番外編・プリウス急加速問題(60)

マトリックス」とは、トヨタUSAとGMが共同開発した車である。GMではポン

ティアックブランド
で販売されている「ヴァイブ」であり、トヨタブランドでは、「マト

リックス」である。日本では「ヴォルツ」と言う名称で販売された。北米仕様のカロ

ーラをベースとした2ボックスのSUVタイプのの車である。

日本ではカローラはリコールの対象となっていないが、 ヴォルツは少しは日本で

も売れていたのではないかな。数が少ないのでリコールではなく、全数訪問修理

なのかなあ。それともヴォルツにはこのエンジン制御モジュールは使われていな

かったのか。米国と日本では車の使われ方が異なるのでエンジン制御モジュー

ルは当然異なっている筈ってことか。それにしても「マトリックス」と同系統のGM

の「ヴァイブ」のリコールはどうなっているのであろうか。ちなみにこのエンジンコ

ントロールユニットECUの部品メーカーは、米国の大手部品メーカーのデルファ

イDelphi社
だと言う。明日このニュースを掲載しよう。

     

p121トヨタ、北米でカローラマトリックス合計110万台をリコール
2010年 8月 27日  6:24 JST

 【ニューヨーク】トヨタ自動車は「カローラ」および「カローラマトリックス」の約110

万台についてリコール(回収・無償修理)を開始した。エンジンが停止する可能

性のある不具合が原因。


 トヨタはこの日、今回のリコールの対象となるのは北米で販売された2005-08

年型車種だと説明。この問題でこれまでに3件の事故と1人が軽傷を負ったとの

報告があった。


 米連邦規制当局者が昨年12月以来、カローラマトリックス車種のエンジン停

止の可能性について調査してきたが、今週前半にこの調査を加速した。


 エンジン制御モジュールの不具合が原因で、エンジンに問題があることを示す

ライトが点灯したり、急なスピードの変化やエンジンが始動しないなどの問題が

生じる可能性があるという。最悪の場合には走行中にエンジンが停止するという。
(AP通信)

http://jp.wsj.com/Business-Companies/Autos/node_94904

     

今後ともトヨタはスピードを旨として、NHTSAとのコミュニケーションをよくとって、

ひたすら正直に対応してゆかなければならない。一寸したミスでも、揚げ足を取

られて針小棒大に報道されたたかれてしまう。しかしそうしても、オバマにとっ

て、このトヨタ電気自動車への開発の努力と能力と資本は、大きな脅威で

あり障害であり、トヨタを叩いてその開発を潰そうとしているわけなので、正直に

対応してもその事は止まないことではある。だから正直に対応してゆく反面、

GMやクライスラーの欠陥も見つけて報道してやらなければならないであろう。

幸いにして、と言ってよいのかは分からないが8月18日、GMは米証券取引委

員会(SEC)に新規株式公開(IPO,Initial Public Offering)を申請した。わずか

一年での再上場申請が出来ることに驚きの声も多かった。ただ、11月の中間

選挙に向けたオバマの一流にPR戦術の一環ではないかとの声もあるが、GM

の早期再生はオバマにとっては数少ない朗報で、選挙に向けた絶好のPRの

チャンスになることには間違いない。なんとなれば今上場申請をすれば、10月

下旬か11月初めが実際の上場の時期となるからで、選挙がらみといわれても

仕方のないことである。

      

p118.5<GM>上場を再申請 最大規模資金調達へ
8月19日10時40分配信 毎日新聞

 【ワシントン斉藤信宏】米政府の支援を受けて経営再建中の自動車大手ゼネ

ラル・モーターズ(GM)は18日、米証券取引委員会(SEC)に新規株式公開

(IPO)による株式上場を申請した。SECの審査を経て、年内にもニューヨーク証

券取引所とカナダのトロント証券取引所に上場する予定。昨年6月の経営破

綻(はたん)に伴い上場廃止となり、米政府に実質国有化されたGMは、再上場

を機に国有化脱却に向けた一歩を踏み出すことになる。


 GMの新規株式の売り出し価格は未定。米メディアによると、資金調達額は

140億~200億ドル(約1兆1950億~1兆7000億円)に上り、08年3月に上

場したクレジットカード大手、ビザなどと並んで、米市場で最大規模となる可能

性がある。


 GMに500億ドル規模の公的支援を行い、約61%のGM株を保有する米財

務省は同日、保有株式の一部を上場時に放出すると発表。米メディアによると、

上場後の米政府の株式保有比率は50%を下回る見通しだ。GM株の17.5%

を握る全米自動車労組(UAW)も保有株の一部を売却する方針とみられる。


 GMは今年に入り、2四半期連続で黒字を確保するなど業績を回復。09年7月

連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)による再建手続きを脱した後、

わずか1年1カ月で上場申請にこぎつけた。昨年7月に誕生した「新生GM」は、

破産法申請前の8ブランドをシボレー、GMC、キャデラック、ビュイックの4ブラン

ドに集約、従業員削減や工場閉鎖など大胆にリストラを進めるとともに、中国な

新興国市場で販売を伸ばしてきた。


 オバマ政権はGMへの多額の公的支援に対して批判を受けてきた。今回の再

上場申請は今秋の米中間選挙に向けて、オバマ政権民主党がGM支援の有

効性をアピールする好材料となりそうだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100819-00000018-mai-bus_all
(続く)