だからこのTTPは「国際政治と安全保障政策が背景にある通商政策です」と
言うことなのである。
中国への牽制も兼ねているとなると、TPPに賭けるアメリカの意気込みは、きっ
と強いものとなろう。アメリカの雇用の増大も、もちろん意図している。なんと言っ
ても来年の11/6には大統領選挙が控えている。アメリカ国内的には、TPPによ
る雇用の拡大を喧伝することであろう。だから日本が一旦交渉に参加すれば、
都合が悪うございましたとTPPからの離脱は、まず出来ないと覚悟しなければな
らない。
15TPP交渉参加後の離脱 野田首相「難しい」 Q&A
2011年11月10日(木)08:00
Q 野田首相は、12日からハワイで開かれるAPECで、TPP交渉への参加を
表明する。なぜAPECなのか
A 「APECは2020(平成32)年までに、域内を経済的に統合するアジア太平
洋自由貿易圏(FTAAP)の構築を目指している。TPP交渉には、APECのうち9
カ国が参加しており、TPPでつくられた通商ルールは将来的にFTAAPの基礎
になる。このため、APEC自体もTPP交渉の進展に期待している」
Q 日本は、いつから交渉に入ることができるのか
A 「すぐに交渉のテーブルに着けるわけではなく、現在交渉中の9カ国の承
認が必要だ。中でも米国は、通商相手国と非公式に事前協議をした上で、正式
交渉を始める90日前までに政府が議会に通告する慣例がある。米政府が来年
1月に開会する議会に通告したとしても、日本の参加はその3カ月後。早くても
来年春になる見通しだ」
Q 今からでも日本の主張は協定に反映できるのか
A 「9カ国は今回のAPECに合わせ、協定に大枠合意する見通し。日本はこ
の場に加われないから、『すでに乗り遅れている』との指摘もある。ただ、9カ国
間では関税撤廃などをめぐる対立が続いており、具体的なルールづくりには来
年いっぱいかかりそうだ。このため、政府内には『今ならまだ間に合う。ラスト
チャンス』との声も強い」
Q 交渉が不利になった場合に離脱する選択肢は
A 「理屈ではあるが、現実には難しいだろう。自分から手を挙げて交渉に加
わるのに、抜ければ国際的な信用を落としかねない。ただ、韓国とASEANの
FTAでは、コメをめぐる利害対立でタイが調印しなかった例がある。米韓FTA
も、韓国の批准手続きが難航している。そういう意味では、交渉離脱や調印・批
准をしないという可能性もある」
Q 農業関係者は、関税撤廃に対する不安が強い。コメなどの主要な農産品
を例外扱いにできるか
A 「TPPは全品目での関税撤廃が基本理念だ。これまで日本が締結した
EPA(経済連携協定)のような『農産物は例外』という主張はしづらい。ただ、
TPPを主導する米国も砂糖などの例外化を主張し始めており、交渉の余地はな
くはないといえる」
■TPPをめぐるスケジュール
2011年 10月 米議会が米韓FTAを批准
ペルーでTPP交渉会合
11月10日 野田首相が記者会見し、TPP交渉参加を表明
12日~ 米ハワイで開催されるAPEC首脳会議で、交渉参加を国際
的に表明
12年 初め 米政府が議会に日本との交渉開始を通告
春ごろ 日本の交渉参加が決定
秋ごろ 交渉参加国が最終合意
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/snk20111110096.html
交渉事であるので、離脱出来ないということはないのであろう。しかし「自分から
手を挙げて交渉に加わるのに、抜ければ国際的な信用を落としかねない。」
と言うことである。だから残る方策としては、日本の国益を守ることの出来るよう
な交渉を実施して行くことである。そのための体制の構築と人選がキーとなって
くるのであろう。果たして「ドジョウ内閣」にそれが出来るのであろうか、甚だ心配
である。しかし言ってしまった以上やってもらわなければならないのである。
(続く)