ドーハの歓喜(1)

AFC ASIAN CUP QATAR 2011 サッカーアジアカップカタール大会の決勝戦は、現地時間

で言うと2011年1月29日18:00キックオフで開始される。

カタールのドーハとの時差は、-6時間である。サマータイムはない。表示の-6に従うと、

即ち日本を基点にすると、カタールのドーハは6時間遅れでいる、と言うことである。反対

に日本はドーハより、6時間進んでいる、と言うことになる。日本の正午・お昼の12時は、

ドーハでは6時間遅れているから、朝の6時と言うことになる。

だから、決勝戦は日本時間では、18+6=24と言うことで1/2924時、即ち1月30日(日)の

0時
キックオフと言うことになる。丁度日が変わる深夜にキックオフとなる。また眠たい日が

続くことになる。まあこの日は丁度日曜日なので、一般的には、翌朝は遅くまで寝ていれば

よい。

決勝戦は予想通りの展開。オーストラリアが後方からロングボールを放り込むと、ケーヒル

ががヘッドで落としそれをキューエルが拾ってシュート、と言うパターンだ。体格的に劣る

日本は次第に押され、防戦に手一杯といった格好だ。先制されるのも時間の問題だと、素

人目には見えた。しかし日本チームは耐えた、そして堪(こら)えた、そして守った。特に


GKの川島がことごとく跳ね返した。

   

前半戦は押されながらもそれほど決定的なピンチはなかったが、疲れの見え始めた後半

の27分
、最終ラインからのロングボールを岩政が目測を誤り、頭を越された所をキュー

ウェルに抜かれて、川島と1対1の絶対的ピンチとなってしまったが、川島は冷静の前につ

キューウェルのシュートコースに入り、そのシュートを右足でブロックする。正に神がかり

的なファインセーブだった。正直駄目かと思った。

  

更に後半の43分、日本守備陣との連携が悪く、危うくペナルティーエリア内でキューウェ

ルにボールをとられそうになるが、川島が身を挺してボールを確保する。川島の飛び出し

が僅かでも遅れていたら、確実に一点をとられるところであった。

  

そして90分は0対0のドローで終了し、試合は延長戦へ。

延長前半11分、左からふわりとクロスを入れられケーヒルと競い合う形となる。ケーヒル

は腕で川島を押さえ邪魔をしボールを落としながら二人とも崩れ落ちる。川島は怒りの形

相でケーヒルを引っ張りあげる。ケーヒルのファウル。

 

そしてその3分後延長前半14分、右サイドからのクロスにクルーズがあわせるとフラフ

ラッとボールはゴール上部枠内へ、川島は咄嗟に飛びはねて何とか指先でボールをかき

出す。そしてDFがクリアして事なきを得る。

このように何度もピンチを川島はしのいでいる。韓国戦のPKを3発阻止したと同様な好

セーブを見せたのである。そして延長前半をしのぎ切り、O-Oのまま延長後半へ。正に

神様だ。

  

川島2度の大ピンチ鬼セーブ/アジア杯

日刊スポーツ2011130日(日)10:08

川島2度の大ピンチ鬼セーブ/アジア杯
(
日刊スポーツ)

<アジア杯:日本1-0オーストラリア>◇29日◇決勝◇カタール

 日本(FIFAランク29位)はカリファ競技場で行われた決勝でオーストラリア(同26位)と

対戦。0-0のまま突入した延長戦の末、勝利した。


 GK
川島永嗣(27=リールス)が2度の大ピンチを気迫で防いだ。後半27分、ロング

ボールのこぼれ球の処理をDF岩政が誤り、オーストラリアFWキューウェルに裏へ抜け出

される。1点を覚悟したキューウェルの左足シュートを、次の瞬間右足でブロックした。


同42分にはDF今野が相手のプレッシャーにボールを失い、またもキューウェルと1対1

の局面。それでも川島は抜群の反応を見せ体の真ん中でボールを押さえた。今度は

シュートすら打たせなかった。



 延長に入ると集中力がさらに研ぎ澄まされた。同前半7分には果敢に飛び出してクロス

をキャッチ
同11分にはクロスに飛び込んできたケーヒルのラフプレーにも屈しなかっ

た。手を使ってきた相手をにらみつけると、荒々しく起き上がらせた。怒りの表情ともとれる

形相で、味方を鼓舞し続けた。

 
 日本の守護神としての自負がある。「僕の仕事はゴールを守ること」と公言。各所属クラ

ブの兼ね合いで、代表メンバーが全員集合したのはカタールに入ってから。川島自身も

リールスの試合があったため、現地合流した。準備期間が短いチームであっても、最善の

準備をしてきた。出場停止となったサウジアラビア戦も、ピッチに立っている気持ちで仲間

を後押しした。

 
 愚直にハイボールを繰り返す相手にセンターバックの吉田も今野も体力を奪われる。途

中出場の岩政も肉弾戦に苦しんだ。それでもことあるごとにハイボールの対処を各選手に

コーチング。延長後半4分に待望の先制点を上げると、相手のなりふり構わない猛攻にさ

らされた。体をぶつけられても、顔をゆがめても、ボールだけは離さない。アジア制覇は川

島が体を張り続けた勲章そのものといえた。

http://news.goo.ne.jp/article/nikkan/sports/p-sc-tp3-110130-0020.html

(続く)