日韓併合100年(61)

さてかなり講釈が長くなってしまったが、その「日韓議定書」の全6条を次に示そう。

日韓議定書

大日本帝国皇帝陛下の特命全権公使林権助大韓帝国皇帝陛下の外部大臣

臨時署理陸軍参将李址鎔は各相当の委任を受け左の條款を協定す


第一条 日韓両国間に恒久不易の親交を保持し東洋の平和を確定する為大韓

帝国政府は大日本帝国政府を確信し施政()の改善に関し其忠告を容るる事


第二条 大日本帝国政府は大韓帝国の皇室を確実なる親誼を以て安全康寧な

らしむる事


第三条 大日本帝国政府は大韓帝国の独立及領土保全を確実に保証する事


第四条 第三国の侵害により若は内乱の為め大韓帝国の皇室の安寧或は領

土の保全に危険ある場合は大日本帝国政府は速に臨機必要の措置を取る可

し而して大韓帝国政府は右大日本帝国の行動を容易ならしむるため十分便宜

を与ふる事

大日本帝国政府は前項の目的を達するため軍略上必要の地点を臨機収用する

ことを得る事


第五条 両国政府は相互の承認を経すして後来本協約の主意に違反すへき協

約を第三国との間に訂立することを得さる事(


第六条 本協約に関連する未悉の細條は大日本帝国代表者と大韓帝国外部

大臣との間に臨機協定する事


  明治三十七年二月二十三日    特命全権公使  林権助

  光武八年二月二十三日       外部大臣臨時署理陸軍参将  李址鎔


これは「
明治という国家」からの引用である。(但し間違いと思える箇所は訂正し

てある)

http://meiji.sakanouenokumo.jp/blog/archives/2007/02/post_451.html


その意味するところは、大体次のようになろう。

第1条 [施政忠告権

 日韓両国は永久に仲良くして東洋の平和を維持するために、韓国政府は日本

政府を信頼して施政の改善に関して、日本政府の忠告を入れること。


第2条 [韓国皇室地位保障

 日本政府は、韓国の皇室を確実に安全かつ安らかに維持すること。


第3条 [独立と安全保障

 日本は政府は、韓国の独立及び領土保全を確実に保障すること。


第4条 [日本の韓国防衛義務

 第三国の侵害や内乱にため、韓国の皇室の安寧あるいは領土の保全に危険

がある場合は、日本政府は、速やかに臨機に必要な措置を執らなければなら

ない。そして、韓国政府は、その日本の行動が容易になるように十分便宜を与

えること。日本政府は、この目的を達成するために、軍略上必要な地点を臨機

に収容することが出来る。


第5条 [条約遵守義務

 両国政府は、お互いの承認のないまま将来、本協約の趣旨に違反するような

協約を、第三国との間で結ぶことは出来ない。


第6条 [その他

 本協約に関連する未悉(みしつ、くわしくなっていないこと)の細条(さいじょう、

細かな条項)については、日本政府の代表と韓国政府外務大臣との間でそのつ

ど協定すること。


このように見てくると、この日韓議定書の内容は大韓帝国にとって、より有利な

内容のものと判断される。と言うのも、大韓帝国独立を日本が唯一認めて

いる
ことからも分かるのである。以下その点を列挙してみる。


(1) 先進国である日本の施政面でのアドバイス

(2) 大韓帝国の皇室の地位を保証した。これがなければ韓国皇室は滅亡してい

たであろう。

(3) 大韓帝国の独立と領土が保障された。日本が安全を保障した。

(4) 大韓帝国を日本は防衛する義務がある。

  
それに対して、大韓帝国側の義務としては、

(1) 日本よりの施政の忠告を受けることになる。

(2) 第三国より侵略された場合には、日本に軍略上必要な土地を提供する義務

がある。

     これは至極当然のことではある。日本はその侵略者と戦わなければならな

いからである。


(続く)