番外編・プリウス急加速問題(81)

オバマは2008年11月4日の大統領選挙で勝利し、2009年1月20日の大統領就

任式で正式に第44代アメリカ合衆国大統領に就任している。この辺の事情は、

当ブログの'09.2.3あたりの「バラク・フセインオバマ大統領(5)」を参照願うが、

次の大統領選挙は来年の2012年11月に迫ってきている。今度も大企業や巨大

労組から多額の金をもらって選挙戦を戦うことになるであろう。今度はそう易々

とは、オバマも当選することはないとは思うが、日本の産業界への影響は、どん

なものになるか予測がつかない。オバマのそのような癒着?を示す記事を次に

掲げる。

   

日経ビジネスONLINE
水野博泰の「話題潜行」from NY
2011年4月11日(月)
原発業界を守るオバマ大統領の事情
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 やはり、バラク・オバマ米大統領には原子力発電業界を見捨てられない――。

福島第1原子力発電所事故の深刻化、リビアなど中東情勢の緊迫化を受け、オ

バマ大統領が3月30日に行った米国のエネルギー安全保障に関する演説に、

関係者はほくそ笑んだかもしれない。


 オバマ氏は、原油輸入を2025年までに現在の3分の2まで削減するとの目標

を掲げ、沖合油田、天然ガスバイオ燃料などの開発・利用を推進するととも

に、自動車のエネルギー効率向上といった方針を示した。もちろん、最大の注目

原発をどうするかで、演説からその部分を引用しよう。


 「日本での原発事故を踏まえて原子力についてつけ加えたい。米国は既に電

力需要の5分の1を原子力で賄っており、原子力は温暖化ガスを排出することな

く電力供給を増やせる選択肢だ。ただし、安全性確保は不可欠で、既存の全原

発施設を至急点検するよう原子力規制委員会(NRC)に指示した。日本の事故

から学び、次世代原発の設計と建設に生かしていく。危険な放射性物質や技術

を拡散させることなく、各国が原発を利用できるようにするための国際的な議論

をリードしていく」


 つまり、世界各国で反原発の動きが猛烈に高まるのとは逆に、アクセルを踏み

込む姿勢を示したのである。中東への原油依存からの脱却や温暖化ガス削減

というお題目に嘘はないだろう。だが、政治家バラク・オバマとしては、再選がか

かる来年の大統領選挙のことを強く意識したのは間違いない。


 実は、オバマ政権原発業界の関係は深くて濃い。例えば、イリノイ州シカゴ

に本社を置くエクセロン。17基の原子炉を保有・運営する米原発最大手で、

2008年の大統領選では社員の個人献金だけで20万3663ドル(約1700万円)を

オバマ陣営に献金(OpenSecrets.org調べ)。共和党の対抗馬ジョン・マケイン

氏には3万6600ドル(約300万円)と差をつけた。原発大手のエンタジーもオバ

マ氏には1万3300ドル(約110万円)だが、マケイン氏に6650ドル(約56万円)

と、原発業界はオバマびいきの傾向がある。

極太なシカゴ・コネクション

 特にエクセロンとは特別な関係にあるようだ。オバマ氏の選挙参謀であるデイ

ビッド・アクセルロッド氏にとっては、かつて経営していたコンサルティング会社

の顧客がエクセロンだった。昨秋まで大統領補佐官を務めたラーム・エマニュエ

ル氏は投資銀行に勤めていた2000年、電力会社2社の82億ドル(約 6900億

円)に上る合併案件を担当。その結果、誕生したのがエクセロンだ。同氏は今年

シカゴ市長選に出馬し当選、5月に就任する予定だ。


 さらに、エクセロンのジョン・ロジャーズ副会長はオバマ陣営の選挙資金調達

担当であり、ジョン・ロウ会長兼CEO(最高経営責任者)はワシントンに本拠を置

くロビー団体原子力エネルギー協会(NEI)の代表も務める。ちなみに、エクセロ

ンは32年前に炉心溶融事故を起こしたスリーマイル島原発にある2基の原子炉

のうち、無事だった1号機を2003年以来、所有・運営している。


 あの事故以来、米国の原子炉新設は凍結されたままだが、福島第1原発の事

故の余波が世界中を駆け巡っている最中の3月30日、NRCはジョージア州で申

請されている原子炉建設計画の環境アセスメントを終え、「環境に影響なし」と

の結論を出した。米政府は、30年以上ぶりの原子炉新設の再開に向けて着実

に歩を進めている。


 今年1月に新設した「雇用と競争力に関する大統領評議会」の議長に指名され

たのは、渦中の原発メーカーゼネラル・エレクトリック(GE)のジェフ・イメルト

CEOだと振り返るのはうがち過ぎかもしれない。だが、オバマ政権がある限り、

原発業界の火が消されることはないだろう。

日経ビジネス 2011年4月11日号96ページより

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20110407/219354/?rt=nocnt

     

ここに名前の挙がっているラーム・エマニュエルは、「アメリカの日本潰しが始

まった」(徳間書店日高義樹著)の冒頭に記載されている四番目の腐敗して政

治家なのだ。一番目はもちろん、バラク・フセインオバマだが、二番目はバイデ

ン副大統領、そして三番目があのラフード、四番目がエマニュエル大統領主席

補佐官なのだ。詳しくは、当ブログ2010/8/21のNO.52を参照願う。


(続く)