岡田監督に物申す。(4)

ワールドカップサッカー南アフリカ大会から、すでに3ヵ月が過ぎた。あれ程沸き

返った筈なのに、今はその余韻もない。ただ、次の代表監督がイタリアの「ザッ

ケローニ氏」に決まったことぐらいが目新しいと言ったら、目新しいニュースで

あった。


先のこのブログ「岡田監督に物申す。」('10.6.14)では、杉本茂樹氏の「W杯日

本代表は正々堂々と全敗せよ」
と言う提言を引用して、NO.3を終えている。し

かし現実には全敗するどころか、2勝1敗で見事予選を突破してしまった。これ

には日本どころか世界が驚いた。先ずはカメルーン戦。次の記事を引用させても

らう。読んでいて誠に面白い。今読み返しても、なんとなくあの興奮が蘇(よみ

がえ)ってくる。

        

16日本勝利に海外は太文字で驚愕 日本メディアの全敗予想乗り越え <ゆるふわサッカー☆感戦記>

2010年6月15日(火)17:30  gooニュース

ドのつくサッカー素人がお送りする「ゆるふわ」なコラム、3回目はもちろん14日

の日本勝利についてです。試合をウエブ上で実況していた英紙記者に「信じても

らえないだろうけど……ゴール!!! 日本が1点」と太文字で書かれるほどの対カ

メルーン戦。英語メディアでもTwitter上でも、「surprise(驚き)」とか「upset(番狂

わせ)」という言葉がひたすら飛び交いました。それから現地の日本報道陣が日

本代表は全敗すると決めつけていたという指摘や、「本田=ホンダ」にひっかけ

た自動車&バイクの乗り物ギャグも。(gooニュース 加藤祐子


○試合前はあんなに辛辣だったのに


英『ガーディアン』紙のサイト上で
http://www.guardian.co.uk/football/2010/jun/14/world-

cup-2010-japan-cameroon-live
試合を実況していた担当者は、試合前の書き込み

で「W杯に向けた日本の調整は実にどうしようもなかった」といきなりバッサリ。

オウンゴールイングランドに負けたのはとても恥ずかしかったと書き、「チーム

はほとんど本田圭佑ひとりに頼り切りだ」、「日本はアジアの外でW杯本大会に

勝ったことがない。おやまあ」と呆れる始末。「岡田監督はベスト4まで行け

』などと言うが、私としては日本語の漢字を使って丁寧に『まあねえ』と答えた

いところだ。このパソコンでは日本語は打てないのだが」などと、まったくイギリス

人らしい皮肉口調でした。試合開始23分の時点でも「助けて。つまらなすぎる。

今大会を楽しみたいと本当に思ってるのに、どれだけ我慢すればいいんだ」と。

それが試合開始39分になるや。冒頭で書いた、あの太字が画面に。


「YOU'RE NOT GOING TO BELIEVE THIS BUT... GOAL!!! (信じてもらえ

ないだろうけど……ゴール!!! 日本 1-0 カメルーン
)」と。


「松井が右サイドからカメルーンのボックスにボールを入れた。本田が待ってると

ころだ。黄色いシャツのディフェンダーはいない。本田は胸で受けて、一人慌てる

スレイマヌ(ハミドゥ)の横からたたき込む。ディフェンスはいったい何をしてたん

だ? しかし紳士淑女の皆さん、そういうことです。やっと。しかも、かなりのもの

でした!」 冷静を装いつつも興奮している様子です。


英『テレグラフ』紙の実況も、
http://www.telegraph.co.uk/sport/football/competitions/world-cup-

2010/news/7818851/Japan-v-Cameroon-live.html
開始前はやはり日本代表をなめ

ていて(だったらその日本相手にまともに得点できなかったイングランドは何な

んだという気もしますが、まあそれはさておき)、「岡田武史について一言。な

かなか面白い人だ
全く何の根拠もないのに、準決勝に行くとか言ったりし

ている
」と辛辣でした。それがやはり「開始38分」の時点で「GOAL! Japan 1-0

Cameroon」となるや、口調というか文章の調子が一変。


「本田がバックポストから得点。全くの予想外だった。ホンダが日本のW杯をキッ

クスタートさせた……とかいうギャグの出番かも」と。えーとそれは要するに

「本田」と「ホンダ」をひっかけたわけですね。そんなに無理矢理なんでもジョーク

にしなくても……。


得点の4分後には「いやはや。真面目な話、想像もできない展開だ。松井からの

良いクロスが本田に届くまで、カメルーンのディフェンスはひどかった」と書き、ロ

スタイム直前の開始90分には、「日本がこのまま持ちこたえるといい。カメルー

ンはこの試合で、勝つにふさわしいことを何もしていない」と。ロスタイム4分が終

わってホイッスルが鳴ると、「日本は歴史を作った。W杯で日本は初めて国外で

勝ったのだ。そしてカメルーンは初めて、W杯初戦を落としたのだ!」と、このサ

ンディ・マカスキル記者もなんだか興奮気味。


「日本、よくやった。岡田のチームはひたすら絶え間なく働いた。ステファン・ムビ

アの悪いポジションを有効活用して、本田の巧みなゴールに結びつけた」と、試

合前の書き込みと比べると別人のようです。岡田監督に向けられていた皮肉は

一転してポール・ルグエン監督批判となり、「いったい全体、何を考えてたんだ?

(中略)エトーを右ウィングで使うなんて。カメルーンインテル・ミラノじゃないん

だ。そもそもディエゴミリトがいないんだ。狂ってる。全く狂ってる」と厳しい厳しい。


おなじみTwitter上では、「なるほどそういうことか。イングランドとの親善試合で

日本が2オウンゴールしたのは、カメルーンを油断させるためだったのか」とい

う、なんともイギリス人らしい穿った意見も見ました。

(続く)