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シボレー・ボルト
 http://www.chevrolet.com/volt/

   
まあEVと言うと、すべからく環境にやさしいと頭から信じられているようだが、こ

のようにその機構はかなり複雑なものなのである。単にバッテリーだけを積んだ

EVだとしても、電気を節約するための複雑な仕組みが、きっと組み込まれること

になろう。それにバッテリーも問題だ。よいバッテリーを作るために、如何に大量

のCO2を排出していることか、そのことも考えなくてはならない。更にはバッテリ

ーは、2次電池(充電が出来る)と呼ばれているように、バッテリー自体が複雑な

上にそれを管理するための複雑な機構が付随しているため、それをつくるため

にはCO2が排出される上に、そのバッテリーに充電する電気は充分にCO2を

排出して作り出されているのである。EVは、だから、完全にクリーンだとは呼ば

ないほうがよい。小生にはよくわからないが、プリウスとリーフとでは、LCA(Life

Cycle Assessment 製品の一生涯に亘る環境影響評価のこと)でみるとCO2排

出量はそれほど差がないのではないか、と思っている。大衆迎合して、時流に流

されないほうがよい。


EVには、もうひとつ問題がある。それは、航続距離が短く、その都度、充電しな

ければ使えないと言うことである。しかもEVは走らせれば、必ずバッテリーが空

になるから、どこかで充電する必要がある。EV車は電気の塊である、と言うより

も電気を大量に消費するものである。現在のガソリンスタンド以上に充電スタン

ドを必要としよう。それに充電時間もそこそこ必要とする。ガソリンを入れると

は、訳が違う。これをどうするかが、大問題なのである。充電する代わりに、充電

されたバッテリーに載せかえる案もある。するとバッテリーを大量に作っておかな

ければならない。レアアースが益々必要となる。これでは困るのである。日本に

レアアースは存在しない。中国に頭を下げて売ってもらうのも、癪に障ると言う

ものである。レアアースを使わない強力な磁石の発明が待たれるものではあ

るが、あれやこれやで、それほど早くにはEV車は流行するものとも、思えないの

である。


まあ、短距離用コミューターか近距離用集配車としてしか、先ずは流行はしない

のではないか。このことはすでに指摘されていることではあるが、小生もそんな

感じを持っている。


いまひとつ環境面で考慮しなければならないことは、自然エネルギーの活用で

ある。車は外を走るものであり、天気のよい日には、その太陽光を使わない手

はない。車体全面に太陽光を電気に変える塗料を塗った車が世に出れば、しめ

たものである。すでにその基礎技術は日本にあるという。だから自然エネルギ

ーを、車が走りながら取り込める技術革新が開発されれば、誠にエポックメイキ

ングなことである。ついでに車は風を切って走るものである。だからその風力も

効率よく使って、発電できる仕組みも考える価値があろうと言うものである。ラジ

エーターならぬ風力発電
なるものが装着されれば、この上ないことであろう。

また車はタイヤの摩擦を利用して走行する。そのタイヤの摩擦も発電に利用で

きないか、検討する必要がある。太陽光発電風力発電、摩擦発電の三つの発

電方法で車自体が電気を起こしながら、走行するとすれば何とかなるのではな

いか。シボレー・ボルトの1.4Lエンジンに代わるものが、これらの自然エネルギ

ーの取り入れと考えれはよいのである。

まあ、そんな訳で、トヨタとしては電気自動車は近距離用コミューターとして、世

に出すつもりらしい。次の記事を見て欲しい。

   

トヨタ内山田副社長、「EVは近距離用と割り切る」
2010年11月18日(木) 17時20分

トヨタ自動車は18日、コンパクトカー『iQ』をベースにした電気自動車(EV)を東

京都江東区の「MEGA WEB」でメディア各社に公開した。2012年に日米欧の各

市場に投入する。


iQのEVは、蓄電容量が約11kWhのリチウムイオン電池を搭載しており、フル充

電からは105kmの走行が可能(JC08モード)。最高速度は125km/hで200ボル

トの電源からは約4時間でフル充電となる。


トヨタはEVは街中などでのコミューターとして使用されることを想定しており、電

池の搭載は他社のEVに比べ、少なめにしている。会見した内山田竹志副社長

も「トヨタ近距離用と割り切ってEVの開発・普及を進めたい」と強調した。


iQのEVは当面、世界で年数千台の販売を想定しており、内山田副社長は「最

終的にはお客様が決められることだが、現状の電池性能や充電インフラ整備

の課題を考慮すると急速には普及していかない」と語った。

《池原照雄》

http://response.jp/article/2010/11/18/148186.html
(続く)