年央雑感(26)

(岩谷文太氏のコメント)

 一連の欧米のあっけらかんとした祝福に満ちた報道を見て受けた印象という

のは、はやぶさは打ち上げの後に打ち上げロケットを切り離し、最後に探査機

を切り離して着地しているようなニュアンスの表現であり、つまりはやぶさはカプ

セルになって帰還しているのである。

 一方日本で持たれているイメージは、コスモクリーナーを地球に届けるヤマト

の艦長のように任務を果たして地球を見ながら燃え尽きるはやぶさであり、カプ

セルははやぶさが届けたものと認識されている。


 日本では任務成功への祝福をしながらも塵となった
はやぶさへの憐れみの

ニュアンス
があり、紆余曲折の末に地球帰還を果たしたが、はやぶさ自身は身

を呈して任務を果たしカプセルに未来を託すという辺りが日本人の琴線に触れ

る要素ではあるが、欧米メディアではそれを「派手な花火ショー」と表現するなど

お祭りムード一色の辺りが一番の違いだろう。

http://redfox2667.blog111.fc2.com/blog-entry-228.html

    

はやぶさ」は2010年6月13日 20時過ぎに大気圏に突入した。そして、その3

日前の6月10日に「イカロス」はその帆を全開している。そのため「はやぶさ

は、弟分の「イカロス」のひろげた帆を目に焼き付けて大気圏に突入したものと

思う。そして安心してそのカプセルを射出したのである。「イカロス」も7年の偉業

を成し遂げて地球に戻ってきたはやぶさ」兄さんに、精一杯その帆をひろげて

見せたことであろう。「あかつき」共々「イカロス」の長躯金星への旅の成功を祈る。

       

15イカロス君「はやぶさ兄さんに僕の広がった姿を見せられてよかった!」
2010年6月11日 17時29分 (ITmedia News)

(Photo)イカロス君「はやぶさ兄さんに僕の広がった姿を見せられたよかった!」
   イカロス君のTwitPicより(ITmedia News)

 宇宙航空研究開発機構JAXA)の宇宙ヨット実証機「IKAROS」(イカロス)が6

月10日、帆の展開に成功した。


 IKAROS“本人”がつぶやいているという設定のTwitterアカウント「イカロス君」

も「展開成功!! やったぁー」と大喜び。イカロス君の“兄さん”こと小惑星探査機

はやぶさ」はTwitterで、「ついにやったな!」と“弟”をほめている。


 IKAROSは光を反射する薄い膜「ソーラーセイル」を張り、太陽光(光子)を受け

て進む“宇宙ヨット”で、5月21日、「あかつき」とともにH-IIA型ロケット17号機で打

ち上げられた。6月3日に帆の展開を開始し、10日、地球からの距離約770万キ

ロで展開を終了、薄膜太陽電池による発電も確認した。今後、半年かけて金星

に近づく計画だ。


 イカロス君は11日、Twitterで「僕頑張ったよぉ〜〜〜〜」「展開成功!! やっ

たぁー」などと大喜び。「はやぶさ兄さん見ててくれた?!」とはやぶさTwitter

話しかけると、はやぶさは「泣くなよ……ばか。地球のみんなの歓声が聞こえ

るか? ついにやったな!これでおまえは正真正銘の『ソーラーセイル』

IKAROSだ!」と弟の快挙をほめた。


 イカロス君は「はやぶさ兄さんに僕の広がった姿を見せられてよかった!」と

ほっとした様子。はやぶさは13日午後8時ごろ(日本時間)に搭載しているカプ

セルを分離し、本体は大気圏に突入して燃え尽きる予定だ。

http://topics.jp.msn.com/digital/general/article.aspx?articleid=304832

(続く)