨタバッシングが沈静しかかっても、オバマ

権は依然とトヨタを目の敵にしている。何かとイチャモンをつけてトヨタを攻め続

けている。いくらトヨタが誠実に対応しても、制裁を課そうと思えばいくらでもその

理由は作り出せるのである。それが政治と言うものである。そのためトヨタラフ

ード運輸長官
を招待して、自社の品質管理の取り組みを披露したのである。

    
p67米運輸長官、トヨタの安全施策を注視=追加制裁は改めて判断-日産、ホンダも訪問

2010年5月10日(月)18:03  JIJI  PRESS 時事通信社
(Photo)ラフード長官がトヨタを訪問 (時事通信)

 ラフード米運輸長官は10日、大規模リコール(回収・無償修理)を実施している

トヨタ自動車本社(愛知県豊田市)を訪問し、品質管理施設などを視察した上で、

豊田章男社長とともに記者会見した。ラフード長官は「(トヨタの対策に)意を強く

した」と一定の評価をしたものの、「(対策の結果は)ふたを開けてみないと分か

らない。実行されるかが大事だ」と強調し、今後の推移を見守る考えを示した。


 また追加制裁に関しては「すべて(の資料を)レビューし、何をするかは、その

時点で判断する」とした。トヨタはラフード長官の視察でリコール問題をめぐる懸

念の払しょくを目指したが、最終決着にはまだまだ時間がかかりそうだ。


 ラフード長官はまた、今回の訪日を機に、日産自動車やホンダも訪問し、安全

対策などに関して意見交換する考えを示した。 

時事通信社
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/business/jiji-100510X992.html

          

しかしこんなことをしてもオバマは決して手を緩めないであろう。なんとなればオ

バマはGMやクライスラーのCEOなので、 なんとしてもトヨタを倒して(弱めて)、

GMやクライスラーを復活させなければならない立場に居るからなのである。そ

れにしてもトヨタも、運輸長官を招待するなんぞと言う「日本的」な対処方法を執

ると言うことは、逆効果になるとは考えなかったのか。やるとすれば、豊田章男

社長が米国に行って運輸長官に説明することで、そしてその確認に「トヨタを見

せんか」、と招待すると言う手順ではないかな。その方がより効果的ではないか

と考えるのである。 トヨタもまだまだ冷静にはなりきれて居ないようだ。こんなこ

とではアメリカは手は緩めない筈だ。

(続く)