番外編・プリウス急加速問題(40)

トヨタとしても、目には目を、歯に歯を、と言ったところか。その気持ちわからない

でも無いが、もう少し落ち着いてから、手につけてもよかったのではないかとも思

う。と言うのも、レクサスの旗艦車種に不具合が見つかり、リコールを発表をせざ

るを得なくなったからだ。これでは、せっかく沈静化しているトヨタへの批判を再度

ぶり返すことになりかねない。だからショーン・ケイン達への宣戦布告は落ち着い

てからでよかったのである。やはりまだまだトヨタといえども、冷静さを保っている

ようだが、完全には冷静にはなり切れていないようだ。豊田章男社長も突っ張り

すぎないほうがよい。

      

p75トヨタ:信頼回復途上に痛手 レクサスのリコールで
毎日新聞 2010年5月19日 22時19分(最終更新 5月20日 0時06分)

(Photo)VGRSの仕組み
筆者注、Variable Gear Ratio Steering、トヨタが開発したギヤ比可変ステアリングのこと。

 トヨタ自動車は19日、ハンドルが一時的にタイヤと連動しなくなる不具合があ

るとして、レクサスの旗艦車種「LS460」など4車種のリコール(回収・無償修理)

を決めた。台数は国内で約4000~4500台、海外分を合わせても1万台余と

少ない。しかし、米国を中心に延べ約1000万台に及んだ大規模リコール問題の

衝撃がようやく沈静化してきただけに、新たなリコールの発生は、
ブランドイメー

ジの低下
など痛手となりそうだ。


 「信頼回復には、顧客の不安に瞬時に対応する必要がある」--。トヨタ幹部

は、今回のレクサスのリコール決定をそう説明する。一連の大規模リコール問

題で、対応の遅れを厳しく批判されたトヨタ豊田章男社長は再生に向けて「顧

客の安心・安全を最優先する」との方針を掲げ、リコールを躊躇(ちゅうちょ)しな

い姿勢を示している。


 ただ、今回、リコールの対象となったのは、高級車ブランド「レクサス」の中でも

最上位クラスのLSシリーズ。セダンタイプの「LS600hL」は価格が1台1000

万円以上。メルセデス・ベンツなどに対抗するトヨタ看板高級車種だけに、リ

コール対象台数以上に、富裕層など顧客へのイメージダウンの影響が懸念さ

れそうだ。


 リコールの原因となったのは、ハンドル操作と前輪の動きを適切に調整する


子制御装置
ギア比可変ステアリングシステム(VGRS)」。もともとトヨタがベ

ンツなど欧州の高級ブランドに対抗する武器の一つとして導入したものだが、今

回はその自慢の高度なハイテク装置に落とし穴があった。


 LSのパワーステアリングは電動式で、ハンドルを切るとモーターに熱が発生す

る。ハンドルをいっぱいまで切った状態を保った場合や、何度もハンドルを切って

モーターが一定以上の熱を持つと、故障を防ぐためVGRSが停止する仕組み。

1~2秒でVGRSは再び作動するが、作動前にハンドルを戻し始めると、ハンド

ルを切る量と実際のタイヤの角度が一致しない状況が一瞬発生する現象が起

きた。VGRS作動後はハンドルとタイヤ角度のズレを検知する装置が働き、通

常に戻るが、この際のタイムラグが顧客に不安を与えていたという。


 今回の問題は通常の運転ではほとんど起こらないといい、トヨタは説明書に注

意書きを入れていた。しかし、顧客からの不安の声が相次いだ以上、信頼回復

途上のトヨタにはリコール以外の選択肢は無かった。【米川直己】


 【ことば】ギア比可変ステアリングシステム(VGRS)

 車の速度に応じてハンドル操作を補助し、前輪の動きを最適に調整する電子

制御装置。低速走行時には、ハンドルを少し切るだけで前輪が左右に大きく動く

ようにし、駐車やUターン時の操作を容易にする。一方、高速走行時にはハンド

ルを動かす角度に対する前輪の動きを小さくし、急ハンドルによるスピンなどを

回避する機能がある。トヨタは02年、SUV「ランドクルーザー100」に初搭載。

クラウンマジェスタ」や「レクサスGS」などにも採用を広げた。

http://mainichi.jp/select/biz/news/20100520k0000m020089000c.html

        

必ずしもトヨタがアメリカ社会で、完全に受け入れられていると思わないほうがよ

い。集団訴訟を起こされている事もあり、トヨタにとって、今後何が起こるかわか

らないのである。レクサスの暴走で死亡事故も起きている。その暴走の原因は

必ずしもレクサスの欠陥では無いかもしれないが、今は目立った事は控えたほ

うがよい。目鼻が付いたら、徹底的にやればよい。爆弾などを投げ込まれたら元

も子もない。

      

p77トヨタの米国4拠点に不審物届く
2010年5月20日1時10分

 【ニューヨーク=山川一基】トヨタ自動車の工場など米4拠点あてに、不審な小

包が連続して届けられたことが19日、明らかになった。爆発物の可能性もある

ため、トヨタは警察当局に届けた。


 同社によると、先週から今週にかけ、ウェストバージニアとテキサスの工場、ケ

ンタッキーの子会社に小包が届いた。またインディアナ工場あての不審な小包

が配達途中で見つかったという。

http://www.asahi.com/international/update/0520/TKY201005190480.html
(続く)